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奈須 りえ ブログ

動画と答弁付き【家庭ごみ有料化は何故ダメか】家庭ごみの有料化の問題について、環境、経済、財政、...

2026/6/26

家庭ごみ有料化について、議会で取り上げました。

区長がごみ有料化が反対と小耳にはさみましたが、
有料化前提で、
環境整備していくだけなのが、よくわかりました。

しかも戸別収集前提で、
プライバシーの問題を、環境問題で乗り越えようとしています

信じないで、質問して良かったです

断片的な切り取りでない、
体系的な政策論から、ごみ有料化について、

以下、質問原稿です。
断片的な切り取りでない、体系的な政策論から、ごみ有料化について明らかにしています。

答弁は、青太字です
奈須のコメント*も入れておきます

 

家庭ごみ有料化について、議会で取り上げました。

区長がごみ有料化が反対と小耳にはさみましたが、
有料化前提で、
環境整備していくだけなのが、よくわかりました。

しかも戸別収集前提で、
プライバシーの問題を、環境問題で乗り越えようとしています

信じないで、質問して良かったです

断片的な切り取りでない、
体系的な政策論から、ごみ有料化について、

以下、質問原稿です。
断片的な切り取りでない、体系的な政策論から、ごみ有料化について明らかにしています。

 

======================

フェアな民主主義 奈須りえです。

23区は、2000年の清掃事業の区移管以降、
・収集運搬は各区、
・処理焼却は、23区が共同でごみを処理焼却するために設置した東京23区清掃一部事務組合(通称一組)、
・埋め立て処分は、東京都
が担ってきました。

区長会は、この一組の一般廃棄物処理基本計画(六次)の検討にあたり、23区の将来のごみ量推計や更なるごみ減量施策や清掃工場の焼却能力等について議論を進め、「『清掃事業の課題』検討経緯等のまとめ」の公表についてを令和8年3月19日に公表しました。

「清掃課題のまとめ」には、3つのごみ減量施策

1.資源化可能な事業系古紙の工場搬入規制(大企業)

2.廃棄物処理手数料の増額(中小企業)

3.そして、今日取り上げる家庭ごみ有料化(個人)

が挙げられています。

素晴らしく効果があるわけではなく、
課題がある
家庭ごみ有料化など3つのごみ減量施策

ところが、区長会は、
これら3つとも、いずれも課題はあるものの相応の効果が期待できる、として、実施に向けた検討を進めると書いています。

地方自治法の「最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」という主旨からすると、相応ですから、区長会も、素晴らしく効果がある施策とは思っていないのだなあ、と言う印象です。

施策により困難度が違う
ごみ減量策

しかも、「施策により解決に向けた困難度合いに差異がある」と言っていて、大企業が清掃工場に持ち込む古紙の搬入規制と、小規模事業者から徴収する手数料の増額は、「早期の実施に向け、ロードマップを策定して具体的な検討を進める」と言っているのに対し、

家庭ごみの有料化は、「比較的課題が多いので、実現に向けた検討を進める方針」、とトーンダウンした表現になっています。

私も課題が多く、区民生活への影響も大きいと考えている家庭ごみの有料化ですが、区長会も実現するには、課題が多いと言っているのです。

鈴木区長も家庭ごみの有料化は、反対の立場だという大田区幹部の声を耳にしました。私も区長に期待したい気持ちですが、昨日の有料化には、プライバシーに問題があり、コストがかさむ戸別収集が前提と言った答弁を聞くと、有料化の問題意識が私とは違うかも知れません。

もう決めてる!?
区長会の議事録に、
家庭ごみ有料化の開始年度は令和19年度

区長会の「清掃工場整備計画に関する検証委員会」の議事録から、「家庭ごみ有料化の開始年度は令和19年度」とわかりますから、区長も区長会も、もう決めているのかもしれません。

開始が11年も先なら、政治責任も問われない?
家庭ごみ有料化

ごみにまで税金の二重取りをするなど、政治生命に関わることも、11年も先なら、やめている区長も議員も多いでしょうし、有権者の意識も変わっているということでしょうか。

