弘兼憲史さんの名作『加治隆介の議』。コミックス5巻の名シーン(?)をあなたはご存知ですか?
鹿児島から上京してきたJCの津坂君を加治隆介が国会議事堂内の議員食堂に連れて行きランチをするシーンで、「あそこの寿司屋なんか上で820円だ この値段で食えるところは東京ではないだろう」というセリフ。これを見て『国会議事堂内に議員食堂があって、さらにその中に寿司屋のカウンターがあるんだ!?是非行ってみたい!』なんて思ったのは、私だけではないはず。
カウンターで寿司をつまんで「ごっつぁん!」と、津坂君が谷崎健吾代議士へ放った名セリフを再現するんだ!などと妄想したりもしました。

弘兼憲史「加治隆介の議」5巻:講談社
さて、『あの議員先生は何を食べているのか?』そんな疑問にお答えするべく、選挙ドットコムがお送りする食レポシリーズ第三弾。
今回は国会議事堂内の議員食堂にある寿司屋『初花』さんをご紹介いたします。
昭和35年に国会議事堂内に寿司屋として店を構えて以来、歴代の国会議員の舌を飽きさせることなく美味しいお寿司を提供し続ける『初花』さん。
選挙ドットコム内でも以前から『初花』さんのネタのうまさには定評があり、今回はその味の秘密を、『初花』会長でもあり、文京区の技能名匠技術認定をされている石原良博さん(議員の方々からは「大将!」と呼ばれているそう)にお伺いすることができました。
なんといっても『初花』の基本はその日の朝築地から仕入れてきた新鮮なネタを扱っていること。実は永田町は築地とたった4kmの距離でとっても近い。その立地も活かして、その日のいいものをお出しするのが『初花』の基本だという大将。
今回頂いたお寿司その一、「まぐろ」と「まぐろの雲丹のせ」

このように、1つのお寿司はまぐろのみ、もう1つには雲丹を乗せるというアイデアは「寿司というものは、そんなに多くの量を食べれるものではないから、一度で二度楽しんで欲しいんです。」という大将のお客様へのサービス精神から生まれたもの。
築地で仕入れたばかりのまぐろの味は当然のこと、もう1つのまぐろは雲丹を乗せて違う甘みを引き出されたお寿司を堪能、言わずもがな感動的に美味しいお寿司でした。
一度で二度美味しいネタは他にも。お寿司その二、すみいかの握り

いかそのままを乗せた握りと、いかを糸のように細切りにして乗せた握り。いかそのままでもその弾力と旨みで十分美味しい握りですが、細切りのいかの甘みには驚かされました。同じいかでも切り方と握り方でこれだけ味わい方に差が出るものなんですね。
機転の利いた創作寿司もその場で対応!お寿司その三、まぐろのたたき創作すし

こちらはマグロのたたき、ゴマ、たくあんをとびこで包んだ創作すし。触感がいろいろ合って美味しいだけではなくて面白いお寿司でした。日によっては中身をたくあんから胡瓜にかえるなど、毎日創作しながら作っているのだそう。
お寿司その四、雲丹と細切りいかの軍艦

大将が教えてくれた本来の軍艦の食べ方。軍艦を食べる時には、がりにしょうゆをつけて、お寿司と一緒に食べるのが昔ながらの食べ方だそうです。なるほど、軍艦のネタにしょうゆをつけるのは難しいですよね。お寿司の食べ方を職人に教えてもらえるなんて、恥ずかしいやら嬉しいやら。
そんなお寿司の基本をなんの嫌味もなく優しく教えてくださる大将の人柄に、お寿司の味のみならず感動したのはどうしてもお伝えしたい『初花』の魅力です。
お得意様の議員先生方からは、「先日とちょっと違うものを食べたいな。」「メニューにないものが食べたいな。」なんていう注文を受けることもあるそうですが、そんなリクエストもお手の物。
「その時は瞬時にメニューを考えますよ。なんとかスペシャルを作っちゃいます。面白いの作りますか〜!って言ってね。」と急なアレンジ創作にも自信あり。
これは下積み時代から積み上げてきた寿司作りの基本が体に沁みこんでいるからできることだと語る大将。文京区からは技能名匠者として認定されている本物の寿司職人なのです。

昭和38年からずっと国会議事堂内でお寿司を握っている大将ですが、国会内の議員食堂という場所柄、大将のお寿司を食べれるのは、議員先生、国会関係者のみ…
なんとかして大将のお寿司を食べたい方は、議員先生方が主催する国会見学ツアーに参加する、議員先生を直接通す、などが挙げられますが、なかなかの狭き門ではないでしょうか。
大将のお寿司だから食べたい!大将の握りじゃなきゃだめだ!そんな長年の大将ファンは多く、国会開会中・閉会中に関わらず、『初花』のランチタイムは荒波のような忙しさ。
そんな忙しい中でもお会いした時から優しく朗らかな笑い声で現場を和ませ、美味しいお寿司を提供してくださった大将。
築地で仕入れた新鮮なネタ、寿司職人としての基本の技術、遊び心溢れる機転の利く想像力はもちろんのこと、大将の人柄こそ『初花』を支える大きな魅力なのだと感じました。

みなさまにも、ぜひ「適切な方法」で国会に潜入して、『初花』名物大将の握りをご堪能いただきたい!選挙ドットコム編集部でした。
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