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【記者会見全文要約】奥田愛基、斎木陽平ら主義主張を超えた若者による提言「PROPOSAL2016」

2016/6/26

徐 東輝

徐 東輝

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左から順に、青木大和氏、斎木陽平氏、奥田愛基氏、小幡和輝氏、七田ちさ氏、町田彩夏氏

6月26日(日)12時、渋谷ハチ公前広場において、若者らによる提言「PROPOSAL2016」共同記者会見が行われました。

18歳選挙権が実現する今回の参院選を前に、同世代、政治家、そしてメディアに向けた3つの主張が述べられた今回の記者会見の模様を、全文要約の形で掲載いたします。

<出席者>(五十音順)
青木大和(政治活動家)
伊藤蓮(MTRL)
小幡和輝(OPEN POLITICS
奥田愛基(SEALDs、一般社団法人Re:DEMOS
七田ちさ(D3
斎木陽平(一般社団法人リビジョン)
町田彩夏(ミスiD/政治アイドル)

3つの主張

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会見の周囲には多くの観客が集まった

それでは、早速今回の会見の趣旨、そして私たちの世代が訴えたい3つの主張をお話させていただきます。

今回、この時期、このタイミングで、そして渋谷ハチ公前広場でこのような会見を開かせていただいた趣旨は、まさしく「参院選で若者の存在感を示す」点にあります。今回の選挙は、18歳選挙権が実現して初めての国政選挙であり、各党、若者政策を主張し始めたり、メディアも18歳選挙権に関する報道を増やしています。しかし、これを一過性の「若者」バブルに終わらせるわけにはいけません。もしこの選挙で若者の投票率が低いままだったら、結局若者に政策は響かないと政治家・政党は考え、次の選挙で若者向けの政策は再び下火になるかもしれません。メディアも一切取り上げないようになるかもしれません。

だからこそ、私たちはまず、①若者の投票率の向上を同世代に掲げます。これがひとつ目の主張です。この選挙で10代・20代の若者の投票率がまた3割のままだと、二度と政治は若者に振り向かないかもしれません。政治が何もしてくれないと嘆くのではなく、政治が何かをしなきゃいけなくなるくらい投票で声をあげなきゃいけないんです。

そして、次に掲げる2つ目の柱、それが②若者向け政策の推進です。ひとつ目の柱「投票率の向上」は同世代に向けた柱ですが、ふたつ目は政治家・政党に向けた主張です。若者は大きな票田なんです。新しい有権者240万人に加えて、20代には1500万人の若者がいます。このうち、投票にいっていない7割というのは1200万人以上いるんです。日本の人口の10%が関心を持つ若者向けの施策を推進すれば、必ず大きな変化が起きます。さらに、30年、50年後の日本を生きる若者たちに向けた政策を行うことで、近視眼的な政策を選挙のたびに吠えるのではなく、本物の未来志向の政策を行うことができるのです。

最後に、3つ目の柱はメディアに向けて、「選挙報道の拡充」を強く主張します。もちろん、現時点でメディアの皆さんは必死で参院選を報道し、その報道内容のレベルも高いものと考えています。しかし、そもそもも物理的な報道の時間がどんどんと短くなっていることを身にしみて感じ、その少ない時間の中で報道されるのは、政策ではなく政局。政局ばかりをみて報道するのはやめて、もっとそれぞれの政策の中身を報道してくれませんか。若い有権者の判断がすこしでも良質なものになるように。

それではこれから各登壇者がそれぞれの主張への思いを語りたいと思います。

1.若者の投票率の向上(伊藤蓮、青木大和)

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左から青木大和氏、伊藤蓮氏

皆さんこんにちは。
僕たち2人からは投票率の向上の話をさせていただきます。

(青木)
今回、18歳選挙権に引き下がって、彼は21歳なんですけど、実はこれまで選挙にいったことがない。
だけど、18歳選挙権が実現したことによって、今まで投票にいったことがない人たちがこうやっていこうと思い始めてます。これからギャル男の蓮くんが思いを話すので聞いてください。

