さとう しゅういち ブログ
南極条約会議が示した“広島の進むべき道” — G7サミットの教訓と、核兵器禁止条約会議の...
2026/5/12
広島瀬戸内新聞 特集記事
南極条約会議が示した“広島の進むべき道”
— G7サミットの教訓と、核兵器禁止条約会議の誘致へ —
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第一部 南極条約協議国会議が広島で開かれた意味
— 平和・科学・環境の国際都市としての再出発 —
2026年5月、南極条約協議国会議(ATCM48)が広島で開催されています。
南極条約は「南極の平和利用」「科学研究の自由」「核爆発・放射性廃棄物の禁止」を原則とする国際条約であり、広島はその理念に最もふさわしい都市の一つと評価されています。
今回の会議は、広島が「平和・科学・環境」を軸とした国際会議の開催地として、国際社会から信頼を得ていることを示すものです。
被爆地としての歴史、平和記念資料館や国際会議場の存在、そして市民社会の成熟度が、開催地としての評価につながりました。
南極条約会議の成功は、広島が「平和利用」「科学協力」「環境保全」という普遍的価値を世界に発信できる都市であることを改めて示したと言えます。
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第二部 G7広島サミットの教訓
— 核保有国の論理に回収された“被爆地の声” —
2023年のG7広島サミットは、被爆地での開催として大きな期待を集めました。
しかし実際には、米英仏という核保有国が主導する「核抑止の正当性」が前面に出され、核兵器禁止条約(TPNW)には一切触れられませんでした。
国際NGOや核軍縮研究者の間では、
「被爆地広島が核抑止の正当化に利用された」との批判が広く共有されています。
この評価は、特定の政治的立場に依存するものではなく、国際的な議論として存在する事実です。
広島市民の中にも、
「被爆地としての歴史的メッセージが十分に発信されなかった」
という失望が残りました。
この経験は、広島が今後どのような国際会議を誘致すべきかを考える上で、重要な教訓となっています。
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第三部 広島が誘致すべき国際会議
— 核兵器禁止条約(TPNW)締約国会議こそ、広島に最もふさわしい —
南極条約会議の成功を踏まえ、広島が次に目指すべき国際会議は明確です。
それは、核兵器禁止条約(TPNW)締約国会議の広島開催です。
● TPNW会議が広島にふさわしい理由
- 被爆地としての歴史的正当性
TPNWは「核兵器の非人道性」を根拠としており、広島・長崎の経験が条約の根幹を支えています。
- G7で歪んだメッセージの修正
広島は「核抑止」ではなく「核兵器の違法化と廃絶」を訴える都市であるべきです。
- 国際都市としてのブランド再構築
平和・科学・環境の国際会議を継続的に誘致することで、広島の国際的役割を明確にできます。
● 併せて誘致すべき国際会議
- NPT再検討会議の準備会(PrepCom)
本会議はニューヨーク固定ですが、準備会は各国で開催可能です。
- 気候変動・環境・科学系の国際会議
南極条約会議の流れを継ぎ、「平和 × 科学 × 環境」を広島の柱にできます。
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結び
— 広島は“本来の役割”を取り戻すときに来ています —
南極条約会議の広島開催は、
G7サミットで揺らいだ「平和都市としてのメッセージ」を再構築する大きな一歩となりました。
広島が今後進むべき道は、
核兵器の非人道性を世界に伝え、
科学と環境の国際協力を推進する都市としての役割を強めることです。
その象徴となるのが、
核兵器禁止条約(TPNW)締約国会議の広島誘致です。
広島は、被爆地としての歴史と、市民社会の成熟、国際会議の実績を兼ね備えています。
今こそ、広島が世界に向けて「核兵器なき未来」を具体的に示す時期に来ていると考えます。
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さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男