今後の議論の為にも、家庭ごみの有料化のどこが課題で、区民生活などへどう影響するのか、明らかにしたいと思います。

そもそも、私が家庭ごみの有料化が問題だと考えているのは、家庭ごみの処理は自治体の自治事務で、大田区がやらなければならない仕事で、区民は、住民税や固定資産税や消費税などの地方税で払っていて、新たにとれば、二重取りで増税になるからです。
 これは、介護保険やこども子育て支援金制度や、住民税基礎控除すえおきと同じで、区民の負担を増やし、行政が自由に使える財源を確保する構図です。

税金の二重取りではないか?

ごみを減らすために、有料化と言う声もありますが、区長会のまとめにあるように、ごみが減る効果は不確実で、有料化でごみが減るかはわかりません。そこでうかがいます。

1.大田区が家庭ごみを有料化すれば、地方自治法違反で税金との二重取り、増税ではありませんか。家庭ごみを有料化して料金を徴収する目的は何ですか。

 

答弁1

23区の清掃事業についてはごみの収集・運搬・資源回収を各区が行い、可燃ごみの焼却や不燃ごみの破砕などの中間処理を、東京二十三区清掃一部事務組合、通称、清掃一組が担っている。可燃ごみを焼却する清掃工場の整備計画は、清掃一組が一般廃棄物処理基本計画の中で定めている。今回、清掃一組が第6次計画を策定するに当たっては、将来のごみ量推計や更なるごみ減量施策、それらに基づく清掃工場の適切な焼却能力などを精査検討しており、これらについて特別区長会は23区の清掃事業の課題として検討議論している。検討の中でのごみの減量施策の一つが家庭ごみの有料化であり、ごみの排出量に応じた負担を求めることで、区民のごみに対する意識が一層高まり、発生抑制や分別の徹底、資源循環の促進につながることを目的とした方策の一つであると認識している。全国的にも家庭ごみ有料化は進んでおり、環境省が実施している一般廃棄物処理実態調査によると、区市町村の約7割が家庭ごみの有料化を実施し、その割合は年々増加傾向にある。なお、特別区長会のホームページに掲載されている清掃工場整備計画に関する検証委員会の資料では、家庭ごみの有料化は、利用に応じての手数料という考え方となっており、税に当たるものではないと考えている。区としては、家庭ごみの有料化はごみ減量に向け、有効な施策の一つであると認識しているが、一方で排出ルールを守らない不適正排出や不法投棄が増加する恐れがあること、また、それらを防止するための戸別収集を導入した場合には、収集作業員の確保や車両台数の増加に伴う後年度にわたるコスト増など多くの課題がある。このため、様々な角度から諸課題を総合的に勘案し、23区全体で行う検討の場などにおいても、慎重な議論を継続していく。

*全国の7割と言っても、導入したのはほぼ小規模の自治体で、政令市を中心に、大都市は未実施です。
財政規模の問題もありますが、資本主義経済における経済の中心で、多くの労働者の労働力があって都市が支えられている性質上、経済システムから、廃棄物処理費用を税金に上乗せして徴収することは、やってはならないことです。

経済の静脈に例えられる、廃棄物の処理費用の負担を、家庭に負わせることは、経済活動が負担すべきコストを、労働者の賃金に転嫁することにほかならず、経済論理として成り立たないばかりか、投資家利益を優遇する政策になるからです。

ごみの減量を言いますが、ごみが減るエビデンスはありません。
それが次の質問に続きます。

家庭ごみ有料化は
地方自治法違反?

