任期満了に伴う石垣市長選が3月4日告示されました。立候補したのは民進・共産・社民・自由・沖縄社会大衆の5党が推薦する新人の宮良操(みやら みさお)氏(61)、自民・公明・維新・幸福実現の4党が推薦する現職の中山義隆氏(50)、新人の砂川利勝氏(54)の3名です。投開票は3月11日に行われます。
今回は陸上自衛隊部隊の配備計画の是非等が争点と考えられます。
元市議の宮良氏は陸上自衛隊部隊の配備について、現行計画地の市平得大俣を含め島全体への配備自体に反対しています。「島の将来を左右する問題。ミサイル基地問題が環境、文化、自然、人々の暮らし、観光に大きな影響を与える。受け入れることのできない政策だ」との姿勢を示しました。また、遠隔地に住む高校生を対象とした通学バス賃や学寮費の補助、高度な知識・技術を持つ農業水産業の専門職員の配置、持続可能な観光産業と環境保全のルール策定など、子育て支援や経済振興などを公約に掲げました。
宮良氏は石垣市生まれ、沖縄国際大学法学部卒業。市職員を経て1998年の市議選で初当選、以降市議を5期務めました。
3期目を目指す中山氏は、陸上自衛隊の配備計画を「国防や安全保障は国の専権事項」とし、「私が誘致しているのではなく、国が配備を考えている。市民に納得していただけるよう話し合いを進めたい」と主張しています。また2期8年間を振り返り、「様々な産業振興ができた」と評価。3期目は過疎化が進む島北西部の定住条件の振興や、移転後の旧庁舎跡地開発、市街地拡張による持ち家率向上などを公約に掲げました。さらに外国人観光客の受け入れを拡充するため新石垣空港のターミナルを拡張し、滑走路を2500メートルへ延長するなど、質の高い観光地を目指すための態勢を作っていきたい、としています。
中山氏は石垣市出身、近畿大学商経学部卒業。野村證券株式会社、株式会社木田商会などの勤務を経て2006年に石垣市議選に初当選。2010年から現在まで石垣市長を務めています。
元県議の砂川氏は、陸上自衛隊配備計画については「周辺地域住民との対話もなく、地権者の賛成だけで進められている。於茂登岳は石垣島の古よりの聖地であり、水の神様が祀られる祭りごとの中心地でもある」という理由から「計画は白紙に戻す」という立場を示しています。また、石垣空港跡地の新庁舎計画は建設費を縮小し、子育て・教育・福祉政策に充てること、過疎化の進む北部地域や西部地域、市内中央部の農村地域の経済振興など、島全体で均衡ある発展を目指したい考えです。
砂川氏は石垣市出身、中部大学卒業。2002年の石垣市議補欠選に初当選、4期連続で市議を務めました。2012年からは2期連続で県議選に当選。現在は沖縄県たばこ耕作組合組合長、石垣葉たばこ生産組合振興会会長を務めています。
今回の選挙は革新系の新人候補、保守系の現職候補、さらに現職に反発する保守系の新人候補の3名が立候補しました。自衛隊配備計画についての主張は三者三様となり、市民の表の行方を左右すると思われます。
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