実は庶民派?!政治家が食べるここ一番での勝負メシはなに?
2017/11/01
先日の記事では、東京都知事選挙を題材に「シルバー民主主義」に対するファクトチェックを行いました。そして、多くの若者が集まる東京都において「シルバー民主主義」は若者自らの手で人為的に発生させている問題であることを紹介しました。
とはいえ、そんな状況が成り立つのは、東京都ならではのことです。市長選挙真っ最中のさいたま市を題材に、若者を取り巻く状況を確認するとともに、その中で若い世代にできることにはどのようなことがあるか、探ってみましょう。
2013年さいたま市長選挙における年齢別投票動向
図表①は、前回のさいたま市長選挙(2013年)について、横軸に有権者数・縦軸に投票率をとり、バブル(丸)の大きさで投票者数を表しています。
早速、有権者数から確認してみましょう。有権者数は40代有権者(19.8万人)が最も多く、続いて70歳以上有権者(17.6万人)、30代有権者(17.6万人)となっています。20代有権者は12.9万人と最も少ない状況です。
続いて、投票者数です。こちらも、多い方から順に、70歳以上有権者(8.9万人)、60代有権者(8.1万人)、40代有権者(6.8万人)となっています。20代有権者の推定投票者数は2.6万人と最も少なくなっています。
20代有権者と60代有権者を比較をしてみると、20代有権者の数は60代有権者に対して、有権者数では8割程度であり、投票者数では3割程度であることが分かります。
図表②では、さいたま市長選挙及び市議会議員選挙での年齢別の投票者数をバブルの大きさで表しています。
2013年さいたま市長選挙における年齢別投票動向
20代有権者の投票者数は一貫して他の世代よりも少ないこと、特に直近の市長選挙、市議会議員選挙では、60代投票者数の1/3以下となっていることが確認できます。
シルバー民主主義は、選挙に当選したい政治家が、多数派である高齢者層に配慮した政策を優先的に打ち出すことで、少数派である若年・中年層の意見が政治に反映されにくくなり、世代間の不公平につながるとされているものです。
確かに、さいたま市の状況を見てみると、少子高齢化の進む人口構成に年代別の投票率の違いも反映され、高齢者層の発言権が大きなものとなりそうです。また、平日でも、休日でも、投票に赴くための負担は、時間に融通をつけにくい若い世代ほど大きいものとなります。このことも、シルバー民主主義にさらに拍車をかける要因となりそうです。
例えば20代有権者の人が、これまで投票に行っていなかった2人の友人と一緒に投票に行ったら。そう、20代の推定投票者数は、60代の推定投票者数と並ぶことができます。
また、同世代でなくても構いません。もし、同居しているなどの理由で、ご両親や祖父母など、異なる世代の方が身近にいて、自分たちの味方になってもらうことができたとしたら。
若者の立場に立った投票者(味方)が増えることに加えて、他の世代の立場に立った投票者が減ることになりますので、同世代の友人を巻き込むときの二倍の影響力を得ることができます。特に、さいたま市長選挙のように低投票率が続いている状況では、身近な1人、2人を巻き込んでいくことの影響力は、より大きなものになります。
他にも、世代の異なる方とそれぞれの立場を話し合うことで、お互いの立場を理解しあうきっかけを作っていくことも考えられます。
例えば、返済不要な奨学金について考えてみましょう。返済不要な奨学金が新設された場合、奨学金の支給を受けることができる若い世代に加えて、若い世代を養う方の負担も減らすことができます。
また、高齢者向けの公的な介護支援サービスを削減することにした場合はどうでしょうか。公的な介護支援サービスが削減された分、高齢者の息子、娘世代(仮に50代としましょう)が削減されてしまった公的介護支援サービスの代わりに民間の介護サービスへ支払う金銭的な負担が増加することも想定されます。ご家庭の中で子どものために用意していた教育資金を介護のために使わざるを得なくなることがあるかもしれません。この時、若い世代は自分のために使ってもらえたはずの教育資金を介護のために使用されることになる、という形で不利益を被ることになります。
他にも、高齢者の息子、娘世代が直接介護を行う必要が生じ、「介護離職」なども発生するかもしれません。この場合でもご家庭への影響は子どもたちにも及ぶことが考えられます。
このように話し合いを通して、ある取組みが様々な世代に影響を及ぼすことを共有することで、世代の壁を越えて、問題の当事者を増やしていくことができます。
さて、さいたま市長選挙における各候補者の公約は、将来、自分たちの暮らしにどのような影響を与えるものとなっているでしょうか。
「どうせ、若い人は数も少ないから」と最初から諦めてしまうのではなく、身近な1人、2人に働きかけられる政策はないでしょうか。その一歩を踏み出すことで、シルバー民主主義という言葉も「かえって同世代の友人や、異なる世代の人と話し合うきっかけになった」と前向きに乗り越えることができるかもしれません。
各地で様々な工夫が凝らされながら、選挙が様々な世代の有権者にとって前向きに政治に対して意見表明をするチャンスとなっていくことが期待されます。
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