地方自治法第二百二十七条は、

普通地方公共団体は、当該普通地方公共団体の事務で特定の者のためにするものにつき、手数料を徴収することができる。

と定めています。

この条文から、私は、ごみを出さずに生活できる人はいませんから、手数料を徴収することはできず、地方自治法違反ではないかと考えています。

今回の有料化で、戸別収集とセットと言うものも、特定の者のためが法律違反になるのを恐れているからかも知れません。

ところが、ごみの有料化を規定した条例を、違法とした請求を棄却した

横浜地方裁判所の判決文を読むと、

法定受託事務は、手数料等を徴収することはできないが、
自治事務は手数料を徴収することができる、

と書かれていました。

23区の家庭ごみの有料化をそのまま当てはめて良いかどうかはわかりませんが、
自治体は、家庭ごみの事務からも、裁量の範囲内に納める限り、手数料を取って良いと言うことです。

地方分権で自治事務になったことで、自治体、あるいは、首長に本当に大きな裁量の余地を与えたのだなあ、とあらためて思います。

家庭ごみから手数料を「取っても良い」とした地方分権

家庭ごみの有料化は、大田区や23区が、家庭ごみを有料化することに、区長や区の裁量権を使うべきかが論点なのです。

お金を取ればごみが減る、わけでもないのに
区に家庭ごみから料金を取らせるべきか
区長や区の裁量にまかせて良いか

ごみを減らすため、埋め立て処分場の延命、など、環境問題の様に言われる家庭ごみの有料化ですが、まとめで「ごみが減る効果は不確実」と区長会自身が認めています。有料化してもごみが減るかどうかわからないと言うことです。

他の自治体の事例も、リサイクルで減ったか、ライフスタイルの変化で減ったか、有料化したから減ったか、分析して明らかにしているわけではありません。2000年の地方分権一括法施行直後の2000年代前半に東京都の市部で有料化が導入され始めましたが、当時は、ごみが減るのは一時的ですぐ元に戻ると言われていました。

ごみを減らすためリサイクルをしても、リサイクルもごみとして扱われますので、自治体が処理すべきごみ総量は減りません。有料化実施自治体の中には、リサイクルからも同じ金額を徴収しているところもありますから負担も変わりません。有料化の対象が可燃ごみだけなのか、リサイクルも含めるのか、不燃ごみはどうなのか、と言った詳しい説明も無く、有料化の情報が広がっています。

そこでうかがいます。

2.家庭ごみの有料化で、ごみが減るエビデンスはありますか。エビデンスが有るなら、課題があり、ごみが減るのが不確実だと言っているのは、なぜですか。

答弁2

先行自治体の実績などから、一定の成果が確認されている。環境省のホームページに掲載されている資料「一般廃棄物処理有料化の手引き」によると、有料化を導入した自治体において、実施前と実施後3年目を比較すると、平均で2割程度の可燃ごみの減少が確認されたとの報告がされている。また、具体的な自治体の例を挙げれば、今から約20年前の平成16年に有料化を開始した多摩地域のある自治体では、導入後に前年同月比約30%以上の削減効果があったと報告されている。一方、同じ多摩地域でも、今から遡って過去10年の間に有料化を開始した自治体では、導入後の削減率が10%から15%程度にとどまっている。これは、開始年度が早ければ早いほど、古紙や古着、容器包装プラスチックなど、新たな資源化を同時期に開始したことにより、有料化との相乗効果が得られている一方、開始時期が遅い自治体では、既に様々な品目の資源化が進んでいたため、そのような相乗効果が限定的だったのではないかとも想定される。これらのことから、有料化によるごみ減量の効果については何%減るかという具体的な数値を予測することは困難であるものの、これまでの他自治体の実績データから、一定程度の減量効果が期待できるものと考えている。

*読むと分かるように、有料化で減ったか、リサイクルで減ったかの分析はありません。
なので、効果が限定的、と答弁していますし、何パーセント減るかと言うデータも無いと言っています。限定的と言いますが、本当に減るかどうか、わからないのです。
それより、パッケージが変わったり、外食したりの変化の方がごみ量に影響しますし、
外食で家庭ごみが減ると、事業系ごみや産業廃棄物などが増えることになります。

ごみが増えるのは、区民・消費者の責任か?
経済や流通やライフスタイルで
売り方、包装、素材が変わり、ごみが変わる、

量り売り、から、個包装まで

かつては、はかり売りだった米も味噌もおかしも、容器包装がかわり、その素材が変わったのは、経済や流通や生活スタイルの変化が大きく影響しているので、全て消費者の責任とするわけにはいかないと思います。
同じ商品を買ったつもりが、大きさや容量が小さくなって、商品に比べ、ごみ量が増えてきていますが、消費者の責任と言うより、物価高もあり造り売る側のマーケティング戦略によるところが大きく、企業側にごみが増える要因があります。

