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時代は逆戻り?参院選の選挙区がもとに戻るかも。自民党改憲案で参院選はどう変わる?

2018/4/3

齋藤 貴

齋藤 貴

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3月25日、自民党の二階俊博幹事長は自民党党大会において、党憲法改正推進本部がまとめた4項目の改憲条文案をもとに、他党との議論を進める考えを表明しました。自民党の憲法改正案は、1自衛隊明記、2緊急事態条項、3参院選における合区の解消、4教育の充実から成っています。

自民党の改憲案が、自衛隊の明記や緊急自体条項について議論を呼んでいることは有名ですが、合区の解消も議論も見逃せません。今回のこの記事では、「合区の解消」がどのような問題をはらんでいるのか、議論を整理したいと思います。

一票の格差の解決策としての合区

そもそも合区とは、一選挙区当たりの人口の差が大きすぎるという「一票の格差」が問題となった結果、法改正によって参院選では鳥取県と島根県、徳島県と高知県をそれぞれ一つの選挙区にしたことを指します。

そのため、従来のように一回の選挙で一人の議員を選べなくなったこれらの4県の議員は反発しました。また、地方では今後も人口減少が見込まれ、さらなる合区が見込まれることから、地方出身の議員を中心に合区解消を求める声は、党内に拡大することとなっています。
【関連】参院選の投票率。1位は長野県、最下位は合区となった徳島と高知  >>

合区解消のための憲法改正? 野党、メディアからも批判

合区解消を求める声が高まった結果、上記の改憲項目にも合区解消が含まれることとなり、2月16日の会合で衆参両院の選挙を規定する憲法47条に、参院選について3年ごとの改選で各都道府県から「少なくとも一人を選挙すべきものとすることができる」と明記することを求めました。

しかし、この改正案については他党やメディアから批判を浴びています。第一の批判は、そもそも今回の合区解消案は自民党の党利党略に過ぎないというものです。2016年選挙で合区となった4県は、いずれも自民党が選挙で強い地域でした。そのため、今回の合区解消案が実現した場合、自民党に圧倒的に有利なものとなると批判されています。 そのような改革を法律の制定による選挙制度改革ではなく憲法改正で行おうとすることも強く批判されています。

第二の批判は、「法の下の平等」との矛盾です。そもそも先述のように、合区は「法の下の平等」という観点から一票の格差を是正するために必要とされてきました。しかし、今回の改正案は一票の格差を固定しかねません。 また、法の下の平等に反する一票の格差が放置されれば、国会議員を「全国民を代表する」と定める憲法43条とも矛盾しかねません。 その場合、衆議院に並ぶ存在としての参議院の正統性も傷つけることとなってしまいます。

選挙制度改革の行方

このように、選挙制度は憲法改正を行えば問題が収まるというものではありません。

特に、自民党案の場合、また別の大きな問題を引き起こす可能性も含んでいます。また、存在感が低下しているのは地方に限った問題ではありません。例えば、日本では女性議員が少ないことが指摘されていますが、そのことを解決するために立候補者のうち一定の割合で女性候補者を擁立することを求めるクオータ制度を求める声もあります。選挙制度改革は、他の問題とも一緒に考えながら慎重に進める必要があります。

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齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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