2026/9/11
こんにちは!闘う行政書士の照井りょう(てるい りょう)です。
「松戸って子育てしやすい街なんでしょう?」

市外の方からそう言われることが増えました。実際、日経BPと日本経済新聞社が毎年発表している「共働き子育てしやすい街ランキング」で、松戸市は2023年版で全国1位、2024年版で3位、2025年版で2位と、3年連続でトップ3に入っています。
これは間違いなく誇るべき実績です。ただ、駅頭で子育て世代の方とお話ししていると、ランキングの評価と、日々の実感の間にはズレがあることも分かってきました。
この記事でわかること
この記事では、松戸市の子育て支援を項目ごとに整理し、近隣の柏市・流山市・市川市・船橋市と比べて本当に強いのはどこで、まだ足りないのはどこかを、できるだけ数字で率直に書きます。
松戸市は平成28年度から国基準の待機児童ゼロを継続しており、令和7年3月の市発表では「10年連続」の達成が報告されています。
ただ、ここで正直にお伝えしておきたいことがあります。
待機児童ゼロは、
松戸市だけの強みではありません。
千葉県が公表した令和7年4月1日時点の待機児童数を見てみましょう。
| 市 | 国基準の待機児童数(令和7年4月1日) |
|---|---|
| 松戸市 | 0人 |
| 柏市 | 0人 |
| 流山市 | 0人 |
| 市川市 | 0人 |
| 船橋市 | 34人 |
| 千葉県全体 | 91人 |
東葛北西部の主要市は、おおむねゼロです。差がつくとすれば「ゼロを何年続けたか」という継続性と、「希望した園に入れたか」という中身のほうです。
国基準の待機児童数には、除外されるケースがあります。松戸市の資料にも「他に利用可能な保育所等の情報提供を行った場合でも、特定の保育所等を希望すること(希望園限定)」は除外する旨が明記されています。
市は令和6年の発表で「入所保留者についても、近隣の園を案内しても入所を希望されない単願希望など保護者事由を除きゼロ」と説明しています。ですが、その「除かれた人数」そのものは公表されていません。
片道25分の園を案内されて断った方は、統計上は待機児童ではありません。しかしその方にとっては、育休から復帰できないという現実がそこにあります。
照井の提案
待機児童ゼロという看板を下ろせと言っているのではありません。「保留となった人数」「第1希望に入れた割合」も併せて公表すべきだと申し上げたいのです。数字を隠す必要はどこにもありませんし、公表してこそ次の一手が打てます。
松戸市の保育所入所は、基準点+調整点の合計点で選考されます。基準点の主なものは次の通りです(令和6年度の基準表)。
| 区分 | 点数 |
|---|---|
| 就労 | |
| 月20日以上・週実働35時間以上かつ週5日以上 | 150 点 |
| 週実働30時間以上かつ週5日以上/月16日以上・週24時間以上かつ週4日以上 | 120 点 |
| 週実働16時間以上かつ週4日以上/月実働64時間以上 | 60 点 |
| 妊娠・出産 | |
| 切迫流産・切迫早産等で緊急性あり | 100 点 |
| 出産間近/産後間もない | 70 点 |
| 疾病・障害 | |
| 入院中または1か月以内に入院決定 | 100 点 |
| 通院加療で保育困難 | 50 点 |
| 親族介護 | |
| 重度障害の介護 | 110 点 |
| 求職 | |
| 月20日以上・週35時間以上の内定あり | 80 点 |
| その他求職中 | 40 点 |
フルタイム共働きなら父母それぞれ150点。ここに調整点が加減されます。
妊産婦のきょうだい児優先入所の選考点が(令和6年4月受付分から)
60点 → 最高150点
市は「県内トップレベル」と説明。上のお子さんと同じ園に入れず、朝夕に2か所を回るという負担を減らす措置で、これは実務的に大きな改善です。
注意:内定辞退で、以降1年間マイナス40点
「とりあえず申し込んで、気に入らなければ断る」という戦略は、松戸市では通用しません。
■ 第3子以降の保育料無償化を、独自に拡大
国の基準では「きょうだいが小学校就学前」までしかカウントされませんが、松戸市は「小学3年生以下」まで広げています。家計へのインパクトが大きい制度です。
■ 送迎保育ステーション 12か所(令和6年度末)
駅前で預けて、バスで園まで送ってもらえる仕組みです。
■ 小規模保育施設から連携幼稚園への推薦制度
0〜2歳の小規模保育を卒園した後の行き先がない、いわゆる「3歳の壁」への対策です。
■ 保育士への「松戸手当」
市内の保育園に勤める正規職員の保育士に、給与とは別に月額45,000円(1〜11年目)などを支給。保育士が集まらなければ、どれだけ園を建てても定員は埋まりません。人への投資という点で、この施策は評価されるべきだと考えています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置数 | 45か所(全ての市立小学校に開設) |
| 対象学年 | 小学1年生〜6年生 |
| 利用料 | 月額9,000円(おやつ代込み) 就学援助認定世帯は4,000円/生活保護世帯は0円 |
| 開所時間 | 平日:下校時〜19:00 土曜:8:00〜18:00 長期休業:8:00〜19:00 |
| 休所日 | 日曜・祝日・年末年始(12/29〜1/3) |
全市立小学校に開設され、6年生まで受け入れ、長期休暇中の昼食提供を全45か所で実施している点は、他市と比べても手厚い部類です。夏休みに毎日お弁当を作る負担がどれほどのものか、経験された方なら分かるはずです。
一方で、市の利用案内には「利用要件を満たしていてもクラブの利用状況により利用をお待ちいただく場合がある」と書かれています。
つまり、待機は存在します。
しかしその実数は公表されていません。
保育園の待機児童ゼロは毎年プレスリリースが出るのに、学童の待機は数字が出てこない。「小1の壁」は保育園を出た後にやってくるのに、です。
