2026/6/27
第二回定例会が終わりました。
議会が終わると、その議会の議案の根底に共通する課題が見えてきます。
近しい方には【通奏低音】を感じる、とお話ししたりします。
音楽は、そこまで詳しくありませんけど。
今回の議会で見えてきたのは、
【1】公会計の原則の例外の≪企業会計的手法≫が≪身の丈以上の財政運営を可能にし≫、それが、≪インフレで急激に悪化する≫問題と
その裏にある、
【2】日本の税制にスケールメリットが無いどころか、
【3】都市部の住民に重い税負担をさせている問題です。
【4】それなのに、手数料というかたちでごみを有料化したり、高額な施設使用料を徴収するのもその表れの一つです。
一人会派は、5分と言う時間制限があるので、一部しか言えていませんが、
今回の議会を通じ、より論点が鮮明になった、
上記1~4に注目し、しっかり取り組んでいきたいと思います。
以下、補正予算の議案に対する討論です。
議案の態度は補正予算第58号議案含め以下のリンクでみられます
補正予算は、
2026②区長提出議案58
でご覧になれます
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フェアな民主主義奈須りえです。
第58号議案 令和8年度大田区一般会計補正予算(第2次) につきまして、反対の立場から討論いたします。
企業会計的価値観が地方財政に弊害を及ぼした
私はこの間、企業会計的価値観が地方財政に及ぼす弊害について指摘して参りました。
弊害の一つ、単年度主義の例外 債務負担行為
その一つが単年度主義の例外である債務負担行為です。
公債を使わず現金で払い損なわれた世代間の公平
また、羽田空港跡地取得、蒲田駅東口地下駐輪場整備、呑み川合流改善など国や東京都が執行していたような大規模なインフラ整備事業であっても公債を使わず、現金で払い、債務負担行為を行うようになり、世代間の公平性が揺らいでいます。
身の丈以上の過剰な支出を見えなくする企業会計的価値観
単年度主義の財政運営は、その年に入った税収の範囲で、支出を決めますから、結果、区民の経済状況に基づく税収に見合った「身の丈」の財政運営になりますが、債務負担行為は、事業規模が大きいうえ、複数年にわたるので、歳入の歳出の関係が複雑で見えにくくなり、適正かどうかの判断が難しくなります。
高額なインフラへの現金支出を可能にした三位一体改革
大規模で高額なインフラ事業を、行える背景には、地方分権の三位一体の改革で、地方自治体に、余らせるほどの税源が委譲されたため、余った余裕のある財源を基金に貯めては引き出す財政運用が可能になったことがあります。
地方分権が裁量権を大きくし可能にした巨額な箱モノ開発
そのうえ、地方分権一括法は、地方自治体に大きな裁量権をあたえ、法定受託事務以外の法令に基づかない事務は自治事務としたので、大田区は、箱モノも住民福祉だと言って、巨額な財政投入を行ってきました。
夕張市の財政破綻が自治体会計における借金を悪者にした
夕張市の財政破綻を契機に財政健全化法ができたことで、借金を悪者のようにとらえる風潮ができ、基金と債務負担行為の問題を軽視することになってしまいましたが、健全化比率は十分に債務負担行為を評価しないのですから、意図的なのでしょうか。
本補正予算で見る繰越明渠費と債務負担行為の影響
期間の延伸、総工費32%激増
蒲田駅前広場の整備は、本補正予算の繰越明許費で来年度に繰り越され、債務負担行為で、期間が令和11年度末までに延びましたが、
単純化すれば、令和5年当初88億円だった総工費が28億円増えて、116億円になり、当初に比べ約32%に激増したということです。
大規模、長期契約は、インフレリスクを更に高める
本当に不測の事態か、調査の不備はなかったか
周辺の地下水が掘り下げた底を押し上げる盤ぶくれや地中障害物など不測の事態と説明されていますが、道路陥没リスクが高まる時代に地下水の調査の不備とは言えないでしょうか。
その上、規模が大きく期間が長いので、インフレリスクも更に高まり、工事費がいくらに膨れ上がるかわからないのです。
企業会計的価値観が、
区民との約束=予算決算を壊し、見えにく分かりにくくする
単年度主義の原則の例外である繰越明許費や債務負担行為の濫用は、世代間の公平性を逸脱するだけでなく、質疑の答弁にもあったとおり、議会で議決し区民との約束をしたはずの予算と決算が大きくずれ、どの年度でいくらの事業執行を行ったのか、行わなかったのか、いつまでに終えるのか、区民から見えにくくわかりにくくなることが問題です。
重要な変化、債務負担行為、なのに議会に見せず白紙委任せよ?
