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上田 恵子 ブログ

流山から、英国王チャールズ3世と高市首相の発言を対比する。

2026/5/4

先日、イギリス国王チャールズ3世がアメリカ訪問を終えた。

現在、英米間は、スターマー英国首相が、アメリカとイスラエルによるイラン攻撃について「(イランへの)戦争に引きずり込まれることは国益にならない」として賛同せず、攻撃のためにイギリス軍基地を使用する許可を拒否したため、最悪とまで言われるほど、英米関係が冷え切っている。また、訪米直前には、トランプ大統領がテロの標的にされる事件も起こった。そのような状況の中での、チャールズ3世によるアメリカ訪問だった。

お茶会、晩餐会、9・11テロ事件の現場訪問など様々な行事に参加した。その中でも圧巻だったのが、チャールズ3世によるアメリカ議会での演説だった。

まさに圧巻だった。

チャールズ3世らしい、ウィットに富んだジョークの数々に、議会は沸いた。

イラン攻撃についても、自ら「異宗教の人々との関係と相互理解の促進」に取り組んできた自らの半生に触れながら、「我々両国の本質とは、寛容な精神であり、思いやりを育み、平和を促進し、相互理解を深め、全ての人々ー信仰の有無を問わずーを尊重する責務である」と諭した。

スターマー首相の発言「我々は不可欠なパートナーシップにある。この80年間、我々を支えてきたものを軽視してはならない。むしろ、それを基盤として築き上げていくべきである。」を引いて、英米関係のパートナーシップの重要性を指摘した。

また、NATO離脱をはじめ、NATO批判が続くトランプ大統領を念頭にしつつ、9.11事件後に、NATOが第5条を発動した事実を改めて指摘。英国は、アフガニスタンをはじめ、派兵(死者も出た)したことなどを、改めて指摘した。そして、ウクライナの「公正で持続的な平和を実現するため」必要だということも指摘し、釘を刺した。

チャールズ3世が人生を賭けて取り組んでいる、自然環境についても指摘した。トランプ大統領は、この間、国立公園での開発を許可するなど、自然保護に反する決定を行なってきた。地球温暖化問題への極めてネガティブな姿勢も、トランプ大統領の特徴だ。しかし、怯むことなく、自然保護の重要性についても指摘している。

そして、イギリスから独立したのがアメリカ合衆国の先達。しかし、両国が共通の民主的、法的、社会的伝統を共有していることを指摘している。

1689年の権利章典がイギリスの立憲君主制の基盤であり、アメリカ権利章典においても繰り返されているということ。コモン・ローやマグナ・カルタの理念が、例えば、1789年以来、アメリカの最高裁判例に160件も引用されていることを指摘した。イギリスからアメリカへと受け継がれたマグナ・カルタが、今もなお「行政権力の抑制、チェック&バランスの原則の基盤になっている。」ことを指摘した。アメリカ議会では、大きなスタンディング・オベーションが起きた。そして、法の支配ー安定し予測可能なルール、独立した司法、公正な裁きーの重要性についても語った。

大きな不確実性の時代にあることを指摘しつつも、この何世紀にもわたって両国の民主主義、法の支配、自由、権力へのチェック&バランスといった価値が、「今なお」有効に両国の中で受け継がれ、発展されてきていることを指摘した。

これらの演説は、冷え切った英米関係の重要さを示す一方で、両国に違いがあるからこそ、両国の価値や関係は強固になったということを思い出させ、イランなど異宗教への寛容さ、思いやり、相互理解、平和の促進の重要性を思い起こさせた。

聞いていて、ジョークに笑いつつも、唸るしかないスピーチだった。まさに圧巻。イギリスの、イギリス王室の知性の凄みを突きつけられた気がした。敬意しかない。

さて、今日は我が国は憲法記念日。

外遊中の高市首相は、憲法改正を求める集会へのビデオメッセージを送り、「憲法は国の礎であり、根幹であるからこそ、その価値を磨滅させないためにも時代の要請に合わせて本来、定期的な更新が図られるべきだ。」と語ったという。

イギリス国王は、時代が変わってもなお、マグナカルタや権利章典が重要な礎であり続けているという。一方で、我が国の高市首相は、時代が変わって憲法も変わるのだという。

憲法とは、情勢の変化でコロコロと変わるものではない。

日本国憲法は、非常にシンプルな憲法だ。むしろ、その実現の詳細は、国会が法律によって確定していく形になっている。だからこそ、日本国憲法のもとに、自衛隊法など、必要な法律が定められている。

我が国は、かつて国家権力が国民を、植民地の住民を、蹂躙した歴史をもつ。だからこそ、その日本にあって、国家に何をさせないのか、その国家権力のチェック&バランスをどう機能させるかが極めて重要だ。そして、様々な人権をはじめ、国家が国民に何を保障するのか、国家が国家自らに課していくことも極めて重要だ。

だからこそ、日本国憲法をきっちりと実現させていくことが重要なのだ。

日中戦争から第二次世界大戦の終戦まで、この国は戦争が続き、敵国国民に対して、植民地住民に対して、そして国民に対して、特攻をはじめ、人を人とも思わないような施策まで進め、国民に犠牲を強いた事実がある。

だからこそ、日本国民は、日本国憲法を大いに歓迎した。「あの時、戦争を経験した先達がなぜ、この憲法を大いに歓迎したのか」という意味を受け継ぎ、理解し、同じ過ちを犯さないために、この国をどう創り上げていくのか、大いに議論すれば良いと思う。

しかし、日本政府関係者によると、今回のイラン攻撃に対して、日本がホルムズ海峡について何ら軍事的な支援ができないことの理由として、日本国憲法による制約があることを説明したという。

まさに、日本の参戦を求めるアメリカの要求に対して、憲法9条が我が国、国民を守ったと言えよう。吉田首相をはじめ、日本の歴代の多くの首相らもまた、この憲法9条によって、愚かな軍事行動から我が国を守り、経済を優先する施策を進めてきた。

私は、我が国の歴史を見つめ、先達の強い思いを受け継ぎ、この国が国際紛争を武力の行使によって解決することを否定し、武力ではなく平和を実現できる国にしていくことにこそ、力を注ぐべきだと思う。言葉だけでなく、実行できる力をもつ国になることを求めたい。

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著者

上田 恵子

上田 恵子

選挙 流山市長選挙 (2023/04/23) 9,929 票
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流山市

肩書 団体代表 、社会福祉士、元国会議員政策秘書
党派・会派 無所属
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