アメリカ中間選挙まであと1か月を切りました。トランプ大統領の2年間の実績が問われる中間選挙ですが、今回は中間選挙とは何か、というポイントを中心におさらいをしてみることにしましょう。
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アメリカでは地方選挙から大統領選挙まで選挙は数多く行われますが、やはり何といっても目玉は4年に1回行われる大統領選挙です。前回2016年に行われた選挙では共和党ドナルド・トランプ氏と民主党ヒラリー・クリントン氏が争いトランプ氏が勝利しました。次回は2020年にトランプ大統領が再選を賭けて争うことになります。この、大統領選挙と大統領選挙の中間に行われる選挙を中間選挙と言います。
中間選挙では、日本でいう国会にあたる連邦議会(上院・下院)のみならず、州知事選、州議会選、市長選といった地方選挙も行われます。そのため、中間選挙は大統領選に次ぐ政治イベントと言えるでしょう。
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ここでは簡単に見どころを紹介したいと思います。
今回の選挙ではトランプ大統領自身が選挙に臨むわけではありません。衆議院で多数派を獲得した政党連合から首相が選出される日本とは異なり、大統領は議会と独立に選ばれるからです。
しかし、トランプ大統領からすれば中間選挙は極めて重要です。なぜなら、大統領が行おうとする政策の多くは議会の支持が必要になるからです。つい最近候補者の性的暴行疑惑で紛糾した最高裁判事指名の承認手続きが話題になりましたが、これは上院の過半数の支持が必要です。その結果、50対48で、最高裁判事指名が承認されました。最高裁判事候補の指名は大統領が行いますが、この指名を支持した50人のうち、49人は共和党議員です。上院には共和党議員が51人しかいませんから、いかに薄氷の承認だったかわかると思います。このように、現在、共和党は上下両院で過半数を獲得していますが、トランプ大統領は多くの政策で共和党議員の票を頼りにしています。そのため、今回、共和党が上下両院で過半数を獲得するかは、大統領にとって極めて重要になると言えるでしょう。
一方で、トランプ大統領が進めている政策については、野党の民主党支持者から多くの批判を集めています。そのため、民主党からすれば過半数を獲得し、トランプ政権をけん制することが目標となります。
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昨年、ハリウッドのセクハラ・スキャンダルに始まった#Metoo では、女性による告発が、政界、芸能界、メディアを問わず一気に噴出しました。政界においても多くの議員が辞任に追い込まれました。その結果、ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によれば、下院選、上院選に出馬を表明した女性の数は過去最多となっています。この傾向は、党派的なものではなく、民主党、共和党の双方で起きています。そして、これらの候補者の多くは、過去に受けたセクハラの経験を語り、社会変革を訴えています。
11月の本選挙に出馬する候補者を決める予備選挙が8月まで行われていましたが、その結果、連邦上院選、下院選、州知事選でこれまでで最も多くの女性が本選挙に勝ち上がりました。もちろん、11月の選挙でどれだけ女性の州知事、連邦議会議員が誕生するかは不透明です。しかし、今後、こうした女性の政策を反映させた政策が増えることは間違いないでしょう。
このように、今回の中間選挙では、共和党が過半数を占めるかどうか、女性政治家が増えるかどうかの2つが大きな注目点になります。今後のアメリカを占う大きな選挙と言えるでしょう。
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