政治が政策で制限したペットボトルの大きさ
液体や飲料の容器と言えば、瓶や缶で、ペットボトルは、30年くらい前までは、ありませんでした。最初は、政治が政策で、小さな容量の物だけに制限していたのが、今では200mlのペットボトルも作られています。単身世帯化に伴い、中食・外食が増えると、家庭で調理し出ていた生ごみが減り、工場の生産の過程で出る食品産業廃棄物や、飲食業の出す廃棄物が増えるのは、大田区が令和5年に行ったごみ組成調査からも明らかです。

ごみを個人の力で減らすには、限界がある

ごみは経済活動の静脈ですから、個人の力で減らすには、限界がありますが、ごみを出すことを悪いことのようにして、罰金を科せばごみは減るかのように、個人の負担させるのが、家庭ごみの有料化です。政治が政策で関与しなければ、根本的な解決にはなりません。


ごみの有料化、
裁量を逸脱すれば、違法

横浜の判決は請求を棄却していますが、徴収する手数料が徴収の趣旨や目的や事務に要する費用や受ける特定の者の利益を総合的に勘案して、裁量を逸脱していれば違法になると言っています。
 そうなると、区長会の議論での家庭ごみ有料化の負担の根拠はどこにあるのでしょう。


示されていないが、
重要な料金負担の基準や根拠

区長会は1リットル1円を想定していますが、議事録には、他自治体が1.5円から2円だから、他自治体並みで良いのではないか、という乱暴な意見も見られます。

3.そこでうかがいます。

区民に有料化を求める金額には、算定の根拠や基準はありますか。料金負担の基準や根拠も無いのに、負担を求めるのはなぜですか。

答弁3

家庭ごみの有料化は単に財政コストを補うことを目的とするものではなく、経済的な動機付けがされることにより、区民のごみや資源分別への関心を高め、ごみの減量につなげることが一義的な目的である。清掃工場整備計画に関する検証委員会の資料には1L1円を想定との記載があるが、これはあくまで施策検討のために設定された一つの仮定としての水準が記載されたものであると認識している。既に有料化を導入している他自治体においても、1円未満から2円程度に至るまで様々な水準が設定されていることからも分かるとおり、料金水準をどの程度に設定するかについては、各自治体の考え方によるところであり、状況は様々である。本区としては様々な課題に対する十分な検討が必要であると考えている。今後あらゆる論点について慎重に議論を深めていく。

 

*かつて有料化を違法とした裁判の判決文には、藤沢市の有料化を違法と認めなかった一方で、
徴収する手数料が徴収の趣旨や目的や事務に要する費用や受ける特定の者の利益を総合的に勘案して、裁量を逸脱していれば違法になると言っています。
施策検討とはいえ、根拠も基準も示せない有料化はあり得ません。違法な可能性もあるということです。



負担が増え、経営が悪化し、事業者数が減る一因に
小規模事業者のごみ有料化
では、家庭ごみ有料化は?

本質が見えるのが、事業系一般廃棄物、小規模事業の事業系ごみです。

1996年まで、
小規模事業者のごみは税金で担っていた

小規模事業者の事業系ごみは、それまでは、税金で担っていたので、料金を徴収していませんでしたが、ちょうど30年前の1996年に、シールごみを貼って出すようになりました。


小規模事業者へのシールごみ導入時も、

有料化はごみを減らすためだった

ここで、注目すべきは、当時も有料化と言っていたことと、その理由に、今回の家庭ごみの有料化と同じく、廃棄物削減と言う言葉を使っていたことです。

廃棄物は減ったが、事業者数が減ったから

廃棄物は減りましたが、事業者数が減ったからで、家庭ごみと一緒に区収ごみが減りました。

導入直後の1999年(平成11年)手数料が10リットル54円の時に、共産党は事業系一般廃棄物の負担を減らす条例改正議案を出していますが、その際に、「年間十数万円の負担は本当に重い、何とかしてほしい」という事業者の声を紹介しています。


