安倍晋三首相が8月3日に内閣改造・自民党役員人事を断行しました。安倍氏に批判的な野田聖子氏を総務相にするなど、いわゆる「お友達」を排除した意外な人選は、国民からそれなりに評価されているようです。各種の世論調査でも内閣支持率は回復傾向にあります。
となると、気になってくるのは衆院解散、総選挙の時期です。永田町では、「今秋は解散を打つ絶好のチャンス」との見方が広がっていますが、なぜなのでしょうか。
まず、安倍首相の政局面での最重要課題は来年9月の自民党総裁選での勝利です。総裁選で3選を勝ち取れば、2021年まで首相を務めることができます。
では、どうすれば3選できるのでしょうか。それは来年9月までに解散を打って、衆院選で勝利するしかありません。仮に解散しないまま総裁選を迎えてしまうと、岸田文雄政調会長ら「ポスト安倍」の新しい顔ぶれの面々に総裁選で敗北するリスクがあります。
誰が総裁(首相)になっても衆院選は目前に迫っているのも事実で、来年9月以降の解散が「追い込まれ解散」になることを勘案すれば、「安倍首相が3選を達成するためには、来年9月までに衆院を解散し、なおかつ勝利しなければならない」といえます。
よって、来年9月までに衆院選が行われる可能性は相当高く、90%ぐらいとみていいでしょう。
では、来年9月までの間で、いつごろの衆院解散、総選挙が有力なのかというと、それはズバリ、今秋(もしくは年内)です。
来年前半、来年夏というケースも想定できますが、今秋(もしくは年内)の可能性はかなり高まっているとみていいでしょう。
理由はたくさんあります。
1)内閣改造がそこそこ成功しており、内閣支持率も以前ほどではないが40%前後と堅調なので今がチャンス
2)株価も2万円前後で安定しているので今こそチャンス
3)民進党が「混乱状態」にあり、野党共闘も具体的に進んでいないので今がチャンス
4)国政進出の準備を加速させている東京都の小池百合子知事の勢いをそぐためには今がチャンス
5)来年になると、消費増税(2019年10月)がチラついてくるので今がチャンス
少し考えただけでも5つもあります。
実際にある中堅議員は「解散風がすさまじく吹いている。私は秋の解散と思っている。最短だと、10月22日の補選と同時だ」と発言していました。
臨時国会は、安倍首相がニューヨークで行われる国連総会から帰国後、9月25日の週に召集される見通しで、「9月25日の衆院冒頭解散」の噂も飛び交っています。
もちろん、そこまで急でなくても、「11月下旬解散、12月中旬投開票」の線も浮上しています。筆者は年内解散の確率を「65%」ぐらいとみています。
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