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【都議選】都民ファーストと政策協定。実は鍵を握る存在? 生活者ネットワーク

2017/6/5

宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

1970年代から東京で活動する老舗の地域政党である、「東京・生活者ネットワーク」。現在は都議会で3名の議員が所属しています。

国政には手を広げず、立候補者は女性のみ。「当選3回で引退」など特徴的な活動を展開しているものの、大政党とは異なり、その主張がメディアで大きく取り上げられることはあまりありませんでした。7月に迫る都議選にはどのような立場で臨むのでしょうか。現職都議の西崎光子幹事長にインタビューしました。

西崎光子幹事長

西崎光子幹事長

40年以上前から!主婦が主役の老舗の政党

-選挙ドットコム ライター宮原(以下、宮原)
「東京・生活者ネットワーク」とはどのような政党なのでしょうか?

-「東京・生活者ネットワーク」西崎光子幹事長(以下、西崎氏)
1970年代に練馬区で誕生しました。国立・国分寺で都議会議員が1985年に誕生して30年以上が経ちます。生活の現場の声を政治に活かす女性議員を増やすことを目的に活動しています。

-宮原
どういった問題意識からスタートしたのですか?

-西崎氏
合成洗剤による環境汚染を問題視する主婦たちによる環境運動に端を発しています。環境問題が政治の場で取り上げられることの少なかった70年代に、単なる反対運動ではなく、自分たちの仲間から政治の場に議員を送り出そうということで、政治団体になりました。

政治というと、利権や汚職といった悪いイメージを持たれがちですが、政治をきちんと機能させれば環境問題の解決や福祉・医療の充実などで困っている人を助けることができます。そのために、自分たちの仲間の女性から、意見を伝えてくれる代理人となる人を議会に送り込む運動をしています。

議員は全員女性。「3回で引退」というルール

西崎光子幹事長

-宮原
生活者ネットワークでは議員は当選3回までで引退する決まりになっていますが、これはなぜですか?

-西崎氏
かつては3期以上勤めると税金が半分投入される「議員年金」が発生していました。私たちはこれをやめようという主張からこのルールが生まれました。また、クリーンなイメージを保ち、なるべく多くの人に議員を経験してもらうことで政治の裾野を広げて行きたいという意図もあります。
※注)西崎氏も3期目となる今期をもって引退し、世田谷区選挙区からは岡本京子氏が出馬予定となっています。

-宮原
現在都議会議員として活動している3名は、全員が女性ですね。議員は女性に限っているのですか?

-西崎氏
かつて男性を出そうとしたこともあったのですが、生活者ネットワーク=女性、というイメージが定着してしまっているので、支持を広げるための選挙の戦い方などがわからず断念した経緯があります。

-宮原
この4年間で生活者ネットワークが挙げた成果を教えてください。

-西崎氏
保育の問題では都民から意見を募り、都有地を地元自治体に安く貸し出して保育園を整備したり、学校の増改築などの際に保育園を新設したりするといったような提案をして実現してきました。小池知事になってから、このような動きもスピード感をもって実現するようになってきています。

都民ファーストと政策協定

-宮原
東京都政には現状どのような問題があって、それを解決するためには何が必要だと考えていますか?

-西崎氏
豊洲移転の問題は非常に大きいと思っています。

私たちは身の丈にあった市場の規模が必要という立場から豊洲移転には反対していますが、それ以上に6,000億円もかかる市場を建設してしまったことに誰も責任を取っていないことや、交渉の内容を知事さえもほとんど知らなかったという状況を問題視しています。

これを教訓に、公文書管理のあり方の再検討や政策決定プロセスの透明化をしっかりと取り組んでいかなくてはいけないと考えています。

-宮原
都民ファーストの会と政策協定を4月に結ばれましたが、小池都政をどのように評価しているかお聞かせください。

-西崎氏
都民ファーストの会とは

(1)再生可能エネルギーの推進
(2)男女共同参画社会の実現
(3)情報公開の推進

の3点で政策協定を結びました。

私たちは知事選で小池氏を応援していませんでしたので、当初は身構えていましたが、知事は少数会派で無視されがちだった生活者ネットワークの政策をよくご存知でした。全てが一緒だとは思いませんが、協定を結んだ点については一致できるので、政策を加速できるのではないか、という期待感を持っています。

選挙戦では小池知事も応援に

-宮原
生活者ネットワークから4名出馬する中で、北多摩第二選挙区から立候補予定の山内玲子さんだけ、都民ファーストの会から推薦されることになっていますね。これはなぜですか?

-西崎氏
北多摩第二選挙区は定数が2となっているので、都民ファーストの会から候補者が2人立てられると生活者ネットワークとしては大変厳しい状況になってしまいます。

そこで、地域の中でがんばっている山内さんを都民ファーストの会に評価していただき、推薦してもらうことになりました。練馬、杉並、世田谷は複数人区のため調整が難しく、推薦という形にはなりませんでしたが、選挙前の決起集会などに知事にお越しいただいて、応援してもらうことになっています。

-宮原
最後にメッセージをお願いします。

-西崎氏
大きな政党だけの政治を進めて行くのではなく、いろいろな地域で生活している多様な声を反映してゆく、市民の政治ネットワークを形成する活動をしています。

都議会の改革について、私たちは以前から訴え続けていましたが、3名しか所属議員のいない少数会派ゆえに、前に進めて行くのが難しい状況にありました。小池都政は都民に開かれた議会に変えて行けるチャンスだと思っています。
今回の選挙ではインターネットを通して、子育て中の30代、40代のみなさんなどから意見を伺い、政策に反映したいという思いからYOUR VOICE 2020 という特設サイトで意見を募っていますので、ぜひ投稿してください。

なお、インタビューの様子は以下からご覧いただけます

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宮原ジェフリー

宮原ジェフリー

選挙ライター、キュレーター(現代美術)。 1983年東京都出身。中学生時代から衆参の選挙の度に全選挙区の当落予想を続ける。ポスターデザイン、インディーズ候補、政見放送、選挙公報、街頭演説など選挙に関わること一切が関心領域。著書に『沖縄〈泡沫候補〉バトルロイヤル』(ボーダーインク)がある。

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