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検証 市川市長選|候補者調整による「立候補 辞退者の票」はどこへ流れたのか

2018/4/23

選挙ドットコム編集部

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昨年11月26日に投開票が行われ、立候補していた5名全員が当選に必要な法定得票数(有効投票総数の4分の1以上)を獲得できなかったため、再選挙となったことから注目を集めていた市川市長選が22日に投開票されました。
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今回は、前回立候補した5名のうち3名が立候補し、開票の結果

元衆院議員の村越祐民氏(44)が46,143票(35.24%)
元衆院議員の田中甲氏(61)が42,931票(32.78%)
前県議の坂下茂樹氏(43)が41,880票(31.98%)

となりました。

今回の市川市長選は、史上6例目の再選挙となったことだけではなく、再選挙の告示直前に前回立候補していた2名の候補者が「他候補の支援に回る」として不出馬を表明したことからも注目を集めていました。

選挙ドットコムでは電話調査サービス「リサーチコム」のルーシッド株式会社と共同にて電話世論調査を行い、取材で得た情報を加味して情勢分析を行っていました。調査では、候補者の一本化などに関する意見や、「前回投票した候補者が応援する別の候補者に、今回の市長選で投票するか」といった点についても質問を行いました。

調査にご協力いただいた皆さまに改めて御礼申し上げるとともに、有権者の声を反映し、政治家の政策が有権者に伝わる選挙が実施されることを願い、候補者調整が選挙結果にどのように影響したのかを検証します。

市川市長選電話調査

※電話調査の実施をご検討の方はこちらよりお問い合わせください。

接戦が続くも情勢変わらず

4月15日に行った電話調査と取材による分析の結果、約40%弱の有権者が「投票先を決めていない」と回答していたものの、元衆院議員の村越祐民氏(44)が他2名をやや先行する結果が得られていました。前県議の坂下茂樹氏(43)と元衆院議員の田中甲氏(61)は横一線で、村越氏を追い上げていましたが、開票の結果は以下のようになりました。

市川市長選電話調査

なお、選挙ドットコムでは「投票に行きますか?」といった質問を行ったところ、「必ず行く」との回答が多数寄せられていました。実際の投票率は前回よりも3.21ポイント上昇の33.97%となりました。過去に再選挙となった5事例では全て2回目の投票率が1回目を下回っていたものの、市川市長選では2回目の投票率が上回る結果となりました。
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候補者調整は「単純な足し算」とはならず

再選挙の告示を前に、前回立候補していた小泉文人氏と高橋亮平氏の2名は「他候補の応援に回る」とし、不出馬を表明しました。こうしたことを受け、候補者間の政策調整や候補者の一本化に関して質問したところ、「候補者が絞られてよい」と答えた人が44.8%、「そのまま立候補してほしい」21.1%、どちらとも言えない34.1%と、候補者調整は肯定的に捉えられていることが明らかになりました。

一方で、「前回投票した候補者が応援する別の候補者に、今回の市長選で投票する」との傾向は限定的でした。

例えば「前回の市長選で小泉氏に投票した」と回答した人に「今回の市長選では誰に投票したいと思いますか」と質問したところ、小泉氏が支援を表明している田中氏に投票するつもりと答えた人が34%と最も多かったものの、村越氏や坂下氏の名前をあげる人もそれぞれ12%程度と、一定数見受けられました。

また「前回の市長選では高橋氏に投票した」と回答した人のうち、高橋氏が支援を表明する坂下氏に投票すると回答した人と、村越氏に投票すると回答した人の割合はそれぞれ22%程度となりました。

市川市長選電話調査

「他候補の応援に回る」と表明した2名の票を、他候補に単純に足し算すると、

坂下 茂樹氏48,063票(40.36%)※前回2位+4位の高橋氏
田中 甲氏42,906票(36.03%)※前回3位+5位の小泉氏
村越 祐民氏28,109票(23.61%)

との順位となりますが、実際には純粋な足し算にはならず、他候補にも分散する可能性が高いことが情勢調査から明らかになっていました。

市川市長選電話調査

このほか、「普段、国の政治で自民党を支持する」と回答した人のうち、再選挙の投票先として坂下氏と田中氏の名前を挙げた人の割合が約30%、約25%となっていました。今回の結果は、かねてから指摘されていた保守分裂による影響も大きかったと思われます。

史上6例目の再選挙となった市川市長選。約4ヶ月もの間、市長不在だった状態が解決されました。
有権者の求める政策を実現するために、どのような候補者・構図で選挙戦に臨むべきかという判断は、各陣営とも難しい選択だったと思われますが、再選挙で初めて1回目よりも2回目の方が投票率が高い結果となるなど、歴史に残る選挙戦となりました。

選挙ドットコムでは電話調査サービス「リサーチコム」のルーシッド株式会社とともに、今後も注目を集める選挙を取り上げ、電話世論調査を行いますので、有権者・政治家にとってより良い選挙が行われるためにもぜひご参考ください。

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