大田区は、議案質疑の答弁で、債務負担行為について、議会に認めてもらっていることを強調しています。それだけ、重要なことで、この財政行為は、大田区と議会の連帯責任だということです。
ところが、そういう大田区に今後5年の債務負担行為の額を求めたら、出たのは令和6年度決算の771億円だけで、変動するから出せないと言う答弁です。
私たち区議会に、白紙委任せよと言うに等しいことです。
蒲田の駐輪場整備を11年度末まで先送りにし、先送りした令和11年の債務負担行為の総額が現時点でいくらになるか示されないまま、このインフレ時に賛成できるはずがありません。
物価に連動し、将来の需要まで押し上げる巨額な債務負担行為
物価に連動しない、区民の所得
そのうえ、こうした規模の大きな債務負担行為による多額の事業が、昨今のインフレで、さらに将来の財政需要を押し上げますが、区民の所得はインフレ率ほど増えませんから財政を急激に悪化させます。
財政弾力性を示す経常収支比率80%を形骸化させる債務負担行為
経常収支比率80%は、400億円の財政弾力性がある印象ですが、771億円の債務負担行為は将来の支出を予約し、まだ入ってこない税収を拘束しますから、余力などと言う言葉は使えないはずです。
政治がデフレ脱却、インフレ誘導した
政治は誰の味方か?
そもそも、外的要因に加え、国と区が後押ししてデフレ脱却、インフレ誘導しているですから、政治は誰に味方しているのか、と言いたくなります。
将来の需要増と財源不足を見越した?
財源確保の基礎控除据え置き、家庭ごみ有料化
その結果が基礎控除引き上げの据え置きであり、家庭ごみ有料化につながるのではないでしょうか。
財政的に大丈夫か繰り返し質疑してきましたが、大丈夫の答弁で改善されず、いよいよ、企業会計的価値観が区の財政を悪化させ区民に弊害を及ぼすのが本補正予算からも明らかですから、反対です。
| 番号 | 件名 | 議決日 | 議決内容 | 付託委員会 |
|---|---|---|---|---|
| 58 | 令和8年度大田区一般会計補正予算(第2次) | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
総務財政 |
| 59 | 大田区特別区税条例の一部を改正する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
総務財政 |
| 60 | 大田区付属機関の設置等に関する条例の一部を改正する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 61 | 大田区立区民センター条例の一部を改正する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
地域産業 |
| 62 | 大田区立特別養護老人ホーム条例に規定する大田区立特別養護老人ホーム蒲田の供用停止に関する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
健康福祉 |
| 63 | 大田区立高齢者在宅サービスセンター条例の一部を改正する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
健康福祉 |
| 64 | 大田区立シルバーピア条例に規定する大田区立シルバーピア蒲田の供用停止に関する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
まちづくり環境 |
| 65 | 大田区立児童館条例に規定する大田区立蒲田児童館の供用停止に関する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
こども文教 |
| 66 | 大田区立児童館条例の一部を改正する条例 | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
こども文教 |
| 67 | 包括外部監査契約の締結について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 68 | 大田区立赤松小学校校舎(棟番号⑪-1ほか)取壊し及び外構整備その他工事請負契約について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
総務財政 |
| 69 | 大田区立馬込第三小学校及び仮称大田区室生犀星資料館改築その他電気設備工事請負契約について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (賛成者多数) |
総務財政 |
| 70 | 大田区立安方中学校校舎改築その他電気設備工事(Ⅱ期)請負契約について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 71 | 大田区立安方中学校校舎改築その他機械設備工事(Ⅱ期)請負契約について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 72 | 大田スタジアム人工芝張替えその他工事請負契約について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 73 | 児童用防災ヘルメットの購入について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 74 | 大田区立南六郷くすのき園大規模改修機械設備工事(長寿命化)請負契約について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
| 75 | 大田区立入新井第二小学校校舎改築その他機械設備工事(Ⅰ期)請負契約の変更について | 令和8年6月25日 | 原案可決 (全会一致) |
総務財政 |
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