ミャンマー総選挙において、アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)の歴史的勝利が話題になっています。
アウン・サン・スー・チー。その名前を知っている方は大勢いると思いますが、なぜ今回の総選挙が「歴史的」なのかを知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回の野党圧勝の価値を理解すべく、ミャンマー政治について解説しつつ、以下の映画を紹介します。
涙!
感動の涙!
この映画、政治好きな僕には号泣な映画でした。
泣きポイントは3つ!
元々イギリスの植民地であったミャンマーは、第一次世界大戦後、独立へと向かいます。
そのとき、「ミャンマー建国の父」と言われるアウン・サン・スー・チー氏の実の父親が若くして暗殺され、その後ミャンマーは混乱していきます。
現在に至るまで60年以上、軍事政権下が続いており、民主化運動が続いています。
映画の中では軍事政権の非人道的な対応や、迷信に振り回される軍事政権、そしてそれに抗う民主化を求める人々の様子がリアルに描かれています。
軍事政権による拷問や理不尽な対応はかなりグロテスクですが、一方でそれにもめげずに立ち向かう人々の姿は感動です!
アウン・サン・スー・チーさんと言えば、「軟禁」で有名ですね。
なぜ「軟禁」なのかというと、彼女の父親の存在が影響しています。
父も同じく、民主化運動のリーダー的存在だったのですが、若くして暗殺されているため、「アウン・サン・スー・チー氏も暗殺・処刑されると英雄化されてしまう」と考えた軍事政権によって、「外部の人とは接触できない」「家族とも会えない」「仲間は政治犯として捕まり、拷問される」という生き殺しのような環境で軟禁され続けています。
1991年に、軟禁状態ながら、ノーベル平和賞が授与されます。
当然ですが、授賞式には参加できません。
そこで、「妻の、そして母の代理」で、父親・息子たちが授賞式に出席します。
アウン・サン・スー・チー氏が軟禁された頃は幼かった子どもたちも、10年以上の軟禁生活の中で、大人になっていきます。
授賞式では息子が母に代わってスピーチをするのですが…
母親は、遠く離れたミャンマーで成長した息子の姿を想像ラジオに耳を傾けます。
ここも泣ける。
どんな政治指導者であっても、ひとりの人間です。
アウン・サン・スー・チー氏は、最愛の夫を癌でなくしていますが、軟禁状態の影響で、夫が病気になってからも1度も会えていません。
家族や最愛の人か、祖国かといった悩みも繊細に描写されています。
自宅での軟禁を警備する若い軍人に対して、アウン・サン・スー・チー氏が言うセリフが、とても泣けるんです!
「あなたは政治のことを考えないかもしれないが、政治はあなたのことを考える」
確かに、今の日本でも、政治に無関心な人が増えています。
しかし、私たち誰ひとり、政治と無関係ではいられません。
それに、政治家たちは、政治への関心の有無に関わらず、私たち国民を考える存在であるべきです。
国民としても、そして政治家志望としても、とても考えさせられる言葉でした。
以上、映画のレビューに合わせながら、ミャンマーの政治を簡単に解説しました。ミャンマーの政治にも、日本の政治にも、関心を持っていただくきっかけになれば嬉しいです。
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