(伊藤)
今回ボクが政治に興味をもったきっかけは、『ギャル男でもわかる政治の話』っていう自分の本の企画だったんですけど。でも、きっかけはなんでもいいと思っていて。今年から18歳になるということで、新しい有権者が240万人もいるんですよね。いま投票率が高いのは高年齢の方々で、だから高年齢の方々向けの政策が多いと。
でも、若者の投票率が上がることで、世界を変えるきっかけになるんじゃないかと。
僕みたいなもんが興味持ったんだから、皆さんみたいにもっと力もってやっていけることあると思うんです。僕が言っても説得力ないかもなんですけど、僕がここにあがってしゃべることでみなさんにもちょっと違う感情とか、違う考えとか持ってほしいなと思います。

(青木)
いま彼は僕みたいなって言いましたけど、こういう方々が興味を持つ、投票に行く、それこそ18歳選挙権の趣旨じゃないかと思っていて。僕らも今回一つになって渋谷で声あげて、一人でも多くの方に投票にいってほしいなと思っています。本当によろしくお願いします。。

(伊藤蓮)
よろしくお願いします!

2.若者向けの政策とは(奥田愛基、斎木陽平)

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左から斎木陽平氏、奥田愛基氏

(斎木)
僕たちからは、若者政策の実現を訴えていきたいと思います。
実は奥田愛基くんが一昨日24歳になったんですが、僕と同い年、北九州出身で、腐れ縁なんですけど、僕らって立候補できるとおもいますか?実は24歳、立候補できません。衆議院は25歳、参議院は30歳だからです。
若い人たちの政治を実現したいというときに、若い人たちが立候補できないというのはおかしいんじゃないかと。そこで、被選挙権年齢引き下げを強く訴えていきたい。
若い人たち自身が、若者向けの政策実現のためにその声をあげていく。
主義主張を超えて、声をあげていきましょうということを今日は呼びかけたいと思います。

(奥田)
はい、いま斎木くんがいってくれたことがまさにその通りで。
若者に選挙に行けというわりには、若者が置かれている状況って全然よくないと思うんです。「お前ら手伝え」って言われてるだけで、若者向けの政治なんて全然言ってくれないし、TVも扱ってくれない。政治って誰のためにあるんでしょう。
18歳選挙権で権利が拡大したように思うけど、各政党の広報とかでも、馬鹿っぽい男の子が女の子に「選挙ってなんなの?」って聞く、それだけじゃないですか。若者向けの政策、具体的に何をやってくれるのか全然議論されない。

いま、学生の半分は奨学金借りてるんですよね。そして社会に出て、その半分は返せていないんです。OECDの中で、公的教育にかけるお金は日本が最下位なんですよ。先進国の中で、これだけ未来のために、若者・子どもたちのために投資しない国なんてないんです。
この点に関しては、斎木くんと僕の意見が一致していて、未来に投資できない国は絶対に良くならない、絶対に劣化していく。
供託金もめっちゃ高い。選挙出るために600万とか払わないといけなくって、そんなの普通の学生は絶対政治家になれない。だから2世、3世の議員ばっかり出てくるんです。
こういう現状を変えていくためには、もっともっと未来に投資してください。
18歳選挙権が大事だっていうんなら、若者が政治に関わるのが大事だっていうんなら、もっと若者たちの発言を後押ししてください。若者たちが何を望んでいるのか聞いてください。

(斎木)
政治的立場も主義も全然違うんですけど、実はこの政策、この視点だけ、一致してるんです。
未来にちゃんと投資しないといけない。
僕ら2人は、国会に公述人・参考人としてどちらも呼ばれてるんです。18歳選挙権の審議のときも、安保法制の審議のときも、国会議員寝てるんですよ。給料もらって国会の中にいる人達が、法案審議のときに寝てたり、スマホいじったり、本読んでたり。奥田くんは、「国会議員の方起きてください、品位を欠いた行動するな」って怒ってましたけど。
そうやって、若い人が声あげないと、国会の中では若者舐められてるんです。
若者は、搾取されてるわけです。ほんとにちゃんと投票行きましょう。

