7月10日、筆者は以下の記事を投稿した。「18歳選挙権の成立により、来年の参院選では240万人の新たな有権者が増えると報道されているが、6月までに18歳にならなければ参院選では投票できないから、実際は182万人程度ではないか」という考察だった。
記事を公開したあと、告知したFacebookの投稿に「選挙の日に満20歳になっていなくて投票できなかった人が可能になるので、やはり240万人に近いんじゃないかと思うんですが」とコメントが入り、その視点に欠けていたことに気がついた。
この表現に注意して、新聞報道を見なおしてみると、以下のように明らかに間違っていると思われる表現も見られるが、結果として約240万人が増えるわけなので特に問題にすべきことでも無いのかもしれない。また記事には「新たに増える18,19歳の有権者は約240万人」といった無難な記述も多かった。
来夏の参院選から18~19歳の約240万人が有権者に加わる。(日経新聞 6月17日)
公選法の改正で新たに有権者に加わる18~19歳は約240万人に上り、各党にとっては「垂涎の的」だ。(産経ニュース 6月17日)
来年夏の参院選から、高校3年生の一部を含む18、19歳の若者およそ240万人が新たな有権者となる。(産経ニュース 6月18日)
次の参院選(来年7月25日任期満了)については、「1票の格差」を是正する参院選挙制度改革が議論されているほか、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が適用され、約240万人の18、19歳が投票できるようになる見通しだ。(毎日新聞 7月9日)
来年の参院選時には新たな有権者に関するニュースが多く出てくるはずなので、どのような解説になっているのか細かな部分を気にしてみても良いかもしれない。
ちなみに7月10日に投稿した記事は以下になる。
選挙権が得られる年齢を引き下げて18歳以上にする改正公職選挙法が、6月17日の参議院本会議で全会一致で可決・成立し、来年夏の参議院選挙から適用されることとなったのは、すでに報じたとおり。そして、18歳と19歳のおよそ240万人が新たに有権者に加わると、各マスコミで報じられた。
そこで、先月『ザ選挙』スタッフが総務省の選挙部及び統計局に新たな有権者数について確認したところ、総務省としては公表していないが、国勢調査をもとに人口推移を検証している国立社会保障人口問題研究所が公表している人口統計資料集を参照してほしいという回答があった。
人口統計資料集を見ると、2016年に18歳になるのが118万6000人、19歳が122万9000人とあり、約241万人になることがわかった。
しかし、有権者は満18歳でなければならず、参議院選挙が行われるのが7月であることから、単純に考えると118万6000人の半分以下しか選挙に行くことはできないと予想される。つまり19歳の約123万人に18歳の半分約59万人を足した約182万人が参院選時に対象となる有権者数であると言える。
重箱の隅をつつくような話だが、60万人の誤差は大きい。240万人というのは、あくまでも18歳と19歳になる国民の数であり、来年の参院選時に増える有権者数ではない、ということを頭の片隅に置きながら、今後の各種報道に接していこう。
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