10月10日に告示された玉野市長選には、柴田義朗(しばた・よしろう)氏(60)、赤松通博(あかまつ・みちひろ)氏(58)の無所属新人の2名が立候補しました。投開票は10月17日に行われます。
4期務めた黒田晋市氏が退任し、新人2名の争いとなった今回は市内2か所の病院を統合し新病院を建設する計画の是非、財政運営のあり方、地域振興策などが争点と考えられます。
柴田氏は玉野市生まれ、中央大学法学部法律学科卒業。岡山県に入庁し、観光振興、県保健福祉部福祉政策企画監、保健福祉部次長、公立大学法人岡山県立大学副理事長兼事務局長等を歴任しました。
柴田氏は以下の政策を掲げました。
1 若い世代が魅力を感じる子育てしやすく住みやすいまち
●安心して出産、子育てができるよう、玉野医療センターの「産婦人科」と「小児科」の充実を図ります。
●満1歳まで在宅で育児する世帯に手当を支給します(育児休業給付金受給者除く)。
●結婚を希望する若者に出会いの機会を提供し、結婚新生活に支援金を支給します。
●子どもが安全に遊べ、子育ての情報交換ができるような子どもの遊び場を整備します。
●子どもの貧困対策に取り組みます。
●市内どこに住んでも平等に教育を受けられる環境を整備します。
●外国語指導助手(ALT)を配置して本物の英語教育を強化します。
●玉野の住みよさのPRと移住支援策を強化して人口の転入超過を目指します。
2 いつまでも元気で安心して住み続けられるまち
●市民センターの機能を見直すなど住みやすいまちづくりを進めます。
●医療、介護、生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムをより充実させます。
●健康づくり体操や歯科健診など「8020運動」を促進し、健康寿命を伸ばします。
●障害のある人の自立と社会参加のため、就労や文化活動等への支援を進めます。
●高齢者の視点に立って地域の公共交通(シーバス等)を改善します。
●地域の防災対策、空き家の利活用、買い物難民などの課題解決に取り組みます。
●持続可能な社会を目指す「SDGs」の取り組みを強化します。
3 地域の活力を高める産業振興と観光の魅力向上
●新たな企業の誘致やIT企業などのサテライトオフィス誘致に取り組みます。
●地域の特色を活かした産業の育成支援など、産業政策と雇用の創出を図ります。
●地元企業の維持、発展のため、地域内で経済が循環する取り組みを進めます。
●美しい海や港、自然の景観を活かし、宇野港周辺や渋川、王子が岳、深山公園などの観光PRを強化し、回遊性を高めます。
●自転車のまちとして自転車レーンやサイクリングステーションを整備します。
●産業や観光の振興につながる道路整備や高松への直行航路開設を国・県に働きかけます。
●市の公式キャラクター「ののちゃん」によるPRを強化します。
4 心豊かに暮らせる文化を感じるまち
●文化や芸術のイベントを支援し、子どもから大人まで楽しめる「玉野芸術祭(仮称)」を開催します。
●市民の文化、芸術活動の拠点となる「新市民会館」の建設を目指します。
●貴重な歴史遺産の保存や伝統文化の継承を支援します。
●市民が気軽に様々なスポーツができる環境整備を図ります。
5 市民が信頼できる情報公開と行財政改革
●市民目線の情報公開を進め、地域で対話集会を開きます。
●行政改革を進めるとともに「ふるさと納税」で収入増を図り、財政健全化を実現します。
●女性の活躍を幅広く推進します。
赤松氏は玉野市出身、関西高等学校卒業。岡山三菱自動車販売社員、二の丸興産有限会社社員を経て、2011年の玉野市議選で初当選。以降3期連増当選しました。総務文教委員長、議会運営委員長、総務文教副委員長を歴任しました。
赤松氏は以下の政策を掲げました。
「コロナ対策と総合医療」の充実
1.新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからない状況を踏まえ、国、県、玉野市医師会と緊密な連携をし、ワクチン接種をはじめあらゆる状況の変化に即応できる医療体制を作ります。