3.選挙報道の拡充を(小幡和輝・七田ちさ)

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右2人が七田ちさ氏、小幡和輝氏

(七田)
最後に述べるのは、メディアの方々に対する主張です。メディアでは、日々選挙に関する報道がされていますが、その物理的な時間はかつてよりどんどん減っています。そして、報道の中身も、どちらが優勢か劣勢かという視点が重視され、具体的な政策の論議がされていかない。

(小幡)
ぶっちゃけ今の報道の仕方は、かなり政局報道だと感じます。政局とかよりも、この人はどんな思い、考えで政治をやっているのか、どんな政策をしているのかということを伝えてほしい。
実際、前回の衆議院・参議院のころよりも選挙報道ってすごく短くなっているんです。
そして、若者によりそった報道をお願いしたいと思います。

ここからは一人ひとりがなぜここに来たのかの思いを伝えます。

伊藤蓮「政治ってたまごっち感覚。クラブいって、選挙いって、そんな日本になったらいいな」

ぜひ皆さん、足を止めてください。伊藤蓮です!!!!
僕はいま21歳なんですけど、恥ずかしながら、選挙に行ったことがなくて。政治に興味を持ってお話を聞いておもったのが、政策を調べて、好きな人を応援して、投票するっていう。こういうたまごっち感覚。自分で育てていくみたいな。
なんかそういうきっかけ、感じでいいと思うんですよね。そういうところから始まった子たちがどんどん考えていって、選挙行くのが定番みたいな。「クラブ、んで選挙」みたいな。そういう日本になったらいいなって思います。

青木大和「右から左まで主張を超えて並べるのって、今の若者にしかできない」

今回、斎木さんから奥田くんまで、並んですごいことだと思ってるんです。主義主張が全然違う人たちが、未来への投資を主張するために、集まりました。
若者の投票率の向上、若者向けの政策の推進、選挙報道の拡充という3本の柱を今回掲げているんですが、主義主張を超えて、若者が一枚岩になっておんなじ舞台の上に立っているというのが、今の若者にしかできないことではないでしょうか。
若者がこの国の未来を作っていく中で、バチバチはしていますけど、お互いを心ではリスペクトしていて、そうやって一つになって声を上げていくという、これは上の世代では考えられないこと、今の若者にしかない雰囲気だと思うんです。
これからも僕らは立場を超えて、声を出していきたい。2016年は、そういう契機の年にしたいと思います。

斎木陽平「僕は奥田が大嫌い。だけど、愛の反対は無関心なんだよ」

まぁ、若者はね、それぞれ立場も思いもあると思うし、僕は奥田愛基がやっぱり大嫌いです。大嫌いなのは大嫌いなんだよ。だけど、マザー・テレサはね、「愛の反対は大嫌いじゃなくて、無関心だ」って言ってます。そういう意味では、奥田くんを僕はやっぱり愛してるんだよ。こういうゆるふわなノリとか、よくわかんない音楽とかね、全然わかんないわけです。
でも、愛の反対は無関心であって。みんな意見や主義主張が違って、でもそれで人間関係が終わりになるわけじゃないと思うんですよ。自分はこう思うって意見や立場が違って、喧嘩になっても、人間観家はそれで終わるはずなんてなくって、みんなで関心を持ってることは違いない。立場が違っても、関心を持って取り組むということは一緒にやっていこうということをいいたいんです。

僕は長く政治家を近くで見てきましたけど、権力者は何を思っているかというと、「愚かな人はずっと愚かでいてくれ」と思ってるわけですよ。
政治なんて難しいとおもって、投票者なんていかずに、ずっと搾取され続けてくれと思ってるわけですよ。
だけど、このままでいいのかということを僕はいいたい。対峙すべきは対峙する。僕らの世代は搾取されずに、声をあげていきたい。
必ず皆さん投票にいってください。投票にいきましょう。

