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■ “闇バイト”が生む地下労働市場と、広島社会への静かな侵食

2026/4/18

広島瀬戸内新聞社説
■ “闇バイト”が生む地下労働市場と、広島社会への静かな侵食
広島市安佐南区で起きた、男性がオレンジ色の液体をかけられた事件は、当初は通り魔的な暴力かと市民をざわつかせた。しかし、その後の捜査で、この男性自身が特殊詐欺の「受け子」として逮捕された。被害者であり、同時に加害の末端でもあるという複雑な構図は、いま広島で進行する“地下の犯罪経済”の実態を象徴している。
特殊詐欺は、もはや単発の犯罪ではない。
そこには 「匿名・流動型の犯罪グループ」 と 「SNSを介した闇バイトの労働市場」 が結びついた、現代型の犯罪構造が存在する。広島県警の統計では、2025年の特殊詐欺被害は過去最多の約26億円。さらにSNS型投資詐欺は33億円規模に達し、電話型詐欺を上回る勢いだ。
こうした犯罪の末端を担う「受け子」は、かつてのように組織の構成員ではない。
SNSで募集され、匿名アプリで指示を受け、逮捕されれば切り捨てられる。
“使い捨ての労働力”として供給され続ける構造 ができあがっている。
X(旧Twitter)やInstagramには「高収入」「即日現金」といった甘い言葉が並び、TelegramやLINEオープンチャットには“闇バイト”の募集が溢れる。生活に困窮する若者や高齢者が巻き込まれ、犯罪の自覚が薄いまま受け子にされる例も少なくない。広島でも同様の傾向が確認されている。
問題は、こうした“地下の労働市場”が、犯罪組織の内部崩壊や裏切りを常態化させている点だ。
受け子による持ち逃げ、別グループによる横取り、組織側の制裁——。
今回の安佐南区の事件も、こうした内部トラブルの一端が表に漏れ出た可能性がある。
市民社会にとって危険なのは、犯罪組織同士の争いが、街中で突然噴き出すことだ。
暴力が地下にとどまらず、一般市民の生活圏にまで滲み出すとき、治安の基盤は静かに揺らぐ。
特殊詐欺は「高齢者を狙う卑劣な犯罪」というだけでは語り尽くせない。
その背後には、
貧困・孤立・匿名性・使い捨て労働
という現代社会の影が濃く横たわる。
行政も警察も、市民も、
「闇バイトは若者の問題」
「詐欺は高齢者の問題」
といった単純な枠組みでは捉えられない段階に来ている。
地下の犯罪経済が膨張し、表社会に漏れ出す前に、
私たちはその構造を直視しなければならない。
今回の事件は、その警鐘である。

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著者

さとう しゅういち

さとう しゅういち

選挙 広島県議会議員選挙 (2023/04/09) 2,673 票
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広島市安佐南区選挙区

肩書 介護福祉士・元広島県庁職員・広島瀬戸内新聞社主
党派・会派 無所属
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