11月13日に投開票が行われたつくば市長選では元つくば市議会議員の五十嵐立青氏が接戦を制して当選しました。
五十嵐立青氏には五十嵐朝青氏という兄がおり、2017年2月5日に投開票が行われる予定である千代田区長選に立候補する意向を示しているようです。
兄弟で政治家をしている人は決して多くはないものの、有名なところでは鳩山邦夫・由紀夫兄弟や石原伸晃・宏高兄弟のように存在します。今回は兄弟で政治家をしている人たちについて取り上げようと思います。
政治家一族は日本にはかなり多いですが、兄弟政治家という例は親子政治家の場合に比べるとかなり少ないです。これは基本的に政治家一族は親が引退し、子供が親の持っている地盤を受け継ぐことが多いため、年齢が近い兄弟が同時に政治活動するのは難しいからです。
兄弟の活動期間が同時期という条件を外すと、政治家を務めていた方が死亡するなどして政治活動の続行が不可能になり、兄あるいは弟がその地盤を引き継ぐという形での兄弟政治家も存在します。
このケースの兄弟政治家は政治家をしていた方が比較的若い段階で急死するなどの事情がありますが、竹下登・亘兄弟のように年齢差が22もあったため、親子政治家のように兄の登氏が引退宣言を行い、弟の亘氏が地盤を引き継いだという特殊な例もあります。
前述した竹下兄弟以外にも特徴ある兄弟政治家は存在します。
岸信介・佐藤栄作兄弟(岸信介氏は父親の実家の岸家に養子に入った)は日本で唯一の首相経験者兄弟です。さらに、岸信介氏の孫である安倍晋三首相も岸信夫衆議院議員と兄弟の関係にあります。
兄弟政治家の中でも特に珍しいのが双子政治家です。残念ながら日本では双子政治家は確認されていませんが、海外ではアメリカやイギリス、コンゴなどで数組確認されています。特に有名な双子政治家としてではポーランドのカチンスキ兄弟です。双子というだけでも珍しいのに、兄ヤロスワフ氏が首相就任中の2006年に行われた大統領選に弟のレフ氏が当選したため、双子の兄弟が大統領と首相の座を占めるという極めて珍しい状態が1年以上続いたこともありました。しかし、レフ氏は2010年の大統領在任中に飛行機事故で死亡しています。
もし、冒頭で述べた五十嵐朝青氏が当選した場合、同時期に異なる自治体の首長となる兄弟政治家となります。同時期に政治活動を行っている兄弟政治家というと、鳩山兄弟や石原兄弟が有名です。しかし、彼らを始めとした兄弟政治家はどちらかあるいは両方とも国会議員のイメージが強く、兄弟が同時期に異なる自治体の首長となった事例はほとんど聞かれません。
確認できた事例としては知事と市長という関係ではあるものの、山梨県知事を務めた横内正明氏と山梨県の韮崎市長を務めた横内公明氏です。
この横内兄弟は、2006年11月の韮崎市長選に弟の公明氏が当選、2007年1月の山梨県知事選に兄の正明氏が当選し、共に2期目の選挙にも当選しました。その後、2014年8月25日に兄の正明氏が体力の限界を理由に次期知事選には立候補せず引退する旨を表明すると、3日後の8月28日に弟の公明氏も体力面に不安があるとして次期市長選には立候補せず引退する旨を表明しています。なお、この際に公明氏は自身の引退について兄から知事を引退しそうである旨を告げられた影響があったことも述べています。
千代田区長選挙は、都議会のドンと言われる内田茂氏都議会議員のお膝元なだけに、その行方が注目されています。五十嵐朝青氏の参戦で、さらに盛り上がりを見せています。
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