独裁・不正選挙の批判も影響無し。4選されたプーチン氏はなぜ人気?

2018/03/21

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コラム

齋藤 貴

3月18日に投開票が行われたロシア大統領選挙では、現職のプーチン大統領が7割を超す得票率で再選を決めました。プーチン大統領は通算4期目を迎えることになります。

前回選挙の低迷からの巻き返し

選挙に強いという印象のあるプーチン大統領ですが、必ずしも他の独裁的な大統領と比べて強いわけではありません。

プーチン大統領は過去4回大統領選に出馬し勝利を収めていますが、得票率には大きくムラがあります。特に、前回の2012年選挙では2004年選挙と比べて8%得票率を落とすなど、その勢いに陰りを見せていました。特に、3期目には、クリミア併合による経済制裁や、資源に依存した経済のもとで国内総生産の実質成長率は1%台と停滞しています。また、1月には選挙が「茶番」であるとして、投票の棄権を訴えるデモがロシアの約100都市で行われ、全土で180人以上もが身柄を拘束されるなど、社会不安が広がっていました。

そのため、再選し権勢を維持することを目指すプーチン大統領からすれば、今回の選挙では社会不安を封じ込めるために何より高い得票率が求められました。そして、今回の選挙では76%という過去最高の得票率で4選を果しました。

立候補をめぐる不正疑惑や不正投票疑惑

今回の大統領選ではいくつかの「不正」が取り沙汰されました。その1つは、立候補をめぐる不正疑惑や不正投票疑惑によるものです。

立候補段階で主要な対立候補は排除されました。ロシア大統領選で立候補するには、ロシア下院に議席を有するなど規模の大きい政党から出馬するか、それ以外の立候補者については条件によって105000人ないし315000人もの署名を集めるなどしなければなりません。そのため、中央選挙委員会によれば67人もが立候補の意思を表明しましたが、立候補し投開票日まで候補者でい続けたのは10人程度です。その過程で多くの候補者が脱落しています。

昨年政権批判のデモを主導したアレクセイ・ナワリヌイ氏は、大統領選で反プーチン派の支持を集めることを期待されていましたが、公金横領事件で有罪判決を受けたことにより、中央選挙委員会が立候補申請を却下しました。欧米側は、事件がでっち上げられたものだとして政権を批判しています。ほかにも政権批判を強める立候補表明者がいますが、結局支持を集めるにはいたりませんでした。

このほか、投票に際しては不正投票疑惑が上がっています。SNSには、1人の男性が隠し持っている大量の投票用紙を投票箱に入れる動画など、不正投票を匂わせる動画が多数上がっており、反体制派による反発は必至です。

強い大統領

しかし、いくら不正をしても、それが勝敗そのものを左右する不正、あるいは世論と大きく異なる結果を生むものであれば、結果として反発は大きなものとなり、社会不安も大きくなります。重要なのは、あくまでプーチン大統領が「実際に強く支持されている」ということです。

低迷した2012年選挙の後の2014年、ロシアはクリミア半島をロシア領に一方的に編入しました。それによって、その後のある世論調査では、プーチン大統領の支持率が70%にまで上昇した他、今年1月の調査では、大統領選への立候補表明者の中で、プーチン大統領の支持率は81.1%をマークしました。3月9日の調査でも70%近くの支持を得ているなど、その人気は根強いものがあります

このように、プーチン大統領は強い支持を得て4期目に突入します。しかし、経済状況や社会不安について展望が開けている訳ではありません。また、クリミア併合の支持率への効力も長持ちするものではないでしょう。その場合、新たに国際政治上の事件を引き起こすことにもなりかねません。特に北方領土問題を抱える日本にとっては決して他人事ではないでしょう。ロシア政治からはこれからも目を離せません。

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齋藤 貴

ペンネーム。23歳大学生。大学では政治学を専攻。テレビドラマ『相棒』が大好きです。

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