5月13日の都民ファーストの会による、公認・推薦の発表で都民ファースト候補の構成は大きく変わった。公明党公認23人全員が都民ファースト推薦になると発表されたからだ。
これまで「元 自民党」、「元 民進党」など政党を離党した候補者が都民ファーストの公認や推薦になることはあったが、政党の公認候補がそのまま推薦となるのは初だ。
公明党は前回の選挙で獲得した23議席と同じ人数である23人を候補者として擁立する予定だ。定数改正があったため選挙区を変更する候補者がいるほか、引退もあり現職都議はこのうち19人、新人4人のうち2人は区議となっている。
今回の都民ファーストの公認・推薦発表では、この他にも東京・生活者ネットワークの現職、山内れい子 都議も推薦された。
これによって、東京・生活者ネットワークの公認候補も都民ファーストの推薦を得ることになったが、一方で現段階では、東京・生活者ネットワークは公認候補が4人いるが、このうち1人だけが推薦という状況になった。
民進党については、当初、都議会議員選挙に向けて公認予定候補としていたのは36人だったが、そのうち14人が既に都民ファーストの公認または推薦の予定候補に転じている。都議選に向けて当初から民進党公認を得ようとしなかった現職の2人の都議を合わせると民進党からの離党は16人に上り、新井智陽氏を除くと合計で15名が都民ファーストの公認・推薦を得ている。
民進党の「離党ドミノ」や「〇〇人離党」といった報道は多いにも関わらず、具体的に誰が離党し、都民ファーストの公認と推薦を得たのはそれぞれ誰なのかという情報についてはネット上にも分かりやすく出ていないため、あえて今回はこうした部分を明確にした図を作成してみた。
民進党公認から都民ファースト公認となったのは、増子博樹 元都議、伊藤悠 元都議、田之上郁子 元都議の元職3人と、菅原直志 日野市議、内山真吾 昭島市議、森愛 元太田区議の元職も含めた区議市議3人を合わせた6人だ。
民進党から都民ファーストへということが大々的に報じられているが、実は民進党の現職都議はこれまで発表されている都民ファーストの第14次公認(5月12日)時点で「公認」になっている予定候補は1人もいなかったりする。
一方で選挙における政党の関わりとして「公認」の次にウェートが重いものに「推薦」というものがあるが、この都民ファースト推薦には、中山寛進 都議、酒井大史 都議、小山有彦 都議、石毛茂 都議、島田幸成 都議、山下太郎 都議、尾崎大介 都議と、民進党の公認予定候補となっていた現職の都議会議員が7人、元職の滝口学 元都議を含めると8人、民進党の公認申請はしなかった石川良一 都議も含めると民進党関係の推薦予定候補は9人にも上る。
また、「無所属都民ファースト推薦」となった議員も会派は元のまま「東京改革議員団」に残ったままである点も注目すべきである。
都民ファーストの野田数代表は、「民進からの移籍は4人で、自民党からは11人。『離党ドミノ』は民進ではなくむしろ自民に当てはまる。」とコメントしている。
少し前の発言であるため、現段階では既に前述のように民進党を離党しての都民ファースト公認予定候補の人数は増えているが、実際には自民党からの合流組は、まだ公認とはなっていないが「都民ファーストの会 東京都議団」の会派に所属する木村基成 都議を含め11人いるという主張だろう。
実際に自民党から都民ファーストの公認になっている議員は、都議会議員現職の山内晃 都議、本橋弘隆 豊島区議、保坂真宏 台東区議、尾島紘平 練馬区議、村松一希 練馬区議、馬場信男 足立区議、米川大二郎 葛飾区議、佐野郁夫 小平市議、細谷祥子 東久留米市議、山下崇 元八丈町議など10名いる。
推薦を含めれば民進党の方が現職の都議会議員は少ないが、公認に限定すれば現職の都議は、知事選当初から小池知事を応援している音喜多駿 都議、上田令子 都議、両角穣 都議の3議員を除くと、自民党を離党した山内晃 都議しかいない。
今回の記事は、「都民ファーストってどういう政党なの?」という有権者に客観的なデータで分かりやすく説明するために書いてみた。
現状、都民ファースト公認推薦の現職都議会議員を会派別に見ると、都民ファーストの会 東京都議団4人、都議会公明党19人、東京改革議員団8人、都議会生活者ネットワーク1人、無所属(深呼吸のできる東京)1人の33人。4つの会派と無所属の5つに分かれている。
現状の都民ファーストの第14次公認及び推薦までの状況で言えば、公明党が23人、元民進党系が15人、元自民党系が10人、元維新系1人、無所属3人、元みんな系3人といった政治家たちと、これまで政治に関わってこなかった希望の塾の塾生20人によって成り立っている状況だ。
現段階での各党の離党状況や都民ファーストの構成状況について理解する参考にしてもらえればと思う。
いずれにせよ、今回の都知事選に限らずだが、単に「小池知事支持」「小池知事不支持」と言った二項対立による選択ではなく、選挙区の候補者一人一人のこれまでの経歴や政策、人物像などしっかり見極めて投票していくことが大事であることは間違いない。
選挙が終わってから「ガラガラポン」という状況になっても、「自信を持ってこの候補者を選んだ」と言えるような選択をしてもらいたいものだと思う。
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