2.コロナ禍で影響を受けている市民の皆様、商工業者、自営業者等の方々に的確で迅速な支援ができる体制をつくります。
3.「断らない医療」を目指します。救急体制の充実、常勤の小児科医、泌尿器科医の体制をつくります。市内各診療所と連携し午後診療を実施します。そして介護と医療が連携するオリジナルの連携体制を玉野モデルとして確立します。
「地域格差のない平等な教育」の充実
1.年間で待機児童をゼロにします。幼保一体化、民間保育園招致など多角化に組み合わせ、魅力ある就職前教育を行います。
2.新しい給食センターで幼稚園給食のモデル事業をスタートさせます。
3.義務教育学校をはじめとする新しい制度を活用し、一定規模の学びの場を確保します。
4.市立高校の機械科・ビジネス情報科の充実を図り、玉野市の発展を支える人材を育成し、市内就職を支援します。
5.特別支援教育をさらに充実させます。児童支援センター等の機能を強化し発達段階に応じた個別プログラムによる独自の療育体制をつくります。
玉野の未来」を見据えた行財政改革に取り組みます
1.民間で培った経営感覚を活かし行財政運営を行い、市民の皆様と個々の事業の見える化とその持続可能性について検証します。その中で無駄な部分を廃止して必要な機能を充実します。
2.将来を見据えた公共施設再編整備に着手し財源の確保についてもスクラップ&ビルドの原則に基づき、これまでの習慣にとらわれることなく地域の状況に合わせた公共施設の適正化を図ります。
3.行政職員の人員適正化を図り財政運営を安定させます。
「暮らしやすさ」の充実
1.市役所内にデジタル対策室を新設します。D X(デジタルトランスフォーメーション)を駆使し無駄を省くとともに、SNSや電子媒体を駆使して地域の情報発信や魅力向上に努めます。
2.8050問題(7040問題)(※2)をはじめ様々な相談に対応するための「断らない相談室」新設します。
3.障がいをお持ちの方の就労支援としてハローワーク等と連携した就労相談を充実させます。
4.免許がなくても、市内のどこへでも行けるようシーバス、シータクを充実させ市内の公共交通を拡充します。
5.フレイル予防(※3)や認知症予防の取り組みとしてサロンをはじめとする集いの場へリハビリ専門職、保健師、栄養士を派遣する事業を充実させます。
玉野市の魅力ある街づくり
1.年間148万人(令和2年度)の来場者を誇る「深山公園」、「渋川・王子が岳エリア」、「宇野港エリア」などの地域資源を活かし、倉敷の美観地区、岡山の後楽園等の県内観光エリアと連携し、観光・地域経済の発展に取り組みます。
2.玉野市の魅力と政策を市民と全国に発信するために、情報発信力の強化と行政のデジタル化に取組みます。
3.基幹産業と商工業者の方や商工会議所・地元関係団体と連携し「チーム玉野」で国・県へ地域の声を届け商工業の発展を推進します。
生涯玉野宣言応援事業 〜スポーツ・文化振興による活気ある街づくり〜
1.玉野市がバックアップし、生涯学習サポート事業を展開します。例えば5人以上の集まりであれば学びたい分野(コーラス・楽器・絵画・俳句・ダンス・料理・外国語・書道・茶華道など主に市内の文化活動家の方々と協力)に対して講師を派遣し、市民の皆様の文化活動の促進に取り組みます。
2.渋川海岸を中心に盛んに行われているビーチスポーツの強化に取り組みます。
3.障がい者スポーツの支援を強化し、ともに楽しめるスポーツ環境を構築します。
4.玉野市の自然に恵まれた地形と自転車の街「玉野」を全国にアピールする自転車ロードレース「仮称/ツール・ド・玉野」の開催を検討します。
5.競技人口が多く要望も強かった「天然芝のグランドゴルフ場」をつくります。また全国から競技やファンが訪れているボルタリングの環境整備を行います。
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