2026/6/23
AIを使った一般質問分析ツール「質問スコアラー」による武雄市議会6月定例会の一般質問の分析結果(4日目分)をどうぞ。
一般質問4日目(6月15日)に登壇した3議員分です。
豊村貴司議員(4期目)
総合64点
(テーマ14/追及13/提案12/引出13/熱意12)
【スコアリングの根拠】
財政を正面から扱った点はこの日で最も強い。市側は「令和8年度から令和12年度までの5年間で約30億円の財源不足」と答弁し、歳出削減では「(市民向け)サービスの低下」を認めた。経常収支比率97.1%や第4次プランとの比較、事務事業評価の提示など要点も抑えた。一方、副市長が適正な財政調整基金残高について「10%程度に当たる15億円」「災害等、有事のために必ず確保」との答弁に対しては、武雄市の災害リスク等に照らせば20%台が妥当であり、低すぎる基準を許容せず、30億円財源不足の答弁との整合、災害規模別の必要額、条例化まで追及すべきだった。 武雄アジア大学問題でも、市が学校法人と財務的協議は行っていない事実をあぶり出し、今後の確認・記録に踏み込ませた。一方、財政、大学、防災まで広げたため、最後の防災は時間不足となった点が惜しい。
【次回に向けての寸評】
豊村議員は、財源不足、基金、扶助費、大学リスクを一本の財政論として扱えている。ここは評価できる。ただし、財政質問は「答弁を引き出した」だけでは足りない。副市長の答弁は、基金残高答弁は本来なら切り込むべき箇所だった。次回は、財政調整基金の最低残高、災害時必要額、基金取崩し基準、事務事業評価の議会提出時期を文書化させたい。財政を語れる議員だからこそ、甘い答弁を許してはいけない。次回はさらにテーマを絞りたい。例えば行政改革に絞り、52項目それぞれの削減見込額、未達項目、サービス低下の対象、単年度評価表の議会提出時期を問えば、もっと強い。武雄アジア大学問題も四半期ごとの財務確認、学生募集の中間報告、補助金返還リスクの試算をさらに求めるべき。
吉原新司議員(3期目)
総合53点
(テーマ11/追及8/提案10/引出12/熱意12)
【スコアリングの根拠】
治水では「20年先は生きているだろうか」という被災地の高齢者の声から入り、六角川流域対策完了までの空白期間をどう埋めるかを問うた。空き地貯留では、10m×10m×1mで100トン、小学校プール規模で300〜375トンという具体例を出し、一の坪公園地下貯留施設5500万円・220トンとの比較も示した。側溝点検では、市が「市道全長約600キロ」で全点検は困難と答えた後、簡易点検方法を提案し、重点点検と参考答弁を取った。地下通路や地下ホールは照会答弁を得たが、財源と事業主体の詰めが弱い。
【次回に向けての寸評】
吉原議員は現場の絵が浮かぶ質問ができる。空き地貯留、側溝堆積、朝日小学校体育館の暗さなど、住民の困りごとから入る力はある。ただし、地下シェルター、旧庁舎跡地地下開発、地下ホールまで広げると、提案が一気に大きくなりすぎる。例えば次回は治水に絞るとして、空き地貯留なら候補地、貯留量、概算買収費、維持管理費、モデル地区を示す。側溝なら重点地区を3つに絞り、梅雨前点検の工程を取る。発想を「夢」で終わらせず、小さな実行計画に落とし、市側に行動を促すこと。加えて、財政的な裏打ちを根拠を持って語れるようになると、政策の整合性、妥当性が飛躍的に高まる。
古賀珠理議員(2期目)
総合48点
(テーマ10/追及8/提案10/引出8/熱意12)
【スコアリングの根拠】
高齢者福祉、選挙、環境、市営住宅と住民の生活に近いテーマを広く拾った。老人クラブは目標比で「団体数では7団体、会員数では501人のマイナス」、シルバーゲームは各町7回・平均10名程度、市営住宅は「17住宅の853戸」「651戸が入居中」「入居率76.3%」を確認。投票所入場券では、圧着はがき化で不快な思いをした有権者の事例を出し、選管から「十分な周知ができておらず」と答弁を得た。しかし、答弁に対しての詰めが無く、今後の対応は見えずじまいだった。また、冒頭の英語挨拶は質問趣旨と直接関係が薄く、一般質問には馴染まない。一般質問は市政全般に対して行政に対して質問する場であり、議員個人の演説の場ではない。英語での挨拶を止めない議長の進行にも問題がある。
【次回に向けての寸評】
古賀議員は生活者目線で細かい不便を拾う力がある。投票入場券のあり方、市営住宅の入居率低下、高齢者の居場所、健康・高齢者福祉ガイドブックの見づらさなど、住民が実際に困る論点は押さえている。ただし、質問が広がりすぎて、答弁は「周知」「検討」「努める」で市側にほぼ逃げられている。次回は市営住宅に絞り、入居率低下の原因、必要戸数、朝日住宅の判断時期、民間賃貸との役割分担まで詰めると、生活感が政策に変わる。加えて、全体的に財源論が弱いので、政策の整合性、妥当性を詰めるためにも財政を学ばれることをお勧めしたい。
※「質問スコアラー」は、地方を守る政経塾が2年前に開発した、地方議会の一般質問の水準を質問者ごとに評価・可視化するAIツール。これまで塾生が所属する約20の地方議会でトライアル運用を行い、議会ごとの実態に合わせて評価項目や出力内容を調整してきた。評価は議員個人の人格や政治的立場を対象とするものではなく、議事録等に表れた質問の文言から、テーマ設定、追及力、政策提案、答弁引出力などの基準項目への充足度を点数化。次回の改善提案も含めてフィードバックする機構としている。



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