7月に行われた参院選の投票率は全国で52.05%でした。前回より3.25ポイント上昇したものの、過去4番目の低さとなり、投票率がなかなか上がらない状況が続いています。
都道府県別で最も投票率が高かったのは山形県で61.87%、続いて2位に長野県(57.7%)、3位に東京都(56.55%)が入っています。
投票率は地方が高く都市部では低いというイメージを持つ人も多いと思いますが、市区町村別に見ると確かに上位には『村』『町』が並び、全国3位の東京都でも利島村(77.74%)や御蔵島村(76.92%)などが高投票率に寄与しています。
そんな中、都市部である東京都文京区で65.1%と高い数字が出ており、東京新聞によると10万人以上の有権者がいる自治体では全国トップだったといいます。過去の国政選挙でも高い投票率を記録していますが、文京区民が投票に行く理由は何があるのでしょうか。
順位 | 都道府県 | 投票率 |
---|---|---|
1 | 山形県 | 61.87% |
2 | 長野県 | 57.70% |
3 | 東京都 | 56.55% |
4 | 島根県 | 56.37% |
5 | 山梨県 | 56.23% |
6 | 奈良県 | 55.90% |
7 | 秋田県 | 55.56% |
文京区は東京23区のほぼ中心部に位置し、人口は約23万人(2022年7月現在)。有名な施設といえば東京ドームが挙げられます。
夏目漱石や森鴎外など文豪が居住した地であることや、東京大学をはじめとして教育機関が多数あり、学生も多く住んでいるなど、学問のまちと言われることもあります。
歴史のある地域では代々住んでいるという人も多い一方で、教育環境や治安が良いという理由からファミリー向けの住宅地として区外の人から注目されることも年々増えてきているようです。
文京区は区税の収納率がとても高いといわれています。
文京区の収納率は毎年99%前後で推移し、東京23区でトップになる年も珍しくありません。
文京区議会の松平雄一郎議員は投票率が高い理由について「納税率が高い文京区では、その使い道を決める政治に対して関心が高い区民が多い」と分析しています。
また、文京区の投票率が高い理由として、投票に行くことの重要性を地道に啓発してきたことや、区民が選挙についての知識を豊富に持っており投票に積極的であることも考えられます。
文京区は啓発のための選挙機関紙を発行する以外に、若者への啓発活動に力を入れており、選挙権を得た若者に啓発小冊子「バースデーレター」を送ったり、小中高生を対象にした選挙啓発ポスターコンクールの実施、若年層に選挙啓発を企画・実施するグループを結成するなど、未来を見据えた啓発活動を地道に行っています。
高投票率について成澤廣修区長は「全ては賢明な区民が多いということ」と述べています。
文京区は自治体として選挙啓発に積極的であり、区民の選挙への意識も高いため、官民双方の努力によって高投票率を生み出しているといえます。
2019年の文京区長選挙と文京区議会議員選挙の投票率は50%で、地方選挙の場合になかなか上がらないという課題もありますが、国政選挙で高い投票率を記録しているということは、投票率が上がらないことに悩む都市部の自治体にとってヒントになる部分もあるかもしれません。
順位 | 市区町村 | 投票率 |
---|---|---|
1 | 利島村 | 77.74% |
2 | 御蔵島村 | 76.92% |
3 | 青ヶ島村 | 67.76% |
4 | 文京区 | 65.10% |
5 | 檜原村 | 62.20% |
6 | 武蔵野市 | 62.13% |
7 | 国分寺市 | 61.90% |
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