選挙ドットコムでは、乙武洋匡氏をMCに迎え選挙や政治の情報をわかりやすくお伝えするYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」を毎週更新中です。
今回は2020年10月11日に公開された対談の様子をご紹介。ゲストは自民党・河野太郎行政改革大臣です。今後の野望や成し遂げたい政策などについて伺いました。
「菅政権誕生後、河野大臣を推す声がどんどん聞こえてきます」と紹介する乙武氏。「河野大臣もいつかは総理大臣になりたいと思っていますか?」と質問します。
河野大臣は小泉元総理の名前を挙げ、「総理になって郵政改革を実現したのをみると、自分がやりたいことを実現するには総理になるのが一番だと思う。いつかは総理大臣になりたいと思っている」と話しました。
乙武氏が「総理になることは河野家の悲願だと思うが、一族のプレッシャーはあるのですか?」と尋ねると、「ないですね」と一言。
そんな河野親子は、日頃どのような会話をされているのでしょうか?
「今でも政治の話をするのですか?」と乙武氏が尋ねると、「最近は少なくなったが、一緒に議員をやっていた時期は話していた。父の外務大臣時代は外務委員会で追及したり、自宅で食事をしながら議論したりしていました」と話し、「お前みたいな馬鹿に話しても分からん」と言われていたことも明かします。
そのような事情もあり、“仕方ないから“と外務委員会で質問すると、「そういうのは家でやったらどうだ!」と野次られた話も披露してくれました。
乙武氏は、「今までのラベリングでいうと、河野大臣はどういうところに位置付けられると思っていますか?」と質問。
河野大臣は、今までのラベリングはいい加減だと思っているようで、「何が保守なの?と聞くと、言っていることはみんなバラバラだ」と話し、日本とアメリカでの違いについて、自らの体験も踏まえて説明してくれました。
アメリカでウォール街の重鎮に会った際、自民党の説明を求められた河野大臣は、「中道右派です」と解答。すると別な人から、「お前の政党は国民皆年金や国民皆保険もやって、農業に補助金を出しているんじゃないのか?どこが中道右派なんだ!」と言われたのだとか。
アメリカで保守というと、小さい政府にする、中央政府の権限は弱めて州に権限を与える、規制緩和して市場は自由にやらせる、というイメージなのだそうです。「何がリベラルで何が保守なのか、一度整理する必要があると思う」と話し、「この国のあり方をみて、現実主義的に、合理的に政策を発信していくことが大事だと思っている」と語りました。
乙武氏が、「総理大臣になった場合の看板政策は何になりますか?」と尋ねると、「今その本を一生懸命書いている。本が出たら読んでください」と河野大臣。会場の笑いを誘います。続けて、「もう少し現実的に考えた年金制度、外交や安全保障など、将来に向けて考えるべきことは色々ある」と話しました。
乙武氏は、「河野大臣の主張は自民党でまともに扱ってもらえない時期が長かったが、それでも粘り強く主張されていた。だが、入閣と同時に今までの主張をやめたことに対して、批判の声も多かった」と言います。
「あの頃の葛藤はありましたか?」と河野大臣に尋ねると、「議院内閣制だから“内閣は連帯責任“という前提で仕事をしなくてはならない。閣僚で任された仕事をやるのが大事だ」と話し、「だからこそいつかは総理になって、私が右と言ったらみんな右に行ってくださいねということが出来るようにしたい」と話しました。
乙武氏は続けて、「河野大臣は自民党らしからぬことをしてきたが、党内では好かれているんですか?嫌われているんですか?」と質問。河野大臣が「大変に好かれていると思います」と答えると乙武氏は大笑いし、「笑うところじゃないから!」と河野大臣がツッコミます。
乙武氏は、「これからも改革し続けようとすると、当然敵も増えてくると思う。でも、将来総理大臣になるのであれば、あまり敵を作り過ぎても自分の首を絞めることになる。このあたりのバランスはどのように感じていますか?」と尋ねます。
河野大臣は、「小泉さんが総理に選ばれたときも、政治のプロは対立候補者が勝つと言っていたが、国民がそれを覆した」と例に挙げ、「国会議員は選挙で選ばれる。最終的には国民の皆様の“この人に国のリーダーを任せたい“という思いが強ければ、国会議員もその思いを大事にしなければならない」と話しました。
乙武氏は最後に、「総理大臣になっていくにあたり、ご自身で感じている課題はなんですか?」と尋ねます。河野大臣は、「仲間作りは大事だと思う。“こう思っているんだ“ということを的確に伝え、それを更に伝えてくれるような仲間を増やしていきたい」と答えました。
1963年生まれ。米国ジョージタウン大学卒業後、複数の民間企業を経て1996年衆議院議員選挙で初当選。その後も連続当選し現在8期目を務める。
総務大臣政務官、自民党神奈川県連会長、法務副大臣、衆議院外務委員長、国務大臣、第75代国家公安委員会委員長、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(防災、規制改革、消費者及び食品安全)、外務大臣、防衛大臣などを歴任。
現在の菅内閣では、国務大臣、行政改革担当、国家公務員制度担当、内閣府特命担当大臣(規制改革・沖縄及び北方対策)を務め、2021年1月からは新型コロナウイルス感染症ワクチン接種担当も兼務。
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