さとう しゅういち ブログ
◆ 追悼コラム**喉元忘れて熱さ忘れぬように複合災害の時代に、広島から世界へ問う ――戦争して...
2026/7/5
◆ 追悼コラム**喉元忘れて熱さ忘れぬように複合災害の時代に、広島から世界へ問う
――戦争している暇はあるのか
2018年7月5日。
広島に大雨が降り始めた。
その雨は、やがて街をのみ込み、
川を暴れさせ、斜面を崩し、
多くの命を奪った。今日、私たちはその日を思い返し、
犠牲になられた方々に深く哀悼の意を表したい。しかし、哀悼だけでは足りない。
広島は、喉元過ぎて熱さ忘れることが許されない都市だ。
地形がそう言っている。
歴史がそう言っている。
そして、災害がそう言っている。
◆ 巨大活断層の発見――災害は「次の段階」に入った
今年、瀬戸内海で新たな巨大活断層が発見された。
しまなみ海道から今治、高縄半島、周防大島、柳井、上関へ伸びる可能性がある。
産総研は、M7.5〜8.0の巨大地震の可能性を示した。これは、
広島県や市がこれまで前提としてきた
「南海トラフ」「芸予」「五日市断層」「己斐断層」などの“個別断層前提”の防災体系が、
もはや時代に合わないということだ。能登半島大震災では、
豪雨災害と地震災害が同時に起き、
その後もM6級の地震が周辺で多発した。瀬戸内海でも同じことが起こる。
むしろ、起こると考えるべきだ。
◆ 広島が直面するのは「連動型・複合型災害」
しまなみ海道巨大断層が破壊すれば、
周防大島、柳井、上関が壊滅し得る。
その後、安芸灘断層群、広島湾―岩国沖断層群が誘発され、
五日市断層や己斐断層への飛び火も十分にあり得る。豪雨と地震が同時に来る。
津波と液状化が同時に来る。
道路が波打ち、橋が沈み、都市機能が止まる。
能登で起きたことが、広島でも起こり得る。
広島は、
「個別断層前提」から「連動型・複合型災害前提」へ
防災体系を抜本的に転換しなければならない。
◆ 平和都市・広島から世界へ
広島は、戦争の惨禍を知る都市である。
同時に、災害の現実を知る都市でもある。だからこそ、
広島は世界に向けて問うべきだ。戦争している閑はあるのか。
気候災害と地震災害が同時に襲う時代に、
人類は本当に戦争に力を割いている余裕があるのか。広島は、
平和の都市であると同時に、
災害の都市でもある。
その二つの経験を持つ都市だからこそ、
世界に向けてこの問いを発する資格がある。
◆ 結び2018年の大雨を忘れない。
犠牲になられた方々を忘れない。
そして、
喉元忘れて熱さ忘れぬように。巨大活断層が発見された今、
広島は複合災害の時代に備え、
防災体系を根本から見直すべきだ。
広島から世界へ――
「戦争している暇はあるのか」。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男