統一地方選挙の注目激戦区・大分県知事選挙を解説!与野党対決になる?ならない?選挙ドットコムちゃんねるまとめ
2023/03/29
こんな政治の伝え方があったのか!
政治を感覚で学ぶ。新たな試みが面白おかしい3時間でした。
「もっと身近に政治を考えてほしいです」
私に会いたいと言ってきた小柄な女性は、まっすぐに私を見てそう言いました。
「なりたくない職業ランキング第一位、政治家です。今年に入ってから、大臣の汚職、議員の不倫など暗いニュースが続きました。20代の投票率は、低すぎます。政治に対する負のイメージ、距離感がありすぎる中での、18才選挙権。70年ぶりの見直しですが、このままでは、何も変わりません!教育現場の先生たちも、対応に頭を抱えています。政治教育の在り方について真剣に議論されるのは、これが最後の機会になるかもしれません。結局ここでも何も変わらなかったら大変!そう思って、私はお笑い芸人として、政治をもっと身近に感じさせる授業ができるのではないかと考え、起業することにしました」
とはじめましての挨拶も早々に、熱い思いを語られました。
実はお目にかかる直前まで「お嬢様芸人」として高松さんを存じ上げておりませんでした。慌ててYou Tubeで動画を拝見。「愉快な若い女性芸人」の印象は、この初めの挨拶で一蹴されました。
政治をもっと身近にするためには、理屈ではなく「感覚」で訴えることが重要なのですと語る彼女の言葉は、真剣で熱く私は、4月30日に開催される「たかまつななの笑下村塾(しょうかそんじゅく)」を観に行くことにしました。
4月30日当日、開場時間より20分早く着いた会場は既に満席状態。やっと一つの椅子を確保して着席。会場は「ワクワク」しているお客さんでぎっしり。開会直前には60人を超える超満席状態でした。
「ごきげんようっ!」
お嬢様ルックで登場したたかまつさんを満席の来場者が拍手で迎えます。
「いよいよ今年の夏、18歳選挙権が導入される。なのに、何の変化もない。このザマは、なんざます!遺憾ですわ!」そう言って立ち上がり、開演となりました。
テーマは18才選挙権ですが、あくまでお笑いライブ。ゲストは、お笑い芸人のさらば青春の光の森田、「安保」を「交通安全である」と思っていたことが判明したギャル書道家のなちゅ、そして現役高校生でモデルの石垣千菜美。更に、たかまつの恩師であり、ライブの助言役をつとめる元TBS報道局アナウンサーの下村健一氏と、川崎市議会議員の小田理恵子氏の計6名がステージに。
まずは、たかまつが「3分で分かる民主主義」と題し、超高速パワポ芸で進行。
「家に1個しかないプリンを誰が食べるのか?」という例え話から民主主義を解説。3秒に1枚スライドが切り替わり3分で使ったスライドの枚数は50枚。これも新たな芸風なのでしょう。
次に用意されていたのは、若者は選挙に行かずに損しているのか?をテーマに、理屈ではなく“感覚的に理解”するための、ロールプレイングゲーム。ステージ上の6人が来場者を巻き込んで、18才の女子高生、45歳主婦、80才のおばあちゃん等々配られたカードに示された役に成り切り、ある政策の賛否を議論するもの。
この日の政策は「50才以下は選挙権を廃止する」。
10代(18,19歳)、20代、40代、60代、80代の5人です。
40代以下の現役世代が反対に投票し、60代以上の2名が賛成に投票しました。
そうすると、反対が多くなります。
この各世代を人口比に合わせてポイント化をするのが、ここからの本番です
10代=10ポイント :反対
20代=60ポイント :反対
40代=90ポイント :反対
60代=90ポイント :賛成
80代=40ポイント :賛成
※人口を大胆に四捨五入していますので必ずしも正確ではありません
このポイントをそのまま先程の投票に換算してみても、反対票が勝ちます
130ポイント 対 160ポイントです。しかし、そして、どよめきはこの後にやってきました。
投票率を世代ごとにポイント換算した数字を用いた「ポイント制」で再計算します。
なんと結果が逆転。
2票で投票数が少なかった賛成票が87ポイントとなり、反対票の68ポイントを大きく上回りました。
これは若者が投票に行くかどうかで、国民全体の賛否の意見とは別の結果が現れることを目の当たりにしたのです。今の「若者の声が反映されにくい」選挙の歪さをゲームで示す、感覚に訴えるわかりやすさは抜群。
続いて、10代で世界を変えた人物のエピソードで、史上最年少の17歳でのノーベル賞(平和賞)受賞のマララ・ユスフザイの感動的なスピーチの紹介、参加者の小田議員が描く4コマ漫画を用いて、議員が普段していることを視覚からアプローチ。そして最後は、悪い政治家を見抜く訓練「人狼ゲーム」は、参加者全員を巻き込んでの大さわぎとなりました。
最後に、起業の発表が。その名も、株式会社「笑下村塾」。慶應と東大に現在Wスクールしながら、芸能活動をしている彼女が、今やらなければならないという使命感から会社を設立。高校への出張授業や、おもしろ政治教育ショーで、笑える!使える!政治教育を、教材開発から、講師養成まで、若者の政治関心を高めるという大真面目な目標を設定した会社です。さて、お笑い芸人の新たな挑戦は、18才選挙権の動向を変えられるでしょうか。
お笑い芸人が新しい政治教育メソッドに挑戦するショーは、笑っているうちにフィナーレとなりました。まだまだ改善と改革の余地のあるコンテンツではありましたが、真剣さに心打たれたのは私だけではなかったと思います。
“理屈っぽい・眠れる”政治学習から、“感覚的な・笑える”政治学習へ。現役高校生・おバカタレントを相手に、政治教育の実験を目の当たりにしました。新宿ネイキッドロフトにて開催された「第3回たかまつななの笑下村塾(しょうかそんじゅく) ~どーする?! 18才選挙権~」。新感覚のお笑いライブ政治教育。
無関心でいることはできても、無関係でいることはできない。それが政治です。
自分事として若者の心に感じてもらえる新たな取り組みは、笑っているうちに「ヤバい!」「ガチで?!」「マジで?!」と染み込む底力を垣間見た3時間でした。
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