2026/5/29
大洲市議会議員の中野ひろしです。
先日の大洲市長選挙2026を受け、私自身の視点から、今回の選挙戦の総括と、これからの大洲市が向き合うべき課題についてまとめました。
【総括】2026年大洲市長選挙
8年ぶりの選挙戦と、デジタル化する地方政治の現在地
2026年2月26日に投開票が行われた大洲市長選挙は、任期満了に伴うものとしては17年ぶり、選挙戦としては実に8年ぶりの実施となりました。
私自身、合併時から数えて5回目の市長選への関わりとなりましたが、今回もまた、過去に負けないドラマチックな展開があったと感じています。
今回の結果は、現職の二宮氏が10,453票、新人の武田氏が7,822票でした。
投票率は56.9%となり、前回を上回りました。武田氏が早い段階から立候補を表明し、精力的に活動したことで、市民の関心が高まったことは間違いありません。
一方で、得票率で見ると約57%対43%。8年前の選挙に比べれば差は縮まりましたが、10ポイント以上の開きがある以上、「接戦」とまでは言い切れない現実もあります。武田氏は健闘しましたが、現職の壁は厚かったというのが率直な分析です。
公開討論会などを通じて明確になったのは、市の財政に対する考え方の違いでした。
武田氏は「子孫に負担を残さない」として、長浜の埋め立て事業や各種補助金の見直し、教育・経済への重点投資を主張しました。
一方、二宮氏は、現在の大洲市は健全な財政運営を維持しており、必要な公共事業や将来への投資は、ルールに基づいて進めるべきだという立場でした。
私自身は、合併直後の実質公債費率23%超という厳しい状況に比べれば、現在の大洲市は一定の財政体力を回復していると考えています。だからこそ、単なる緊縮ではなく、将来に必要な投資をどう見極めるかが重要です。
今回の選挙で特に大きかったのは、デジタル・SNSの影響です。
私が市政の「見える化」を進めるうえで大切にしている考え方の一つに、元任天堂の横井軍平氏が提唱した「枯れた技術の水平思考」があります。
最新の難しい技術を追いかけるのではなく、すでに多くの人が使っている安定した技術を、別の分野に応用するという考え方です。
政治や市政の情報発信も同じです。
YouTube、LINE、Zoom、SNSなど、すでに市民生活に浸透している身近なツールを使えば、特別な仕組みを作らなくても、市政をより分かりやすく、より身近に届けることができます。
今回、二宮候補には私のYouTubeチャンネルにも出演いただき、市民からの質問に直接答えるライブ配信を行いました。最終日の配信は延べ4,000人以上に視聴され、これまでの街頭演説だけでは届きにくかった層にも情報を届けることができたと感じています。
また、投票者の約半数が期日前投票を利用しています。もはや選挙戦の山場は最終日だけではありません。週の半ばまでに、いかに政策や候補者の考えを届けるか。地方選挙においても、情報発信のあり方は大きく変わっています。
検索やAIで情報を得る人が増えている今、政治家の側も、必要な情報がネット上できちんと届くように経路を整えておく必要があります。
「すでにあるもの」を少し視点を変えて活かすこと。
これが、市政を開き、市民との距離を縮めるための現実的で有効な方法だと考えています。
もう一つ、私が強く感じたのは、地域政治の記録を残すことの大切さです。
合併時の経緯、過去の保守分裂、地域ごとの政治的背景などは、時間が経つと急速に語られなくなります。当事者が語れるうちに記録し、次の世代へ引き継ぐことは、地域にとって大切な財産になると考えています。
「勝って兜の緒を締めよ」
そして、よく言われるように、
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
勝った側は勝因を過信せず、負けた側は敗因を冷静に見つめる必要があります。
選挙が終わればノーサイドです。当選した二宮市長には、この結果を当然と受け止めるのではなく、反対票を投じた市民の声にも真摯に耳を傾けていただきたいと思います。
私も一市議会議員として、大洲市政の見える化を進め、議会のチェック機能をしっかり果たしていきます。
大洲市のさらなる発展に向けて、これからも現場の声を大切に活動してまいります。
大洲市議会議員
中野ひろし
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