2026/6/15
武雄アジア大学の経営悪化→閉校・撤退の場合、補助金19.5億円は返ってくるか?松尾謙一企画部長が繰り返す虚偽答弁/小松政市長も同様の説明。
武雄アジア大学が閉校・撤退した場合、補助金は返ってくるのか。
この点について、武雄市は市民に対して、あたかも「返還制度がある」かのような説明を繰り返している。
しかし、議事録と各種規則・要綱を精査すると、これは極めて危うい。むしろ、虚偽答弁と言わざるを得ない。
6月12日の朝長勇議員の一般質問で、問題の核心がはっきりと浮き彫りになった。
まず今年3月26日の全員協議会での小松政市長の発言は以下のとおりだ。
「最悪のケースとして学生が集まらず閉校となった場合には、補助金を返還してもらい、用地も返還してもらい、市民に負担をかけない前提で仕組みをつくってきた」
つまり、小松市長は「閉校しても補助金は返ってくる」かのように説明している。
次の焦点は、本当にそんな制度があるのか、だ。
この点は昨年12月の山口昌宏議員の一般質問でも担当の松尾謙一・企画部長から答弁があった。
松尾謙一・企画部長
「仮に旭学園が学生の確保等の理由により大学の運営ができなくなった場合は、その目的が果たせなくなることから、武雄市補助金交付規則及び武雄市大学施設等整備事業費補助金交付要綱に則り、耐用年数等を勘案した返還金額を算出し、お支払いいただくことになります。」
今議会では朝長議員が「(補助金を)取り返せる方法があるのか」と迫ったところ、松尾企画部長は「武雄市補助金等交付規則に、財産処分等の制限が記載されております」と答えた。
だが、これは答えになっていない。
住民訴訟に詳しい弁護士によると、「財産処分等の制限とは、補助金で取得した財産を勝手に処分するな、という規定である。閉校したら補助金が返ってくる、という制度ではない」という。
さらに、前述の弁護士は続ける。「武雄市補助金等交付規則で返還を求められるのは、基本的には、不正受給、目的外使用、交付条件違反、市長の指示命令違反があった場合である。では、武雄アジア大学の大幅定員割れはどれに当たるのか。定員140人に対して一期生37人。これは不正受給なのか。目的外使用なのか。市長命令違反なのか。どれにも当たらない。大学側から『学生募集は努力した。しかし結果として集まらなかった』と言われれば、それで終わりである」。
併せて、「決定的なのは、この補助金の性質である。武雄市が支出した補助金は、大学開校のための施設整備費、設計費、備品費への補助である。武雄アジア大学は実際に開校している。校舎もでき、備品も入った。大幅定員割れとはいえ37人の学生も入学した。授業も始まった。旭学園側からすれば、『補助金は目的どおり大学開校のために使った』と主張できてしまう」。
開学後に学生が集まらなかった。
経営が苦しくなった。
閉校・撤退に至った。
その結果が補助金返還の根拠になるか。
前述の弁護士にも確認したが、松尾謙一企画部長が挙げた規則や要綱を見る限り「(補助金返還は)極めて厳しい。ほぼ無理。武雄市の見立ては甘い」との見解である。
にもかかわらず、松尾企画部長は閉校・撤退時の補助金返還制度があるかのような答弁を繰り返してきた。小松政市長も、同じロジックで「市民に負担をかけない仕組みがある」かのように説明してきた。
地方議会の運営に詳しい有識者は「議員の追及を交わすために、実際は補助金の返還など無理にも関わらず、大学撤退時の補助金返還制度があるかのように答弁したのだろう。これは住民・議員を欺く虚偽答弁だ。その虚偽答弁に小松市長自らも合わせているのも悪質。虚偽答弁が市役所組織の体質になっているのでは」と指摘する。
そして、最後の問題がある。
仮に何らかの返還命令を出せたとしても、相手(学校法人旭学園、武雄アジア大学)に現金がなければ返ってこない。
定員割れの果てに経営破綻している学校法人に、19億5,000万円を返還するキャッシュが残っているか。
賢明な読者の皆さまはもうお分かりではないだろうか。
虚偽答弁を許容せざる得ない小松政市長が気の毒である。

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