2026/7/25
【視察報告】北海道の海は変わる。だから研究が未来を切り拓く――中央水産試験場を訪ねて
北海道の水産業も、いま大きな転換期を迎えています。
7月22日、研修2日目になりますが、北海道立総合研究機構・中央水産試験場を訪れ、道内7つの水産試験場の中核機関として進められている資源管理、栽培漁業、加工利用、海洋環境などの研究についてお話を伺い、場内見学しました。
最初に示された数字は、とても印象的でした。
かつて300万トンを超えていた北海道の漁獲量は、2025年速報値で91万トンまで減少しています。一方で、生産額は3,000億円を超える水準を維持しています。ホタテなどの輸出拡大や高付加価値化が進み、「量を競う漁業」から「価値を生み出す漁業」へと大きく変化していることが分かりました。
しかし、その背景には、海そのものの大きな変化があります。
近年は北海道周辺でも九州並みの海水温となる海域が現れ、秋サケやサンマの不漁が続く一方、ブリやフグなど南方系魚種が増えています。北海道の海は確実に姿を変えつつあり、従来の常識だけでは対応できない時代に入っています。
だからこそ重要になるのが、「科学」です。
試験場では、AIを活用したホタテ資源の調査、ウニ殻など未利用資源の有効活用、生きたホタテの輸出技術の研究など、現場の課題を解決する研究が数多く進められていました。研究成果がそのまま漁業者の所得向上や地域産業の発展につながる、「現場に生きる研究」であることを実感しました。
特に興味深かったのは、「SURIMI(冷凍すり身)」の展示です。
現在では世界共通語となっている「SURIMI」は、1959年に当時の北海道立中央水産試験場で開発された技術です。鮮度が落ちやすく利用価値が低いとされていたスケトウダラを、高品質な冷凍すり身として保存・流通できるようにしたこの技術は、世界の水産加工産業を大きく変えました。北海道で生まれた研究成果が、世界の食文化を支えていることに改めて驚かされました。勉強不足で初めて知りました。
さらに、余市湾では高品質なムールガイ養殖にも取り組んでいます。研究によって新たなブランドを育て、地域の付加価値を高める挑戦は、「獲る漁業」だけではなく、「育てる漁業」「稼ぐ水産業」への転換を象徴しているように感じました。
もちろんです。後半部分を、歴史から未来への流れがより自然につながるように整理し、「研究は未来への投資」というメッセージで締める形にリライトしました。
⸻
館内には、昭和4(1929)年に建設された中央水産試験場旧庁舎の写真や、当時使われていたステンドグラスが展示されていました。
中央水産試験場の歴史は、北海道がニシン漁で栄えた時代までさかのぼります。豊かな水産資源を持続的に利用するための研究から始まり、その後のニシン資源の減少、サケ・ホタテを中心とした水産業への転換、そして現在の海洋温暖化による魚種の変化まで、北海道の海の歴史とともに歩んできた研究機関です。
その歩みの中から生まれた代表的な成果が、世界共通語となった「SURIMI(冷凍すり身)」です。鮮度が落ちやすく利用価値が低いとされていたスケトウダラを、高品質な冷凍すり身として世界へ広げたこの技術は、北海道発のイノベーションとして、今も世界の水産加工産業を支えています。
そして今、中央水産試験場では、AIやDXを活用した資源管理、未利用資源の有効活用、新たな養殖技術やブランド化など、気候変動という新たな課題に向き合いながら、次の時代の北海道水産業を支える研究が進められています。
一方で、その研究を支える施設や設備の老朽化も課題となっています。100年近くにわたり北海道の水産業を支えてきた研究機関だからこそ、これからの100年を見据えた研究基盤の整備が求められています。
海は変わります。しかし、科学はその変化を読み解き、新しい価値を生み出す力を持っています。
100年前、ニシン資源の調査から始まった北海道の水産研究は、世界へ広がるSURIMI技術を生み出し、今またAIやDXを活用した新たな時代を切り拓こうとしています。その挑戦を未来へつないでいくためには、研究者の努力だけでなく、それを支える施設や設備への投資も欠かせません。
研究はコストではなく、北海道の未来への投資です。
今回の視察を通して、現場で挑戦を続ける研究者の皆さんの熱意に触れるとともに、その挑戦を社会全体で支えていくことの大切さを改めて実感しました。北海道の豊かな海を次の世代へ引き継ぐために、研究・現場・行政が連携しながら、持続可能な水産業の未来を築いていく必要性を強く感じた、大変意義深い視察となりました。







この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>広田 まゆみ (ヒロタ マユミ)>【視察報告】北海道の海は変わる。