今年7月に行われた参議院選挙ですが、選挙区では最大3.08倍の格差がありました。
広島高裁岡山支部は、10月14日に「違憲状態」という判決を下しました。
違憲ではなく、あくまで違憲状態で、なので選挙の無効とはしませんでした。
鳥取と島根、高知と徳島が合区した初めての選挙でしたが、それでも3.08倍の格差があったのですから、これを違憲状態としたことは、まだまだ定数是正には至っていないという司法判断です。
他方で、合区された鳥取、島根、高知、徳島の自民党からは合区に反対だという声が出ていました。選挙を経た後も同じように合区を解消すべきだとしています。
現状の合区を前提とした場合にはこのようになります。今年7月の時点でのものであり総務省が公表した数値を用いています。
2倍未満にするためには定数を26増やす必要があります。
合区を解消すると、鳥取県に合わせるため、定数を59増やす必要があります。
定数不均衡を是正する以上、定数を増やすことも当然なのですが、何故か昨今は議員定数を削減することがあたかも議員が血を流すという意味でもてはやされています。
定数削減は、少数派の声を切り捨てることにつながるだけで、その意味では与党にとっては血を流すことにはなりません。
「定数削減、議員歳費の削減、これって本当に民主主義にとっていいこと? 少数派の排除に直結」
地方の声はどうなるのかという問題は理念には存在しています。都市部ばかりの議員が増えることにあるからです。
もっとも、それが今の自民党そのものの体質でもあります。現状の政治は、都市部対地方という構図を表しているのは、自民党の中の都市部選出議員と地方選出議員との対立ではありません。自民党はとっくの昔に構造改革を推進するために党本部(総裁)に権力が集中しており、地方の声などいつでも切り捨てることが出来るようになっています。
その典型がTPPです。地方選出の自民党議員はTPPを推進する立場を鮮明にしました。
参議院選挙区は各都道府県の代表という意味合いはもはやありません。それは旧来の自民党の「指定席」を前提とした発想でしかなく、定数不均衡の視点とはなり得ません。
むしろ、与党対野党の構図こそが国民の中の意見の違いを反映しています。都市部と地方においても同様です。
従って、定数不均衡是正という口実で定数を削減したりすることはもってのほかだし、抜本的な定数不均衡是正は、全国一区の比例代表制の導入こそが不可欠です。
もっとも、その都道府県の代表という意味合いはなくても、その都道府県の声というものはあります。
沖縄選挙区です。
これは自民党内部の地方対都市部の構造ではなく、中央政権と地方との対立構造です。
従って、これらも含め全国一区の比例代表制にすることは何の問題もありません。
※本記事は「護士 猪野 亨のブログ」の10月15日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。
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