有料化直後にアジア金融危機

シールごみ購入は、小規模事業者に大きな負担

1997年以降の山一証券、北海道拓殖銀行、長期信用銀行などの破綻により金融危機に突入したころに、中小規模事業者はごみ処理費用も負担して、スケールメリットでコストダウンできる大規模事業者と肩を並べて競争しなければならなくなったのです。

小規模事業者数減の要因の一つに
シールごみ料金の負担も

区議会でも事業所数の激減は幾度となく取り上げられてきましたが、産業空洞化や不景気に加え事業系廃棄物の有料化が、世界に誇る町工場や、卸売業や飲食店数が多く、大田区の活気を作っていた小規模事業者の足を引っ張る一因となった構図です。
大田区は全事業所の過半数を占める4人以下の事業所の約半数がシールを買ってごみを出しているとしています。事業者支援をするなら、廃棄物含めた営業環境を整えるべきなのです。        

始め54円/リットル、今では87円/リットル〔61%増〕

有料化当初、10リットル54円だった事業系一般廃棄物が、今では、87円です。近年、手数料は、4年ごとに見直され、処理処分費とのかい離を埋めるためにと言う理由で、10%以上ずつ上がっていて、導入時に比べ、61%も上がりました。来年度が改定の年ですから、また上がるかも知れません。

小規模事業者も個人も、
ごみ料金負担分収入を増やせない、増やしにくい
購買力を低下させる家庭ごみ有料化

ごみが減るエビデンスも無く、負担の根拠も示されないのに有料化の負担を押し付けられるのは、経済活動における消費者や規模の小さな事業者ですが、大企業のように、価格に転嫁することができないのです。家庭ごみを有料化したらどうなるでしょう。

ごみは、経済活動における静脈と言われ、事業者は、造って、売って、利益を上げますが、家庭ごみの有料化は、その経費負担を税金で担っているはずの消費者に上乗せで押し付ける構図です。しかも、区の処理経費は、大田区一般廃棄物処理基本計画に、可燃ごみがキロ51.3円に対し、リサイクルの方が62.6円と高くなっています。

ごみを減らしても、リサイクルからも料金を取られる

既に有料化を実施している一部自治体の様に、仮に有料化で、リサイクルからも同じ料金を徴収すると、ごみを減らすために区民が頑張ってリサイクルするほど、税金で負担する清掃事業経費は高くなります。ごみの処理が静脈産業と言われる所以です。

(プラ新法の)プラスチックリサイクルで
製品プラや輸入品プラのリサイクル料を消費者が負担
本当に負担すべきは、
製造者、輸入業者、販売者等、排出者製造者

今、大田区は「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」(プラ新法)を根拠に製品プラスチックもリサイクルしていますが、容器包装リサイクル法で容リプラの製造者は負担しているリサイクル費用を製品プラスチックの製造者は負担していませんし、輸入製品のリサイクル費用を製造者や輸入、販売業者などが負担する仕組みもありません。

大田区は、拡大生産者責任の考え方を踏まえて、商品のリサイクルや処理処分の責任を果たすべきと言う立場できました。
ところが、物価が上がり、物価に対し十分に賃金や所得が増えない中、産業構造やリサイクル政策の変化に伴い増えるリサイクル費用は、本来、製造し、輸入し、売って利益を上げる、事業者が負担すべきですが、消費者である区民に肩代わりさせるのが、区長会が示した家庭ごみの有料化なのです。

