民進党の蓮舫代表は参議院議員だ。民進党は野党第一党であり、政権交代を目指す政党だ。参議院議員で首相になれないとは規定されていないが、首相は衆議院の解散権を持つので、やはり衆議院議員でなければという声は出る。つまり、今のままでは首相を狙うとは言えないのだ。
年明け衆院解散総選挙が話題になっている。かなりの確率で解散になりそうだ。そうなると蓮舫氏は衆院に鞍替え出馬となるだろう。10月の東京10区補選に出馬の可能性も取りだたされたが、これはスルーした。補選は比例復活がないし、東京10区は小池知事の議席のあったところで、若狭氏が出馬したら、蓮舫代表といえども落選の可能性は高い。代表が国会議員でなくなれば、もう一度代表選をするしかなくなる。民進党は大混乱になるリスクがある。
年明け衆院解散総選挙までには時間もあり、なんとか調整ができるだろう。最悪、比例復活もあるので、リスクが低い状態で出馬することができる。民進党の東京衆院小選挙区の立候補予定者の状況は以下の通りだ。
1区:不在 海江田万里(公認内定)
2区:不在 松尾明弘(公認内定)
3区:比現 松原仁
4区:不在 井戸正枝(公認内定)
5区:不在 手塚仁雄(公認内定)6区:比現 落合貴之
7区:選現 長妻昭
8区:不在 吉田晴美(公認内定)
9区:比現 木内孝胤
10区:不在 鈴木庸介(公認内定)11区:不在 前田順一郎(公認内定)
12区:不在
13区:不在 北條智彦(公認内定)
14区:不在 清水啓史(公認内定)
15区:選現 柿沢未途16区:比現 初鹿明博
17区:不在 伊藤正樹(公認内定)
18区:比現 菅直人
19区:不在 末松義規(公認内定)
20区:不在 竹田光明(公認内定)21区:比現 長島昭久
22区:不在 山花郁夫(公認内定)
23区:不在 櫛渕万里(公認内定)
24区:不在 高橋斉久(公認内定)
25区:不在 山下容子(公認内定)
蓮舫氏出馬の可能性としては、1区海江田氏か、18区菅氏に引退してもらい、そこで出馬することが考えられる。特に菅直人氏はかつての民主党の負のイメージがまだある。引退の引導を渡し、新しい民進党のイメージを作るということが可能だ。ただ菅直人氏の意向もあり、どのように調整できるかだ。海江田氏も、以前の民主党のイメージがあるので、同様の意味から引退してもらうこともありえる。
自民党の大物議員の選挙区に殴り込みの手もある。8区の石原伸晃氏か11区の下村博文氏の選挙区だろう。特に石原伸晃経済財政政策担当大臣は注目を浴びそうだ。石原氏は東京都知事選で小池氏の対抗馬として増田氏を担ぎ、敗北した。それだけに、蓮舫氏が石原氏に勝つならインパクトは強い。その場合には調整も必要だ。
12区は民進党の候補者不在で、党内の調整は楽だが、共産との選挙協力にこの選挙区は譲る必要ありそうだ。
蓮舫氏は参議院では東京選挙区選出なので、東京以外の小選挙区での出馬はないだろう。東京選挙区はすべてが埋まっているだけに調整が必要だ。蓮舫氏の党内での地位を確立するには、自民党の大物政治家に勝つか、菅直人氏などの昔のイメージを払拭する形で当選するか、だろう。
※本記事は「行動する研究者 児玉克哉の希望ストラテジー」の10月6日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。
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