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【佐賀県武雄市議会・山口真哉議員の一般質問に法的・倫理的に重大な疑義】今春の武雄市議会議員選挙...

2026/6/16

【佐賀県武雄市議会・山口真哉議員の一般質問に法的・倫理的に重大な疑義】

今春の武雄市議会議員選挙で新人トップの得票で初当選を果たした山口真哉議員の一般質問が物議を醸している。

問題となっているのは「武雄アジア大学との連携について」の質問。

山口議員はこう述べている。

少し長いが、議事録からそのまま引用する。

ー以下、引用ー

先日、私、キッチンカーのちょっと事業をしておりまして、キッチンカーを去年も依頼されていて、今年も依頼されていて、去年、相当、これはちょっと保育園の運動会だったんですけれども、運動会があっている最中は園児さんたち、食べることができないので、運動会が終わった後に、わーっと去年も大変たくさん並んでいただいて、非常にお待たせをして、商品を提供した、かき氷だったり、ポテトだったりを提供したんですけれども、というのがありました。

そして、4月の後半だったですかね、我々、1期生の議員仲間と大学をちょっと訪問させていただきまして、大学の内覧と意見交換をいろいろとさせていただきました。

その1週間後だったと思うんですけど、この出店がですね。

大学とそういったコンタクトを取っておりましたので、もしかしたら学生がアルバイトに来てくれないかなと思って、大学のほうにアルバイトをお願いできませんかということで依頼をしたところ、もう1時間後か2時間後には、3名の方が来ていただけるよということで返答をいただきました。

これは、ほんの一例には過ぎませんが、これこそが大学のあるまちの日常じゃないかと考えます。大学生と、こういった雇用をすることで生きた経済波及効果の第一歩ではないでしょうか。

ー引用終わりー

要約すると、自身のキッチンカー事業で人手が必要になり、大学にアルバイトをお願いしたところ、急な依頼にもかかわらず、1時間か2時間後には学生3名が来られるとの返答があった。そして、その学生を自分の会社でアルバイトとして雇用した、というのである。

山口議員はこれを「大学のあるまちの生きた姿」「大学を誘致した本当の意味での第一歩」と語っている。

しかし、これは美談ではない。

地方自治体の法務に詳しい弁護士に山口議員の一般質問を分析してもらったところ、山口議員の行為は法的、倫理的に以下の問題を孕むという。

①刑法上の贈収賄、第三者供賄との関係
刑法7条は、法令により公務に従事する議員を「公務員」に含めている。つまり、市議会議員は、刑法上の贈収賄規定の対象になり得る立場である。刑法197条は、公務員が「その職務に関し」賄賂を収受、要求、約束した場合を収賄罪として定め、刑法198条は贈賄側を処罰する。

今回の問題は構図である。

武雄アジア大学は、武雄市から13億円、佐賀県から6.5億円、合計19.5億円もの公費支援を受けている。その大学に対し、市議会議員が、自分の会社の人手不足を解消するために働きかけた。もし、大学側が山口議員の議員活動、大学支援、大学連携推進への期待を背景に、通常とは異なる便宜を図ったのであれば、刑法197条・198条との関係で大きな問題を吹くこととなる。

また、刑法197条の2は、公務員がその職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、またはその供与を要求・約束した場合を処罰する規定である。今回、学生に適正な賃金が支払われていたのであれば、単純な無償利益の供与とは言いにくい。しかし、少なくとも山口議員本人ではなく、山口議員の会社が「急な労働力確保」という便益を受けている。仮にその便益が、議員としての職務や大学支援への見返りとして提供されたのであれば、第三者供賄の疑いもある。

②地方自治法117条が定める除斥・利益相反の問題
地方自治法117条は、議員が自己や一定の親族の一身上の事件、または自己等の従事する業務に直接利害関係のある事件について、議事に参与できないと定めている。山口議員は、大学との関係によって自分の会社がアルバイト人材を確保できた事例を、一般質問の中で紹介している。そのうえで、大学と地域事業者との連携を広げるべきだと主張している。これは、自社が利益を受けた仕組みを、公的政策として推進しているように見える。仮にこの大学連携の仕組みが、自社の事業にも直接利益を及ぼすのであれば、地方自治法117条の趣旨に照らし、少なくとも利益相反の説明責任が発生する。

③政治倫理上の問題
市議会議員は、単なる一事業者ではない。市政を監視し、公費支出を検証する立場であり、大学誘致政策の効果とリスクを、市民の側から点検する立場である。その議員が、公費補助を受けた大学に対し、自分の会社のためにアルバイト人材の確保を依頼した。しかも、その事例を議場で「大学連携の成功例」として語った。政治倫理上の極めて大きな問題だ。

倫理的問題の核心は5つだ。

1.公私混同
議員として大学連携を語る立場と、自分の会社の人手不足を解消する事業者としての立場が混ざっている。

2.地位利用の疑い
一般の事業者が同じように急な依頼をして、1〜2時間で学生3名を確保できるのか。山口議員だから大学側が素早く対応したのではないか。この疑問に答えなければならない。

3.利益相反
大学への公費支出を検証すべき議員が、その大学との関係によって自社の事業で事実上の利益を得ている。これでは、大学政策を客観的に評価できるのかという疑念が生じる。

4.公平性の毀損
大学が地域事業者と連携すること自体は否定しない。問題は、それがすべての事業者に同じ条件で開かれていたのかどうかである。議員の会社だけが早く、優先的に対応されたのであれば、公平性にも疑問が生じる。

5.武雄市議会基本条例との関係
武雄市議会基本条例は、政治倫理として、議員は住民の代表として良心と責任感を持ち、議員の品位を保持し、識見を養うよう努めなければならないと定めている。

以上のことから山口議員は公開の場において少なくとも次の点を明らかにすべきである。

・この依頼は、議員として行ったのか。会社代表として行ったのか。
・大学の正式な求人受付制度を通したのか。
・市内の他の一般事業者にも、同じスピードで学生3名を紹介できるのか。
・大学側は、山口議員を市議会議員として特別扱いしていないのか。
・市の大学連携推進室は関与していないのか。
・今後、大学関連の議案や質問において、自身の利害関係をどう整理するのか。

山口議員は、これを「大学のあるまちの生きた姿」と語った。

違う。

これは、市議会議員がその立場を利用して、19.5億円もの公費補助を受けている大学に対し、自分の会社のための便宜供与を求めた、という重大な疑義である。

山口真哉議員には、まずコンプライアンス研修を受けることをおすすめしたい。

山口真哉議員の質問に対し、小松政市長は他の議員と比較して丁寧に答弁していた。小松市長に近い立場なのだろう。そのような立場の新人議員が早速このような状況とは、小松市長もお気の毒である。

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著者

こんどう けんじ

こんどう けんじ

選挙 網走市議会議員選挙 (2019/04/21) [当選] 1,142 票
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肩書 人材開発株式会社CEO/DXコンサルタント/公共交通アドバイザー
党派・会派 自由民主党
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