   そこでうかがいます。

これを区長や区長会は、適当と考え、家庭ごみ有料化と言っているのですか。そのまえに、製造者、輸入業者などの廃棄物処理費用の責任の明確化が必要ではありませんか。

答弁4

生産者責任の考え方については、循環型社会形成推進基本法において、生産者が自ら生産する製品などについて、使用された廃棄物となった後まで一定の責任を担う拡大生産者責任の一般原則が示されている。個別法においても、容器包装リサイクル法では容器包装廃棄物に係る再商品化を行うに当たり、事業者が費用を負担する仕組みが設けられている。この仕組みに基づいて、本区においても容器包装プラスチックの再商品化を行うための費用については、生産者に費用の一部を負担してもらっている。区としては大田区一般廃棄物処理基本計画で基本理念として掲げる「区民、事業者、区が連携してめざす持続可能な循環型社会の実現」に向け、それぞれの主体に求められる役割について、引き続き適宜発信していく。

*答弁から、輸入に依存し、リサイクルは、製品プラスチックまで含まれている、という社会経済構造の変化に、行政が対応していないことが良くわかります。

本来負担すべき、ごみを出す原因者では無く、手っ取り早く、大きな声をあげにくい弱い物から、取ろうと言う魂胆が透けて見えます。

ごみは減っても減らない清掃工場の規模

一組が処理するごみ量は、この間減り続けてきました。ごみは減りますが、清掃工場の規模は減らないので、一組の分担金は上がるばかりです。

不燃ごみだったプラスチックを可燃ごみにして焼却を始めた当時2007114日(日)の日本経済新聞に、「廃プラスチックなぜ燃やす」〜燃えるごみの「不足穴埋め」〜という見出しがついた記事が掲載されました。記事の中には、焼却炉メーカー関係者が匿名で話した次のようなコメントが掲載されています。

ごみの量は自治体の想像以上に減少「せっかく焼却炉を作ったのに”ごみ不足”で連続稼動が困難なケースもあるようです。それなら廃プラも燃やした方がいいと考えたのかも知れません」
ここまでが記事の紹介です。

ごみは減るのに、今後15年で清掃工場規模を1.5倍に!

しかもごみは減るのに、清掃工場の規模は、減らないどころか、増やそうとしています。

清掃工場の建設コストが上がったことを理由に、大田新工場の廃炉を決めておいて、一般廃棄物処理基本計画案で、今後15年間の間に建て替える、多摩川、葛飾、品川、足立、板橋工場の合計処理能力日量2700トンを1.5倍の4200トンにしようとしています。

多摩川清掃工場の焼却能力は2倍!

結果、大田区では、臨海部にある1990年竣工の大田清掃工場は廃止になるのに、良好な住宅地にある多摩川清掃工場の日量処理能力は、
今の300トンから600トンと2倍激増します。

リサイクルしてごみを減らしても、
清掃工場建設費・維持管理費は減らずに増える

月刊廃棄物5月号に大田区が掲載したように、今後、大田区はさらに質の良いプラスチックのリサイクルを推進しようとしていますし、他区も同様に清掃工場に持ち込むごみ量削減を目指しています。それなのに、清掃工場の規模を大きくする計画は、区民の努力を無駄にするものです。

多め多めに一組が計算する焼却能力

一組の一般廃棄物処理基本計画を詳細に点検すると、停止や老朽化を二重で計算して焼却能力を実際より低く算定したり、ピットを最大限に活用せず、年末の一番ごみが増えるピーク時のごみ量から機械的に焼却余力を割り出すなどしていて、過剰な焼却能力になっています。
そうやって、多め多めに算定された必要焼却能力に基づき清掃工場が建設されるので、ごみが減り搬入するごみが少なくて、日経新聞の記事のような連続稼動が困難な事態が起きて、停止する日数が増え、稼働率が低いかも知れません。

他自治体のごみも余裕で処理できる23区の清掃工場規模
・東京都は23区を未だ内部団体扱い
・23区の清掃工場の焼却余力は過剰

東日本大震災の災害廃棄物の広域処理で、当時の都知事が真っ先に手を上げ、災害廃棄物を23区の清掃工場で受け入れると言いました。

その時、わかったのは、東京都は、まだ23区を都の内部団体だと思っているということと、一組の清掃工場の処理能力は、東日本大震災の災害がれきを受け入れるに十分な焼却余力があるということでした。

