文章の書き方を教えない不思議な日本の義務教育

2016/09/02

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コラム

岩田 温

学生に限らず社会人でも、文章を書くのが苦手だという人が随分と多い。聞いてみると文章の書き方を指導されたことがないという。振り返ってみると、私自身も文章の書き方を教わったことはなかった。

夏休みに「読書感想文」を書けといわれたことはあったが、肝心の書き方を教わっていなかった。だから、何をどのように書くのか、本当に苦労した。正直に言ってしまえば、嫌な記憶しかない。原稿用紙の使い方の指導はあったが、こうして書いてみようという指導を受けたことはなかった。本当におかしな国語教育だ。確かに40人近い生徒・児童に文章の書き方を教えるのは大変かもしれないが、それにしても、あまりにもおかしな状況が続いていると思わざるを得ない。

今回、友人からの御提案を頂き、オン・ラインでライティング・ゼミナールを開講しようと思ったのは、本を読む愉しみ、自分の言葉で表現する愉しみ、仲間と一冊の本について語りあう愉しみを一人でも多くの人に実感してもらいたいと思ったからだ。

私は本を読み、語り合うのが最も上品な大人の愉しみだと考えている。別に本を読まなくても生きていける。生きるために必要なのは、酸素であり、水であり、食料だろう。本は生きるためには必要ではない。だが、人間が人間らしく生きようと願ったならば、やはり本は必要だ。

(参考までに「教養としての読書」についての私見を語ったものがあるので、興味のある方はご覧ください。)

何故、人は生きるのか、善き社会とは何か、歴史の真実とは何か。

多くの人々が悩み、考えてきた問題をもう一度考え直す。本を読むとは、著者と対話し、格闘するということだ。中には、何も考えずに漠然と娯楽小説を読むのが好きという人もいる。だが、私はこういう本の読み方が好きではない。やはり著者と対話し、時には対決する覚悟をもった読書のほうが、刺激的なのだ。
ゼミナールの中身を濃いものにしていきたいので、少人数制とさせていただいた。
読書し、自分の言葉で表現することを愉しんで欲しい。僕も一緒に愉しみたい。
全国でこういう試みがあるのか知らないが、せっかくネットが普及したのだから、共に高めあっていく場を設けたい。

※本記事は「岩田温の備忘録」の9月1日の記事の転載となります。オリジナル記事をご覧になりたい方はこちらからご確認ください。

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岩田 温

政治学者。主な著作に『逆説の政治哲学』(ベスト新書)、『政治とはなにか』(総和社)、『日本人の歴史哲学』(展転社)、『人種差別から読み解く大東亜戦争』(彩図社)、最新刊に『平和の敵 偽りの立憲主義』(並木書房)。専攻は政治哲学。様々な政治問題、歴史問題に関して幅広く問題提起を行う。NHKの特番では半藤一利、鳥越俊太郎らと激しい論争を行った

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