18日、島尻安伊子沖縄・北方相(参院沖縄選挙区)が、自身の名前と写真入りのカレンダーを選挙区内で配布していていたことが、公職選挙法(寄附の禁止)に抵触する可能性があると報じられました。(*1)地元沖縄とも重なる沖縄・北方相として初入閣した島尻氏は、来年の参院選公認候補です。果たして今回のカレンダー問題は選挙に影響するのでしょうか。
昨年の松島みどり法相(当時)のうちわ配布問題が国会で追及され、公選法違反で刑事告発された件では、現職大臣が辞任する事態となりました。
公選法第199条の2では公職の候補者等の寄附の禁止が明記されており、東京地検特捜部はうちわ配布を寄附行為と認定しました。しかし、当選を目的とした配布ではないと判断され、嫌疑不十分で不起訴処分になりました。
今回の島尻氏のカレンダー配布についても、寄附にあたる可能性は否定できません。ただし、選挙より約半年前に行われたこの行為について、今後どのように追及されるのか、来夏の参院選を控える現職大臣だけに目が離せません。
来夏の参院選沖縄選挙区では、島尻氏の他に伊波洋一氏(元宜野湾市長)が出馬の意向を固め(*2)、翁長雄志知事を支えることを表明しています。そのため、米軍普天間飛行場の辺野古移設を巡り、移設計画を進めたい安倍政権と、辺野古埋め立て承認を取り消した翁長知事との対立構図を背景に、島尻氏と伊波氏の対立はより一層鋭くなるものと思われます。
そこで注目したいのは当落の行方ですが、前回参院選の得票数を見るとこのようになっています。
島尻氏は258,946票で当選する一方、社民推薦候補と共産推薦候補がそれぞれ215,690票、58,262票を獲得しています。
9月28日に共産党の志位和夫委員長と会談した社民党の吉田忠智党首は、志位氏の参院選に向けた選挙協力について、「脱原発や消費増税反対などの政策が共有できれば協力する必要がある」(*3)と理解を示していました。今のところ沖縄選挙区の候補として島尻・伊波両氏以外に名前は挙がっていません。
共産・社民の選挙協力が沖縄選挙区で実現するのかどうかはまだ分かりませんが、島尻氏にとって厳しい選挙情勢に加え今回のカレンダー問題がどのように選挙に影響するのか、引き続き注目していきたいと思います。
(*1)島尻・沖縄北方担当相:選挙区でカレンダー配布 名前・写真入り(10月18日毎日)
(*2)宜野湾市長選に志村氏・参院選に伊波氏擁立 翁長知事派(9月23日朝日)
(*3)共産との選挙協力、社民・生活が前向き 相次ぎ党首会談(9月28日日経)
この記事をシェアする
選挙ドットコムの最新記事をお届けします
My選挙
あなたの選挙区はどこですか? 会員登録をしてもっと楽しく、便利に。
話題のキーワード