照井の提案
まずは実数の公表から。これは予算をほとんど使わずにできることです。
松戸市の子ども医療費助成は、近隣と比べて自己負担が安く設定されています。
| 市 | 自己負担(通院1回/入院1日)と対象年齢 |
|---|---|
| 松戸市 | 200円 0歳〜高校3年生相当 |
| 柏市 | 300円 0歳〜高校3年生相当 |
| 船橋市 | 300円 (対象年齢は拡大の動きあり・要確認) |
加えて松戸市は──
1回100円の差は小さく見えますが、小さなお子さんが月に何度も小児科へ通う時期には、確実に効いてきます。これは松戸市が誇っていい制度です。
松戸市の学校給食費には、2つの層があります。
① 恒常的な制度として
第2子は半額、第3子以降は全額無償。
② これに加えて
令和7年度は4月から全員無償化が実施され、その後年度末まで延長されました(日本経済新聞 2025年8月20日)。
ここで比較したいのが市川市です。千葉県教育庁が令和7年9月1日時点でまとめた一覧では、次のようになっています。
| 市 | 給食費無償化の対象 |
|---|---|
| 松戸市 | 全ての児童生徒 ※令和7年度の期間措置として記載。その後年度末まで延長 |
| 市川市 | 全ての児童生徒(期間限定の表記なし) |
| 柏市 | 第3子以降 |
| 流山市 | 第3子以降 |
| 船橋市 | 第3子以降 |
結果としての金額は松戸も市川も同じ「無償」です。しかし市川市は制度として、松戸市は年度ごとの措置として実施している。この違いは、来年度の家計を計画する保護者にとって決して小さくありません。
「今年も無償らしい」と毎年ニュースを待つのか、「無償が当たり前」として暮らせるのか。
照井の提案
恒久制度化を目指すべきだと考えています。財源論は当然必要ですが、少なくとも「複数年度の方針」を示すだけでも、保護者の安心はまるで違うはずです。
参考までに、松戸市の給食費の1食単価は、小学校低学年265.38円/中学年285.38円/高学年305.38円/中学生375.38円です。食材価格高騰分は令和4年7月から市が負担しています。
■ 出産応援交付金 5万円+子育て応援交付金 5万円
※2025年度からの国の制度改正により「妊婦のための支援給付」へ移行しています。現行の給付額は市にご確認ください。
■ 産後ケア事業(令和8年度)
宿泊型・日帰り型は産後4か月未満、訪問型は産後1年未満。3類型合計で7日以内。
課税世帯の利用料は宿泊型(多床室)が5日目まで1日1,250円、訪問型が5日目まで1日700円など。
非課税世帯・生活保護世帯は全て無料。多胎児加算あり。
■ そのほか
妊婦タクシー利用助成、産婦健康診査、1か月児健康診査費用助成、幼児同乗用自転車の購入助成(1/2・上限5万円)など。
産後ケアの申込は、出産予定日の2か月前から中央保健福祉センター(047-366-7489)へ電話し、面接でケアプランを作成する流れです。
産んでから調べる余裕は、まずありません。妊娠中に一度、目を通しておかれることを強くおすすめします。
制度は充実している。ランキングも高い。では実際に、子育て世帯は松戸市を選んでいるのでしょうか。
2025年の転入超過数(総務省・住民基本台帳人口移動報告)を見てみます。
船橋市4,029 人
市川市3,013 人
流山市2,297 人
松戸市1,770 人
柏市1,692 人
転入超過そのものは続いており、これは良い知らせです。しかし近隣5市の中では4番目。全国1位・2位のランキングを取っている市の数字としては、物足りないと言わざるを得ません。
私はここに、松戸市の一番の課題があると考えています。
制度が良いのに、伝わっていない。
実際、市の公式サイトを調べていて驚いたのですが、保育士施策のページは2020年、認可外保育施設の助成ページは2018年で更新が止まっています。学童の令和8年度の案内や、令和8年度の給食費支援の内容も、外から見て分かりやすい形にはなっていません。
引っ越し先を検討している家庭は、まず検索します。そこで出てくるのが数年前の情報だったら、どう思うでしょうか。どれだけ良い制度を作っても、届かなければ存在しないのと同じです。
流山市が「母になるなら、流山市。」というたった一言で全国的な知名度を獲得したことを、私たちは直視すべきだと思います。
胸を張れる部分
これから取り組むべきだと私が考える部分
私が政策の「一丁目一番地」に掲げているのは、医療的ケア児やそのご家族など、制度の狭間で支援が届かない方への支援です。松戸市が医療的ケア児の優先入所調整に取り組んでいることは高く評価していますが、まだ足りないと感じる場面が実務の現場では多々あります。
あなたの体験を聞かせてください
「制度は知っていたけど使えなかった」
「窓口の説明が分かりにくかった」
「第1希望の園に入れず、復職を諦めた」
こうしたご経験があれば、ぜひお聞かせください。皆さまの実体験こそが、制度を変える一番の材料です。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※本記事は2026年8月時点で公開されている情報をもとに作成しています。松戸市公式サイトには更新日が古いページが含まれており、令和8年度の給食費支援、学童の利用料など一部は最新値を確認できませんでした。実際の申請にあたっては必ず市の担当課へご確認ください。誤りにお気づきの際はお問い合わせフォームからご指摘いただけますと幸いです。
▼令和8年8月千葉豪雨で被災された方への支援情報 更新日(2026年9月10日)
https://www.city.matsudo.chiba.jp/kurashi/anzen_anshin/saigai/hisai.html
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