2023/12/2
大学があると地域は賑わう?大学があるとバイトの求人に困らない?地方都市に大学を作りたい時によく耳にする話に違和感。
人口減少に直面する地方都市に新しく大学を作ろうという時、その理由としてよく聞く声。
▪️大学が地域に賑わいを生む。
▪️大学があると学生が住むのでアルバイトの人材確保が容易になる。
▪️大学設置は地元建設業者にも恩恵がある。
すべて論点がズレてます。
大学が教育研究機関であるという前提が抜け落ちています。
まず、大学は道の駅やテーマパークではありません。
大学における主役は学生であり、学生に学びと成長の機会をどう届けられるかがポイント。つまり教育研究機関としての質そのものが重要です。学生に学びと成長の機会を届けられないような大学にはそもそも入学者が来ません。中身はないけど「流行りそうなキーワードを名称に入れた学部」を掲げた大学や最初から留学生で数合わせという大学など、危ういやり方がよくありますが、これから大学受験を控える子どもたちは大人の身勝手な手法を冷静かつシビアに見てます。
本当に地域に賑わいを生みたいのであれば、その目的に直結する事業をしましょう。
次、大学は労働力確保の場ではありません。学生たちはアルバイトをしたくて大学を選んでいるわけではないです。
しかも、網走時代に出会った東京農業大学オホーツクキャンパスの学生たちは学問や研究に真摯でした。アルバイトも自らのキャリアや学びたい分野との関連性や現場経験という視点でしっかり選んでいましたね。一方で「まちづくり」「ボランティア」と称して学生をタダ働きさせようという大人たちを冷ややかに見ていました。
労働力を確保したい、という地域ニーズには、まず現場業務のDXを進めて効率化・省力化を目指すべきです。DXを進めた上で、人手がどうしても必要という分野に集中的に労働力確保の施策を打つ、というのがセオリー。まずは、地元中小企業のDX推進を優先しましょう。旧態依然の働き方を放置したまま、学生=安価な労働力、という思考を持った地域は学生からも見抜かれます。
次、工事需要の面では、公共工事は大学でなくとも他の事業でも賄えます。逆に学校法人によってはお抱えの建設会社があり、地元業者が入れないというケースもあります。
最後に大事なことをひとつ。
私立大学が地方創生に資する、とおっしゃる方もいますが、資するのは「それが出来る財力、組織、人材、ネットワークを有した学校法人」に限られますので、ご注意を。
これまでともに切磋琢磨してきた仲の良い地方議員の間では「怪しげな学校法人に騙されないように注意しよう」「まずは学校法人の財務内容を目利きできる力が我々側にも必要だ」「首長が変な学校法人に乗せられて暴走したら最後の砦は地方議会しかない」という声が広がっています。

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