2026/7/1
こんにちは!闘う行政書士の照井遼(てるいりょう)です。
2026年7月1日、図らずも日本と中国で「国家と表現の自由」に関わる重要な法制の動きが重なりました。
日本では「国旗損壊罪」の成立が確実視される状況となり、一方の中国では同日、習近平政権の民族政策を法制化した「民族団結進歩促進法」が施行されました。
日本国内の一部野党や市民団体は、国旗損壊罪に対して「表現の自由や思想の自由を侵害する」と激しい批判を展開しています。
しかし、普遍的な人権や自由を真に重んじるのであれば、彼らは中国の新法に対しても、明確な非難声明を出すべきではないでしょうか。
両者を比較したとき、実社会に及ぼす危険性は全く「比較にならない」レベルだからです。

1. 一般市民の生活において「国旗損壊罪」は無関係です
国旗損壊罪に対する懸念の多くは「表現活動への萎縮」です。しかし冷静に考えてみてください。
普通に生活している一般市民が、日常生活の中で自ら進んで国旗を燃やしたり、汚したりする機会があるでしょうか。
同法案は、あくまで「公然と国旗を損壊・汚損する」という物理的で極端な行為を処罰の対象とするものです。
絵画やアニメなどの創作物は対象外とされており、ごく普通の生活を送る大多数の国民にとって、この法律は実質的に「無関係」と言っても過言ではありません。
2. 比較にならない中国新法の「圧倒的な法適用範囲」と「萎縮効果」
一方、中国の「民族団結進歩促進法」がもたらす言論統制の網の目と萎縮効果は、日本の国旗損壊罪とは比較にならないほど広範かつ深刻です。
最大の違いは「域外適用」と「処罰基準の曖昧さ」にあります。
中国国外にいる外国人(日本にいる私たち日本人を含む)であっても、インターネット上で「民族団結を破壊した」とみなされれば、処罰の対象となり得ます。
さらに、何が「違反」にあたるのかの明確な基準はなく、すべては中国当局の恣意的な解釈に委ねられています。
つまり、物理的に旗を燃やすような行為をしなくても、日本から自身のSNSで中国の政策を批判する投稿をしただけで、将来中国(香港・マカオ含む)へ渡航した際に身柄を拘束されるリスクが生じるのです。
この恐怖がもたらす言論空間への「萎縮効果」は、到底、日本の国旗損壊罪の比ではありません。
3. 現実に起きている中国の深刻な人権問題
そもそも、この法律が隠れ蓑にしているのは、中国政府による少数民族への苛烈な同化政策と人権弾圧です。
具体的には、以下のような深刻な人権問題が国際社会から多数報告されています。
新疆ウイグル自治区における弾圧:100万人規模とも言われる恣意的な強制収容(再教育キャンプ)、強制労働、女性に対する強制的な不妊手術、親子の強制分離、モスクの破壊。
チベット自治区における宗教・文化統制:ダライ・ラマへの信仰の弾圧、約100万人の子どもたちを親元から引き離して標準中国語を強制する全寮制学校への入校強要、遊牧民の強制移住。
内モンゴル自治区での言語剥奪:学校教育におけるモンゴル語授業の強制的な廃止(標準中国語への切り替え)と、それに抗議する生徒や保護者への大規模な拘束・弾圧。
徹底したデジタル監視:少数民族地域におけるDNAや虹彩データなどの生体情報の強制収集と、AI・顔認証カメラを用いた全方位的な行動追跡。
中国の新法は、これらの弾圧を「民族団結の促進」という名目で正当化し、これらへの批判的な言論を国内外問わず「犯罪」として封じ込めようとするものです。
4. リベラル陣営に求められる「基準の一貫性」
「国旗を燃やす権利も表現の自由である」と主張し、日本の権力拡大には敏感に反応する政党や市民団体の方々は、この巨大な人権侵害と、それらを隠蔽する中国の法制化に対して、なぜ同じかそれ以上の熱量で抗議しないのでしょうか。
日本国内の法律には「萎縮効果を生む」と声を荒げる一方で、はるかに広範囲で曖昧、かつ実際に日本人の言論をも脅かす中国の法律には沈黙する。
これでは「他国の全体主義的な人権弾圧には目を瞑るダブルスタンダードだ」と批判されても仕方ありません。
「人権」や「表現の自由」は国境を越える普遍的な価値です。
国旗損壊罪への反対論理を掲げるのであれば、その同じ口で、中国の民族団結進歩促進法に対しても毅然と声を上げること。
それこそが、彼らの主張に真の説得力を持たせる唯一の態度だと考えています。
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テルイ リョウ/35歳/男
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