過剰な余力が区民に大きな負担をもたらす

今も、一組は、災害などの際の周辺自治体のごみを受け入れています。
協力も余力も大切ですが、余力が大きすぎるのは問題だと思います。

そこでうかがいます。

5.ごみ量が減るのに、清掃工場の規模は減るどころか増えていて、多摩川工場の規模は、2倍です。良好な住宅地に、二倍の規模の清掃工場をつくり、臨海部のかつての大田工場を廃止するのですから、どう考えてもおかしな話です。背景には、清掃工場の処理能力の算定方法の問題があります。大田区は、問題ある清掃工場の処理能力の算定方法などに基づく、一組の施設整備や一般廃棄物処理基本計画に関与できる十分な知見をもって、清掃事業に関与していますか?23区で作ったはずの一組ですが、各区の自治事務でありながら、区民のための清掃事業では無く、東京都やプラントメーカー主導の清掃行政になっていませんか。

答弁5

地方自治法で定める一部事務組合は、地方公共団体がその事務の一部を共同して処理するために設立される特別地方公共団体であり、清掃一組についても、その制度趣旨のもと、23区が共同して設立し、ごみの中間処理事業を実施している。清掃一組の運営は、各区長が管理者として執行機関の役割を担うとともに、各区の議長で構成される組合議会が予算や重要な計画などについて議会議決を行い、あわせて事業執行を監視する仕組みとなっている。このように意思決定及び監視の両面において制度上必要なガバナンスが確保されている。この仕組みの中で本区としては、清掃事業に責任を有する自治体として、あらゆる場面において必要な関与を行っている。清掃事業は、各区がごみの収集・運搬を担い、清掃一組が中間処理を担うという役割分担のもと、それぞれの責任を果たしながら相互に連携して、区民生活を支えている。今後も区民に安定したサービスを継続して提供できるよう、区と清掃一組がそれぞれの役割を果たし、適切な事業運営に努めていく。

*仕組みの説明にしかなっておらず、ごみが減るのに、清掃工場規模は減らず、しかも、多摩川工場が2倍になる答えになっていませんね。

石油に依存したエネルギー政策
石油化学工業製品に依存した社会

国際情勢で原油価格が上昇し、物価が高騰し、ナフサの不足が深刻と言われます。
【石油に依存したエネルギー政策】や、原油精製過程で造られる
【石油化学工業製品に依存した社会】を見直す機会ととらえれば、環境問題も物価の高騰も少しは抑制できるかもしれませんが、そうした声が政治から聞こえてこないのは、有料化が本気でごみを減らそうとしているわけではないからではないでしょうか。
 この間、ごみ量は一貫して減ってきましたが、清掃費は可燃ごみもリサイクルも、清掃工場の管理運営費も増え続けています。
 それらの本当の原因を解決することなく、
消費者に責任を押し付けてきたから増えてきたのは、今日の質問からも明らかです。

根拠が無ければ、有料化は違法
なのに区長会の1リットル1円は根拠が無い

しかも、財政的にみれば、裁判の判決文に、清掃事業経費の一部を適正に負担していただく根拠が無ければ有料化は違法だと書かれていますから、ごみを減らすためと言っても、家庭ごみの有料化が、清掃事業費の一部を区民に負担させる税金の二重取りだというのは明らかです。

清掃事業経費115億円/年
財政余力400億円/年の大田区から見た
家庭ごみ有料化

蒲蒲線などの財源確保が目的?

それでは、その金額、区は負担できないのでしょうか。大田区の年間の一般廃棄物の処理費用は一組の分担金やリサイクル関係費含め令和6年度決算で約115億円です。一人当たりごみ量からと資源の総量が一日569gですから、1リットル1キロで計算しても人口74万人、1年で、1億5千万円です。実際には、そのうちの何割かは、事業系一般廃棄物で経費も掛かるので、有料化で増える区の歳入は、そこからさらに少なくなります。万が一事業系一般廃棄物並みの8.7円になっても13.3億円です。

