2022/4/14
ロシアへの経済制裁は私たちの生活にも大きな影響を与えています。さらに追い打ちをかけるように20年ぶりの急激な円安で、輸入品が高騰しています。
町を破壊され、他国に逃げざるをえなかったり、多くの人命が失われているウクライナのことを思えば、このくらいは我慢せざるを得ないとみんな思っています。また、我が国以上に食糧危機や超インフレに苦しむ国もあります。
でも我が国でも、じわじわと上がる物価や光熱費に悲鳴を上げている人がいるのも現実です。
2019年の統計では、結婚20年以上の夫婦の離婚は約2割(19%)。
私の友人Nさんは8年前、二人の娘が自立するのを待って離婚しました。手に職があるわけでなく、それでも知人の会社に事務員として雇ってもらえ、65歳まで働きました。その後は、市のシルバー人材センターに登録し、マンションの清掃係になったのです。山の手の奥様といった風情のNさんにつとまるかと心配した離婚女性の会ハンドインハンドの仲間もいましたが、彼女は「マンションの住人はいい人ばかりだし、仕事があるだけで嬉しい」と頑張っていました。ところが先日、その仕事を辞めました。
シルバー人材センターは、1か月の仕事量が決められています。時間も十分あるし、からだが丈夫でも、週に3日、1日4時間くらいしか働けない仕組みです。月の収入は5万円がだいたい上限。
「離婚時に家はもらったので、住居費の心配はないから恵まれていると思う。でも、国民年金と、シルバーの収入だけでは、この物価高、切り詰めるのも大変で、同じ清掃だけど、別のマンションで直接雇ってもらえるところを見つけて週に5日働けるようになったの」とNさん。
「70歳での清掃は時に辛い時もあるけど、働く場があるのはラッキーだし、コロナは怖いけど、外に出てからだを動かしている方が健康的だと思わない?」とあくまで前向き。こうでなきゃ、とても熟年離婚はできないのかもしれません。
シルバー人材センターの登録者は年々減っているそうです。定年が伸びたことと、定年後も、同職場で、契約を変えて働き続けるケースが増えたことが原因だと言われています。
また、「私はまだ老人じゃない」と、シルバー人材として登録するのに抵抗を持つ人もいるからだとも言われています。
しかし、Nさんのように、働ける制限時間を少し緩和すれば登録する人が増えるのではないでしょうか。多くの人に働いてもらえるようにと、ワークシェアリングの発想から、一人の人が働く時間を制限するのも理解できますが、離婚女性など、生計を支えなければいけない高齢者もいるのです。
給料が30年上がっていない日本では、物価高は私たちの暮らしを直撃します。裕福な高齢者ばかりではないのです。
何とか、からだの動くうちは働きたいという人は大勢います。20年前、離婚女性の老後アンケートを実施した時、「死ぬまで働き続ける」がトップでした。今も変わらないのではないでしょうか。
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