任期満了に伴う千葉市長選が5月14日告示されました。今回立候補したのはいずれも無所属で現職の熊谷俊人氏(39)、新人で共産党が推薦する大野隆氏(48)の2名です。投開票は5月28日に実施されます。
自民党は独自の候補者の擁立を見送り、民進党千葉県連および公明党千葉県本部は熊谷氏を支持し、一方共産党は大野氏を推薦。対立構造が生まれている点でも注目が集まりそうです。
3選を目指す熊谷氏は、これからの4年間を「千葉市に大事な時期」と位置付けています。今回の立候補に当たり、東京オリンピック・パラリンピックに向けての都市開発政策、JR千葉駅周辺の再開発、中心市街地の活性化、教育環境の充実化や子育て支援策の拡充を提案しました。
熊谷氏は、これまで待機児童対策や地元での医療・介護を充実させるべく24時間型の訪問介護サービスを充実させるなど、成果を挙げることができたと自らを評価。今後は「あらゆる人へ行き渡るきめ細かな福祉・支援政策を作り上げたい」と意欲を見せています。
熊谷氏は早稲田大学政治経済学部経済学科出身。NTTコミュニケーションズ株式会社勤務の後、2006年にNPO政策塾「一新塾」の第18期生として学び、2007年の千葉市議選に初当選を果たしました。2009年に千葉市長選に当選、今回は3期目への挑戦となりました。
大野氏は現市政を変えることで「一人一人の市民が大切にされる環境を作りたい」と訴えます。具体的には小中学校のエアコン設置、国民健康保険料の引き下げ、幕張新都心への統合型リゾート施設の誘致反対を公約に掲げました。
「大型開発の優先は、敬老祝い金や難病見舞金の削減を伴い、市民を苦しめるものだ」と大野氏は現在の市政を批判。子供たちが安心して学べる千葉市にするために、エアコン設置等の配慮が必要だ、と主張しています。
大野氏は東京都中野区出身。明治大学政治経済学部卒業後、公益社団法人 日本将棋連盟に就職。その後、1997年には千葉市花見川区幕張本郷に転居し、キズナジャパン株式会社などを経て2016年には日本共産党千葉県中部地区委員会に勤務。千葉市長候補となるまでは共産党の衆議院千葉1区予定候補でした。
千葉市は現在、子育て支援や高齢化への対応、相次ぐ商業施設の閉鎖の影響を受ける中心市街地の活性化といった問題を抱えています。そのカギとなるのは大型開発ですが、市民は支持するか、あるいは反対するか、動向が注目されます。
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