財政余力400億円/年あっても
基金1000億ためても
足りないほど使う
蒲蒲線、蒲蒲線のまちづくり、羽田空港跡地開発等

一方、大田区は経常収支比率が約80%で財政余力は約400億円ある計算で、1億5千万円だとしても、13.3億円でも、大田区が負担できない額ではなく、十分に負担できる財政力を持っています。それを蒲蒲線や蒲蒲線のまちづくりなどに使うから家庭ごみからも手数料を取ることになるのです。

そこでうかがいます。

6.家庭ごみを有料化して、区民に負担を求め、財政余力400億円は、蒲蒲線や蒲蒲線のまちづくりや、羽田空港跡地開発や学校複合化などに使うのですか?家庭ごみ処理費用より、優先する事業は何ですか。

答弁6

経常収支比率は人件費、扶助費、公債費などのように、容易に縮減できない経常的経費に地方税などの経常的な一般財源などがどの程度充当されているかによって、財政構造の弾力性を測る総合的な指標である。仮に経常収支比率が100%を超えることがあれば、安定的な収入が見込まれる経常一般財源などで義務的な経常経費すら賄えなくなっていることを意味し、不健全な財政状況と言えるが、単に形式的な数値のみで判断するのではなく、臨時的経費に充当している一般財源の特殊事情なども考慮した上で、本区の財政状況を正しく評価する必要がある。6年度決算においては、これらの臨時的経費は約626億円となっており、区民に身近な基礎自治体として、緊急的に実施する事業などにも一般財源に振り向けた結果であり、財政余力と一括りで捉えるのは適切ではないと考えている。その上で、質問にあった「家庭ごみの処理費用よりも優先する事業があるのか」という点については、これらは優先順位を競うものではなく、それぞれが異なる目的を持つ未来への投資であると認識をしている。新空港線整備や空港跡地のまちづくり、学校の複合化などの話があったが、大田区の将来の産業競争力を高め、定住人口を維持・拡大していくためには魅力的なまちづくりを進めるための投資も必要だと考えている。今後とも、財政の透明性を高め、区民の理解と協力をもらいながら、一つ一つの事業の必要性と優先順位をしっかり精査し、大田区の持続的な発展に取り組んでいく。

*大田区が出している財政資料で、経常収支比率が80%で余力があると言っているのです。
計算すれば、余力の20%は約400億円になります。
それなのに、毎年毎年、400億以上、他取れば例示では、臨時的経費が626億円にもなるというのです。

ごみは、家庭から見れば、経常的に発生するものです。
経常的に発生し、経常的に行政が負担する事業のコストより、臨時的な経費を優先する、と大田区は答弁し、ではないのでしょうか。

新空港線整備や空港跡地のまちづくり、学校の複合化などの話があったが、大田区の将来の産業競争力を高め、定住人口を維持・拡大していくためには魅力的なまちづくりを進めるための投資も必要

と答弁しています。
区長の裁量で始めた事業が、区民の日常生活の、本来は、企業が負担すべき経費まで負担させられることになるのが、家庭ごみの有料化、ということです。

残土の受け入れを都から拒否されるようになっている

埋立処分場は、東京都が受け入れを了承しながら、持ち込む段階で東京都から受け入れを拒否される事例が目立つようになりました。そのたび、区は、高い処理量を払って、別の受け入れ先に残土を持ち込んでいます。

本気で埋め立て処分場の延命をするなら
トンネル掘って残土を出す蒲蒲線を見直すべき

本気でごみを減らし、埋め立て処分場の延命を考えるなら、
地下階を作り大量に残土を出す学校複合化や、
トンネルを掘って大量に残土を出す蒲蒲線を、
まず見直すべきです。

大田区の400億円もの財政余力はじめ、23区の豊かな財源を、誰のため、何のために区長会は、使おうとしているのでしょう。
それとも、もう使いみちは債務負担行為と策定済みの計画と建設済みのインフラの更新で決まってしまっているのでしょうか。

地方分権で国から来た裁量権は
ごみを有料化するためだったのか

地方分権で地方に来た裁量権という権限を大田区と区長会は家庭ごみから料金を徴収する有料化に使えば、税金をご負担いただく根幹が揺らぎます。地方自治を壊さないでほしいと心から願い、質問を終わります。

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著者

奈須 りえ

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