大型選挙の少ない2018年ですが、沖縄県内では知事選を始め全部で51件の選挙が予定されています。辺野古新基地建設を巡り、推進・容認の立場をとる政府・与党が推す候補者「チーム沖縄」と呼ばれる保守勢力と、反対の立場をとる共産党、社民党、沖縄社会党などの革新政党と翁長県知事と歩調を合わせる一部の保守勢力が推す「オール沖縄」の2大勢力がしのぎを削る構図が目立っています。
今年これまでに行われた選挙を振り返って、年末まで続く沖縄の選挙の今後を考えます。
目次
瑞慶覧長敏 新人 社民、共産、社大、自由、民進推薦 11,429票 当選
古謝景春 現職 自民、公明、維新推薦 11,364票 落選
3期目をめざした古謝氏に元衆議院議員の瑞慶覧氏が挑戦し、65差で瑞慶覧氏が接戦を制しました。南城市は米軍基地から距離があり直接の争点にはなりませんでしたが、「オール沖縄」陣営が年初の選挙で勝利し、続く選挙に弾みをつける結果となりました。
大城竜男 元職 13,221票 当選
渡慶次昇 新人 5,840票 落選
県議会議員選挙立候補のため大城憲幸氏が市議会議員を辞職したことに伴う南城市議会議員補欠選挙は、2014年に次点で落選した大城竜男氏が当選。今回と前回は無所属での立候補でしたが、初当選を決めた2010年は民主党公認で立候補していました。
新垣安弘 新人 自民、公明推薦 6,635票 当選
知念昭則 新人 5,424票 落選
宮城勝也 新人 2,841票 落選
2期務めた現職の比屋根方次氏が勇退を表明。新人3氏による三つ巴の戦いは事実上の後継候補となった、自公推薦の新垣安弘氏が激戦を制しました。翁長知事をはじめとした「オール沖縄」が支援した知念昭則氏と、同じく現市政に批判的な立場をとった宮城勝也氏に反保守票が分散してしまったことが勝敗を決めました。新垣氏は元民主党沖縄県連の代表で県議会議員を歴任していますが、2016年の県議選には無所属で立候補して落選。今回は自公推薦候補となり政界復帰しました。
渡具知武豊 新人 自民、公明、維新推薦 20,389票 当選
稲嶺進 現職 社民、共産、社大、自由、民進推薦 16,931票 落選
辺野古新基地建設を巡り全国的にも大きな注目を集めた名護市長選は新基地建設を容認する「チーム沖縄」が支援する渡具知武豊氏が激戦を制し、八重瀬町長選に続き連勝を遂げました。この選挙には与野党問わず中央政界から連日応援に駆けつけ、白熱した展開となりました。渡具知氏は選挙期間中にほとんど新基地建設問題について触れず、「争点隠しだ」との批判を受けましたが、当選後のインタビューでは「辺野古容認ではない」と明言しており、引き続き政府・沖縄県との調整が難航することが予想されます。
仲尾ちあき 新人 19,782票 当選
安次富浩 新人 15,927票 落選
渡具知氏の市長選立候補に伴って実施された名護市議会議員補欠選挙は、仲尾ちあき氏は渡具知氏と、安次富氏は稲嶺氏とセットで選挙を戦い、市長選とほとんど同じ票差で仲尾氏が制しています。
石嶺傳實 現職 無投票当選
読谷村長選は無投票で石嶺傳實氏の3選が決まりました。4年前の選挙も無投票。初当選した8年前の選挙では共産党の推薦を得ていました。
首長選挙に限って見ると、現在まで「オール沖縄」2勝(うち不戦勝1)、「チーム沖縄」2勝という結果となっています。3月には陸上自衛隊の受け入れ問題で揺れる石垣市の市長選が予定されており、9月には統一地方選挙28の市町村議会が任期満了を迎えます。さらに11月には県都那覇の市長選、そして沖縄県知事選と続き、まだまだ目の離せない選挙が続きます。これまでの選挙結果を踏まえて中央政界の動きと合わせて引き続き注目です。
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