さとう しゅういち ブログ
ホルムズ海峡を越えた出光丸 ――日本外交の“静かな積み重ね”が生んだ通過
2026/4/30
ホルムズ海峡を越えた出光丸
――日本外交の“静かな積み重ね”が生んだ通過
ホルムズ海峡の緊張が続く中、出光興産のタンカーがサウジ原油を積んで無事に通過しました。
イラン側は「日本政府の関与はない」と説明していますが、これは首相レベルの政治的働きかけはなかったという意味で使われているとみられます。
一方で、実務レベルでは、企業・官僚・議員などが長年積み重ねてきた関係が働いていたと考えるのが自然です。
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■ 首相が動きにくい国内事情
国内では、SNS上でイランに対する強硬論が目立つ場面があります。
こうした可視化された言説が、首相の外交行動を縛る可能性があると指摘されています。
そのため、首相が直接イランに働きかけることは難しかったとみられます。
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■ それでもイランが日本を切り捨てなかった理由
イラン側が日本との関係を維持した背景には、日本外交の多層的な積み重ねがあります。
● 歴史
1953年の日章丸事件で生まれた「日本は約束を守る国」という信頼が今も残っています。
● 企業
出光をはじめ、日本企業は政権に左右されず長期的に関係を続けてきました。
● 議員
与野党の対話派議員が、党派を超えてイランとの窓口を保ってきました。
● 官僚
外務省・経産省・在外公館などの実務者が、継続的に関係を維持してきました。
● 市民社会
イランは平和首長会議に1017都市が加盟しており、広島・長崎との市民レベルの信頼も厚いです。
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■ 総合すると
首相レベルの関与は限定的だった可能性がありますが、
日本という国全体の“総和”がイラン側の判断を支えたと考えられます。
- 歴史の信頼
- 企業の努力
- 与野党議員の対話
- 官僚の実務
- 市民社会のネットワーク
これらが積み重なり、イラン側は日本を切り捨てず、航行を認めたとみるのが自然です。
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■ 結び
今回の出光丸の通過は、
日本外交が「力」ではなく「関係」で道を開く国であることを示しています。
静かな積み重ねこそが、日本の強みとして生きています。
さとう しゅういち
サトウ シュウイチ/50歳/男