一昨日、作家・コラムニストの勝谷誠彦氏(56)が兵庫県知事選挙(6月15日告示、7月2日投開票)への出馬を表明する意向というニュースが流れました。そこで選挙ドットコム編集部では勝谷誠彦事務所へ取材を申し込んだところ、電話でのインタビューに成功しました。
兵庫県知事選挙には、共産党推薦で「憲法が輝く兵庫県政をつくる会」代表幹事の津川知久氏(66)、現職で5期目を目指す井戸敏三氏(71)や元兵庫県加西市長の中川暢三氏(61)が立候補を表明しています。選挙ドットコムでは他候補のインタビューも打診中です。
-選挙ドットコム編集部(以下、編集部)
まず、出馬しようと思ったきっかけを教えてください。
-勝谷誠彦氏(以下、勝谷氏)
私は尼崎で生まれ育ちました。大学からは東京に出てきましたが、幼少期は父に連れられて兵庫県中を旅行しましたし、1人でよく県内各地を貧乏旅行で旅したものです。兵庫愛、については人後に落ちないと思っています。就職してからは、東京を拠点にして仕事をしながら、日本全国をまわり、世界中をまわりました。そして、『カツヤマサヒコSHOW』(サンテレビ)という冠番組をはじめさせていただいた3年ほど前から、東京での仕事よりも大阪や兵庫での仕事を増やしてきました。今も、尼崎に住んでいます。
ロケでいろいろな地域をめぐり、番組で多くのゲストから兵庫県や他の自治体に関する話を聞く中で、だんだんと兵庫県内の問題点が見えてくるようになりました。他の地域から見た兵庫や、世界から見た兵庫も私の経験から感じ取れることです。
そうなると、次から次へとアイデアが出てくるんです。私は文章を書く仕事をしているわけですが、もう他人事のように書いているだけではダメだと思うようになったんです。言うだけでは何も変わらない。実際にやらなければ、と。
誰かがやってくれれば良いのですが、まわりを見てもやってくれそうな人はいない。それであれば、自分がやるしかない。生まれ育った兵庫県への恩返しのつもりでやってみようと思い、出馬を決意しました。
-編集部
現在の県政についてはどのように評価されていますか?
-勝谷氏
特に批判はしません。4期16年、県民の支持も得てこられたと思います。ひとつ言わせていただくとすれば、この16年の間に、どれだけ兵庫県が良くなったのか、しっかりと検証していただきたい。5期目に急に兵庫が変わるとしたら、それは今まで何もやってこなかったことになるので、おそらく今までの延長となるでしょう。
私の具体的な政策については今後、徐々に発表していきます。
ひとつだけ先にお伝えするならば私は「明るく楽しい兵庫県」というスローガンを掲げています。
私の持っている資料によると、兵庫県は平成27年度から人口流出を抑制する事業を展開していますが、人口流出数は増加しています。移住希望ランキングでも上位に来ることはありません。財政状況が悪いのは、阪神淡路大震災の影響があるのも事実ですが、その改善においてどれだけの成果を出せたのか。ワースト1なのを震災のせいにし続けていないでしょうか。
だから、明るく楽しい兵庫県を作りたいんです。全国から「兵庫で学びたい」「兵庫に住みたい」と思えるような県になったら、雰囲気も明るくなるのではないでしょうか。明るくなれば、さらに良い循環が生まれると思います。
-編集部
ともに選挙戦を戦う候補予定者は、政治家としての経験を持っていたり、政党からの支援を受けたりしています。無所属で新人の勝谷さんは厳しい選挙戦となるかもしれませんが、選挙に勝つ秘策のようなものはありますか?
-勝谷氏
そんなものあったら教えてもらいたいくらいですよ(笑)。
私は、最終的に「あいつに任せてみよう」と思ってもらえるように、訴え続けるしかないと考えています。幸いなことに、少しは私のことを知っていただいている。だから、名前ではなく自分の主張をもっと多くの人に届けるだけです。
-編集部
出馬表明以降、ネットでは「有名だから出馬する」というコメントも見られています。
-勝谷氏
今までそんな候補者が多かったということですよね。悲しいことです。そのような人は、何の政策も意見も持たずに、ただ政治家になりたいだけで、有名であることに頼って立候補するわけですが、それでは結果は出せない。私は県民のみなさんに政策も提示しますし、選んでいただければ4年間で結果を出します。
-編集部
現在は無所属とのことですが、政党の支援などは検討されていますか?
-勝谷氏
今回、無所属で出馬するつもりです。
政党を否定するわけではありません。県知事という立場を考えれば、どの政党とも友好的に、一定の緊張関係を持って接するべきだと思います。支援していただける政党があれば断る理由はありませんが、政党もしがらみがあるのでしょう。組織や団体が「この候補を支持する」と決めても、投票するのは組織や団体ではなく、ひとりの県民です。だから、私は組織や団体の向こうにいる県民に声を届けるつもりです。
-編集部
最後に、少し聞きにくいことをお伺いします。勝谷さんは少し前に鬱病になったことを公表されていましたよね?
-勝谷氏
全然、聞きにくくなんか無いですよ。
実は鬱になっていた時期のことは、あまり覚えていないんです。まず「これは病気なんだ」と意識して、専門医の診察を受けました。それから毎日きちんと薬を飲み続け、3ヶ月後ぐらいから好転し始めて、半年後には医者から「完治しました」と言っていただけました。今は全く問題ありませんし、やましいことだとも思っていませんので、聞いていただけて光栄ですよ。
「鬱になった人に政治家の資質があるのか」と指摘されるかもしれません。ですが、私の姿を見てもらって、全国の同じ病気で苦しんでいる人たちに自信を持ってもらえればと思っています。
-編集部
お忙しい中、また答えにくい質問へも回答いただき、ありがとうございました。
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