2026/5/31
佐賀バルーナーズも、巻き込まれた側ではないのか。
武雄市の佐賀バルーナーズ・プレシーズンマッチへの2,500万円支出問題について、複数の有識者や市民の方々から、別の視点での指摘もいただいている。
それは、佐賀バルーナーズ側の本音である。
プレシーズンマッチの位置付けは、一般的に言うと、シーズン開幕前の調整試合。実戦感覚を戻す意味はある一方で、チームにとって一番避けたいのは選手の怪我だ、という指摘があった。
確かに、開幕前に主力が負傷すれば、シーズン全体に響く。
最近では、サッカー日本代表の三笘薫選手がリーグ戦で左太もも裏を負傷し、W杯日本代表メンバーから外れた。
一人の負傷で、チーム全体の設計が変わる。それはサッカーでもバスケットボールでも同じではないか、という声である。
選手は、チームの戦力であり、クラブの財産であり、ファンにとっての希望でもある。だからこそ、プロチームがプレシーズンマッチの開催に慎重になるのは当然だ。
今回の会場についても、関係者からは安全面を心配する声がある。
当初は、ケーブルワン・スポーツパークの既存ゴールを使い、体育館の半面をコート、半面を仮設席にする計画だった。その後、公式戦に近い臨場感や選手の安全確保を理由に、センターコート方式へ変更。新たにプロ仕様のゴール2基をリース。床面には1日だけのために木製板を設置。ドクター、看護師、警備員、会場スタッフも増員。
あるプロバスケットボール関係者は、こう指摘する。
「これだけ後から整備が必要になるということは、当初案のままでプロ選手が安心してプレーできる環境だったのか、疑問が残る。プロチームが見るのはイベントの華やかさではなく、床、ゴール、コート周辺の安全距離、救護体制、選手動線だ」
また、別の関係者からは、こういう話も聞こえてくる。
「佐賀バルーナーズ側は、本当は今回の武雄開催に慎重だった。選手の安全確保を考えれば、設備がプロ仕様になっていない地方の体育館でのプレシーズンマッチは簡単にやりましょうと言える話ではなかった。ただ、武雄市とは連携協定もある。無碍には断れない。そこで、武雄市側が断るであろう水準の開催条件、つまり相応の金額を示した。ところが、小松政市長が『やります!』と即答してしまった。それがすべての始まり」
これがリアルな流れなのであれば、佐賀バルーナーズを責めるのは筋違いである。むしろ、バルーナーズも巻き込まれた側ではないか、という指摘には一定の説得力がある。
実際、バルーナーズファンの間からも、「せっかくファンが育ててきたチームが、税金を巻き上げるチームのように見られるのは悲しい」という声が出ている。
チームにとっても、これは不幸な構図である。
さらに、武雄市内の方々と話していると、かなりの頻度でこう言われる。
「これは小松市長の選挙対策やろ」
住民の側から、一方的にその言葉が出てくる。
住民は気づいている。
スポーツ振興の名を借り、選手の安全、クラブの信用、市民の税金を蔑ろにして、市長の人気取りイベントにしていることを。
そう見られている時点で、市政運営としてはかなり危うい。
この問題で問われているのは、バルーナーズではない。問われているのは、小松市長の姿勢と行動である。
誰のためのプレシーズンマッチなのか。

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