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「政治だけじゃなくていい。意思決定の場すべてに流動的な選択肢を」Liquitous代表栗本拓幸氏インタビュー

2020/12/4

選挙ドットコム編集部

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「民主主義ってなんだ」――国会前のデモでそう叫んだ集団は、一定の賛同を得つつも大人たちから冷ややかな目で見られることも多かった。しかし、我々は「民主主義ってなんだ」という問いに胸を張って回答することができただろうか?それから約4年。当時まだ選挙権すら持っていなかった世代が、「民主主義ってこれだ」を民主主義×テクノロジーという手法でアプローチしてきた。民主主義×テクノロジーで事業を展開するLiquitous代表・栗本拓幸氏に選挙ドットコムがインタビューを行った。

従来の考えが全てではない。でも、新しい考えが全てでもない

選挙ドットコム編集部 横尾(以下、横尾):本日はよろしくお願いいたします。早速ですが、Liquitousが取り組んでいることを教えていただけますか。

Liquitous代表 栗本拓幸氏(以下、栗本氏):Liquitousは2つの顔を持っています。ITベンダーであり、政策集団でもあります。民主主義×テクノロジーという観点からソフトウェアを開発しています。

横尾:民主主義×テクノロジーとは新しいアプローチですね。どのようなソフトウェアなのでしょうか。

栗本氏:「Liqlid」という名前の、一人ひとりが自由にアイデアを出し合いながら、プロジェクトベースで合意形成を行うためのプラットフォームです。せっかくなので政治に絡めて例を挙げますね。例えばとある政党が政策について議論しようとするとき、いつも国会議員でしか議論していなかったという課題があったとします。そこで我々のソフトウェア「Liqlid」を取り入れていただいて、地方議員や党員・サポーター等の方々にアカウントを作ってもらい、賛成・反対の投票をしてみる。国会議員は結果を参考にする。単なる投票アプリと違うのは、「Liqlid」で得られた結果をどう受け取って意思決定するかは自由だということです

みんなに選挙で選ばれた国会議員が代理で議論し決める、という現行法だって立派な民主主義ですよね。でも、みんなに聞いてみたら、実は国会議員と党員は考えていることが違うかもしれない。あらかじめ何%以上反対だったら再考すると宣言しても良いですし、国会議員がLiqlidで得られた結果を「俺たち、もう少し説明が必要かもな」と考える材料にするもよし、です。意思決定のプロセスに選択肢があってもいいと思ったんです。現行法が全てでもないし、私たちの民主主義×テクノロジーソフトウェア「Liqlid」が全てでもない。民主主義という言葉は政治の場で堅苦しく使われがちですが、ゆるく流動的に意思決定の場すべてに取り入れられる概念なんですよね。

横尾:非常に柔軟な考え方ですね。

栗本氏:私たちがソフトウェアを開発するにあたって参考にしている概念が、液体民主主義です。日本ではあまり馴染みがないですよね。ざっくり言うと、みんなで議論して決める直接民主主義も、代弁者を決めて議論してもらう間接民主主義も、両方ミックスしていいんじゃないかという考え方です。他にも流動的な要素は色々あります。例えば、選挙だと今は投票に「参加」するか「棄権」するかの二択ですよね。そこに「委任」という概念を取り入れることもできるんじゃないかと。実際の選挙に実装するには時間がかかるかもしれませんが、例えば民間企業の意思決定ツールとして「Liqlid」を取り入れてもらったら、この時はAという方法で決めよう、次はBという方法で決めよう、という意思決定のありかたの選択肢を提供できるのではないかなと思っています

横尾:イチニ株式会社(※選挙ドットコムの運営会社)でも導入可能ですか?

栗本氏:はい、もちろんです!β版をリリースする予定ですので、ぜひ。

自由で流動的な民主主義を生活に実装していく

横尾:今後のLiquitousについて教えてください。

栗本氏:まずは民主主義をテクノロジーでより便利に、実践しやすくするソフトウェア「Liqlid」を正式にリリースします。そして、民間、教育、NPO、行政、政治等の業界に、私たちの開発しているソフトウェアを実装していきます。

Liquitousはソフトウェアを開発して政策を考えるだけの集団ではなくて、それらを生活に実装していくプロ集団でもありたいです。他の企業や団体との協動ももちろんアリです!

「次の世代にバトンをつなぎたい」と考える人が増えてほしい

横尾:栗本さんは、10年後の日本がどうなっていてほしいと思いますか?

栗本氏:私は現在21歳なのですが、30歳になるころには……「次の世代にバトンをつないでいきたい」とちゃんと考えてくれる人が今より増えるといいな、と思います。自分の意見が反映された、尊重された、反映された、そういった体験を積むための仕組みはLiquitousが用意します。未成年のころから政治に携わってきて、政治の近くにいたからこそ「社会を(より良く)変えるために政治のあり方そのものを変えることはとても難しい」と思いました。私はまず民間で多くの人を巻き込みます。ただ、もし私に共感してくれる仲間が集まったら、政治に参入するのも……ナシではないかもですね(笑)。

横尾:いやはや、こんな21歳がいるとは……。本日はありがとうございました。

栗本拓幸氏プロフィール
1999年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部在学。NPO法人Rightsをはじめとする複数の法人の理事として、政治参画に係る政策提言・調査研究などに携わる。2020年2月、Society5.0が喧伝される中で、民主主義のDXを進める合同会社Liquitousを設立。公共コミュニケーション学会(PRAS) 会員。富士通総研・トポス会議、SHIBUYA QWS ”Special Question Conference”など登壇多数。

(構成・執筆協力 ひがしみすず @misuzu_higashi)

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