2026/6/29
本物ならではの迫力/武雄アジア大学ミニオープンキャンパス参加記。
公費19.5億円を投入しながらも入学者37名という大幅定員割れで全国的に話題となっている武雄アジア大学。同大が毎週開催しているミニオープンキャンパスは市民にも開放されるため、都合が付く限りなるべく参加している。
先週6月27日、模擬講座「公務員の仕事とキャリア形成」を聴講した。
結論から言えば、大学進学希望者だけでなく、現役の自治体職員が聞いて発見の多い、本質的な講義であった。
講師の久保秀幸教授は、大阪府堺市の元技術職であり、在職中に大阪市立大学で博士号(創造都市)を取得したユニークな経歴を持つ。初めて久保教授のお話を拝聴したが、現場で修羅場をくぐり抜けてきた経験に裏打ちされた言葉には圧倒的なリアリティがあった。
特に惹きつけられたのは、阪神高速道路の料金値上げに伴う地元議会への対応や、高速道路の新線建設を巡っての住民交渉のエピソードだ。特に後者は裁判に発展しながらも、徹底して住民との合意形成を模索したプロセスには学びが多かった。
強く印象に残ったのは、次の趣旨のお話だ。 「不満や不安を抱える住民がいるなら行政側から一歩踏み込むのが良い。事業を進める側として徹底的に説明を尽くすことで、どこで折り合いが付き、どこは妥協できない点なのかが見えてくる」
この言葉を聞いてハッとした。これは現在の武雄市役所に最も不足している「事業を進める際の住民への徹底した説明と議論、その上での合意形成」というプロセスそのものだからだ。
さらに、古墳を形作る時代に端を発するという堺の刃物の歴史と、そこから派生した自転車産業。実際に建設局「自転車環境整備課」の課長として、自転車を活かしたまちづくりの陣頭指揮を執った吉田教授の堺への並々ならぬ愛着も伝わってきた。
もっと対話を重ねたいと思わせる、密度の高い時間だった。
余話:「タケアジ」という略称の危うさ
武雄アジア大学の最新パンフレットに「タケアジ」というワードが使われるようになった。
ただ、この判断には疑問が残る。
そもそも「タケアジ」というワードは、地元高校生の間で「勉強を怠ければタケアジくらいしか行く大学がなくなるぞ!」というネガティブな文脈で使われているのが実情だ。それを大学側が自ら公式ツールに採用するブランディングセンスは理解しがたい。
武雄アジア大学と包括連携協定を結ぶ武雄市はこのパンフレットの内容について助言等はしているのだろうか。来年200名の入学者を迎える、というのであれば並大抵の工夫では追いつかない。
私が、広報担当であれば、久保教授の模擬講義で触れたような「本物の凄み」を実直に発信するのだが。




この記事をシェアする
ホーム>政党・政治家>こんどう けんじ (コンドウ ケンジ)>本物ならではの迫力/武雄アジア大学ミニオープンキャンパス参加記。