奥田愛基「未来に対して投資ができない国は絶対良くならない」

18歳選挙権で若者投票行けっていうわりには、全然若者のための政策を言ってくれないんですよ。
TVの報道とかも、「え、政治とかわかんなーい」っていう人の意見ばっか映しだされたりして、「やっぱり関心ないんですかね」って言われちゃったりする。そんなことないんですよ。常日頃みんなおかしいなと思ってることもたくさんあるはずで、みんなは政治の世界から疎外されてるだけ。
こういうのも一部の意識高い人たちの集まりだとか思われちゃうんですけど、ギャル男さんも来てますし、これも含めて政治的意見なんですよね。

2040年までに、日本の市町村の約40%がなくなるっていわれています。
子育てできないし、社会を維持できないくらい未来に対して投資ができないんです。
報道の皆さんも、こういう声をぜひ報道してください。
何やってるんだろうと思って歩いている人も投票行ってください。

小幡和輝「結局参院選の候補者って18歳の一回り以上上の人ばっか。声は届かない」

和歌山から朝一で来ました。
僕らOPEN POLITICSは、被選挙権が実際に引き下がるように活動している若者組織の集合体でして、昨年11月に発足してこの2月には大きく記者会見もさせていただきました。参議院選挙って、立候補者がみんな30歳以上。12歳も離れてるんですよ18歳と。やっぱりそれじゃ若者の声は届かないと思うんですよ。
だから、若い人の声が届くように、若い人が国会に行けるようにしたいんです。
そして、全国各地で声を上げている若者もたくさんいます。みんな知ってください。

七田ちさ「政治について触れることは私達の未来を考えること」

私も朝一で栃木から出てきました。
今日は選挙に行きましょうという声を出しているんですが、私は17歳なのでまだ選挙に行けません。活動していて思うのは、18歳から選挙権があげられても、それ以下の人たちは政治に無関心だし、選挙に行こうっていっても具体的な政策はよくわからないし、よくわからないよねで終わっちゃうことが多いんです。もっと判断できる情報がたくさんあったらいいなといつも思っています。
声を上げていくことはネットで叩かれたりして怖かったりするんですけど、政治について触れることは私達の未来を考えることで、積極的に政治に関わる仲間が増えるといいなと思います。

町田彩夏「対話をすることで、立場が異なる人を排除しない」

今日の司会をしていました、町田彩夏です。政治アイドルっていうジャンルで活動しています。
私が政治アイドルとして何をしているのかというと、いまって政治の話をすると、すぐ炎上チックになって、政治や社会問題をかたることがタブー視されていると思います。それを「アイドル」っていう切り口で、そんな雰囲気を変えていければいいなぁと思っています。
それで私は、「この社会問題についてはこう思うよー」ってSNSとかで発信するんですけど、けっこう罵詈雑言か大絶賛みたいな、両極端な意見ばっかり言われるんです。だから、政治って関わるとめんどくさい、関わらないといいなぁと正直思ったりもします。
だけど、ここで私たちが諦めて、極端な人たちだけの声が取り上げられるというのはおかしいと思ってるんです。対話をすることを心がけて、「私はこう思うけど、あなたはこう思うんだね」って。Twitter社会で対話をするのは難しいんですけど、それでも半径50cmから始まってそれが3mになっていつか日本社会全体を変えていければ良いなぁと思っています。

以上が、本会見の全文要約となります。最後に、本会見で述べられたPROPOSAL STATEMENTを掲載いたします。

PROPOSAL Statement

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徐 東輝

徐 東輝

弁護士(法律事務所ZeLo/株式会社LegalForce)、NPO法人Mielka代表、JAPAN CHOICE運営者。京都大学法学研究科に在籍中、ivote関西を創設。「若者と政治」をテーマにした事業を展開し、2年間で1万人以上の学生らにアプローチする。2015年に世界経済フォーラム(ダボス会議)グローバルシェイパーに選出。同年、『在日韓国人京大生が教える、憲法の視点からの日韓問題』を出版。https://twitter.com/tonghwi17

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