2026/6/3
前回の記事で、福岡中学校の改修工事を巡り、市側が議会の議決前に追加工事を完了させていたという重大なルール違反(フライング着手)についてお伝えしました。
6月3日に行われた本会議の「総括質疑」でも、会派「チームふじみ野」の小林久美議員から厳しい質問が飛び出しましたが、その質疑には違和感を抱かざるを得ませんでした。
それは、質疑が「誰がどういう経緯でその工事を指示したのか」といった、個人の責任を追及するような内容だったからです。
問題となっているのは、ふじみ野市立福岡中学校の校舎改修工事です。 具体的には、以下の3つの追加工事が今回の議案となった契約変更の中身です。
どれも生徒たちの学習環境を守るために必要な工事です。しかし議会の議決を得る前に工事に着手することは、地方自治法・市の条例に反する行為です。
今回の件は市長や職員が不正な利益を得るとか、議員に便宜を図ったといった汚職事件ではありません。学校に必要な工事はすでに終わっており、市民への直接的な不利益もありません。
あえて不利益があったとすれば、議決前に工事をさせたことで、地元企業(中原工業)を契約不成立のリスクに晒したことです。万が一、議案が否決されれば追加工事の契約は成立せず、工事代金の支払いもできません。そうなれば残りの工事の遅れや訴訟のリスクなどさらに大きな問題も起こりえます。
しかし、これは現場のイチ職員に責任を負わせるべき問題ではありません。契約事務についてルールが徹底されていなかった、市長や部長などの幹部職員が議案上程後の5月22日まで事実を知らなかったという、市役所全体の組織の問題です。
全ての責任は工事の発注者である市長と、学校施設を管理する教育長にあります。職員の不手際をあぶりだして責任を問う「政治ショー」を行っても、かえって組織の根深い病巣は見えなくなってしまいます。
また、小林議員の質疑の中で「この事実を早く市民に知らせるべきだ」という主旨の主張もありました。一見もっともらしく聞こえますが、ここにも議会のルールを軽視する姿勢が見え隠れします。
私たち市議会議員は、「市民の代表」として選ばれています。行政の大きなミスが発覚したとき、市がまず説明を尽くし、ケジメをつけるべき相手は、市民の代表機関である「議会」です。
そもそも、本日行われた「総括質疑」とは、議案の全体的な方針を問う場です。具体的な事実関係や原因究明は、この後に開かれる専門の委員会(総務・教育常任委員会)でじっくり審査するのが議会のルールです。
委員会での本格的な審査を前に、議会を差し置いて「まずは市民に向けて説明しろ」と主張することは、市側のフライング着手と同じように、議会のステップを無視した「もう一つの議会軽視」ではないでしょうか。
私は、今回の市の違反行為を絶対にうやむやにしません。
しかし、本会議場で派手に糾弾して拍手を浴びるようなやり方は選びません。この後に控える総務・教育常任委員会の審議において、冷徹に、かつ確実に市の組織の問題点を洗い出し、再発防止を求める。これこそが、確実に行政を動かす実務的なアプローチです。
パフォーマンスの政治で街は変わりません。
私はこれからもルールに則り、市民の皆様の負託に応える「実のある政治」を貫きます。
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