※本記事は「ぽてと(Political Telecommunication Tower)」の寄稿となります。記事内容は執筆者個人の知見によるものです。

昨年の参議院選挙から始まった選挙権年齢の引き下げ。それを受けて、選挙前にたくさんの団体や個人が投票率向上を目指した活動がなされてきました。いろんなアイデアがあって、すごいなぁ、面白いなぁと思っていたのですが、最近、一瞬耳を疑う活動を見つけました。それは「人力車を使ったら、投票率が上がる(のでは?)」というもの。

これを聞いて一言。「何時代やねん!」と思わず突っ込みたくなってしまいました。タクシーや新幹線、ましてやリニアモーターカーの時代に、人力車って。某テレビ番組にこの説出せますよ。

僕も過去に人力車に乗ったことあります。夏の暑い日。屋根もあって涼しく、快適に移動でき、何よりも高いところから町を見下ろすと、これまで見えた景色とは違ってめちゃめちゃ楽しいんですよ。でも、人力車と投票率ってなんか関係あんの…? って正直、疑ってました。
気持ちがモヤモヤしていたので、実際にこのパンチのきいた企画を詳しく聞いてみよう! ということで取材させていただきました。「人力車を使う人、陽気な観光客くらいしかいない説(投票率向上とはあまり関係ないのでは?)」の検証です。

取材させていただいたのは、この取組みをされている日本女子大学の森脇留美さんと、慶應義塾大学の吉田京加さんのおふたりです。
-インタビュアー ぽてと編集部(以下、ぽてと)
今回は「人力車」を使ってどんな企画を行なったのでしょうか?
-森脇留美さん(以下、森脇さん)
投票に来た方を自宅や自宅周辺まで無料で送り届けるという企画です。
-吉田京加さん(以下、吉田さん)
人力車は、鎌倉名物とはいえ鎌倉の方でも「そういえば乗ったことがない」という方が多く、「乗りたい!」と言って来てくださった方も多かったです。
-ぽてと
素敵な企画ですね。親子で投票に行ったり、初めて投票に行く学生は、印象深い思い出になりそうですね。
-吉田さん
若い世代の反応が大きかったと思います。私のような普通の大学生がこのような活動をしていることを知って興味を持ってくれる大学生も多かったです。特に「政治なのに面白いね」と言ってもらったのが印象的でした。

-ぽてと
なぜ、今回の活動で「人力車」を使ったのでしょうか?
-森脇さん
鎌倉で、という事だったので鎌倉ならではの企画にしたいと思い、人力車を使うことにしました。
-吉田さん
人力車を使ったのは、話題性を重視したからです。一見ふざけた企画のように見えるかもしれませんが、選挙に行こうと思ってもらうためには、まずは注目を集め、たくさんに人に知ってもらうことが大切だと考えました。SNSでシェアしたくなるようなこのアイディアは最適だと皆が賛同したのでチャレンジすることになりました。
-ぽてと
そもそもなぜ、今回のような「投票率向上」の企画に取り組まれたのでしょうか?
-吉田さん
私たちは、鎌倉をよりよいまちにしたいという思いをもった人々が集まる団体、カマコンバレーの大人たちと一緒に、2017年4月の鎌倉市議会選挙の投票率UPを目指して、「選挙をジブンゴト化しよう委員会」を立ち上げました。投票率を向上させるために様々な企画をしていて、私たちは人力車で投票に来た方を自宅まで人力車でお送りするイベントを中心に活動していました。
-森脇さん
その他にも、立候補者応援ブレスト会、実際に投票率の高い町内会への取材、鎌倉の学生とのお食事会などを企画しました。今後は飲食店による「選挙割り」、落ちた人も受かった人も関係なく飲むノーサイド飲み会を開催予定です。
-ぽてと
若者の政治・選挙への参加に問題意識を持たれているのですね。「選挙をジブンゴト化しよう委員会」の立ち上げには、どのようなきっかけがだったのでしょうか?
-森脇さん
ドットジェーピーの主催する議員インターンシップがきっかけでした。そこでの活動を通じで、若者と政治の距離を感じました。例えば、議会を傍聴しても何の話をしているのか分からなかったり...
鎌倉の前回の市議選の20代投票率が約25%だったり、このままでいいのかな? と思うようになりました。そこでカマコンの定例会で、若者が選挙に行くための方法をプレゼンする機会をいただき、人力車企画を行うことになりました。
-吉田さん
私も、鎌倉市の議員さんのもとでインターンでした。その時に初めて、前回の鎌倉市議選の投票率が史上最低で、特に20代の投票率が25%だった事実を知りました。メディアでもよく聞く若者の政治離れが実際に進んでいるのか、と衝撃を受けましたが、色々な人に話を聞いたり、調べたりする中で、若者は決して政治に関心がないわけではないことが分かりました。
関心はあっても、投票に行かないのは、政治をジブンゴト化できていないからではないか、と考えて、投票行動を起こすために政治をジブンゴト化するための後押しができるような企画をしようと決めました。
というわけで、取材をさせて頂きました。検証結果として…「人力車は観光客以外も乗る(=投票率向上にもきっと役立っているに違いない)」でした!

※本記事は「ぽてと(Political Telecommunication Tower)」の寄稿となります。記事内容は執筆者個人の知見によるものです。詳細をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。
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