2026/7/10
物価高騰が市民生活を直撃するなか、成田市が実施する「物価高騰対応家計応援デジタルポイント給付事業」の支援額が、周辺自治体と比べて低い水準にとどまっている。
成田市は全市民を対象に、1人当たり4,000円相当のデジタルポイントの給付を実施している。対象は2026年1月22日時点で成田市の住民基本台帳に記録されている人で、5月8日から案内通知を発送した。
給付は現金ではなく、電子マネーやデジタルギフトに交換できるポイントとして行われている。スマートフォンを持つ市民は、郵送された案内通知に記載された二次元コードを読み取り、専用サイトで手続きを行う。スマートフォンでの受け取りが難しい人には、申し出によりVisaの対象店舗で使えるプリペイド式ギフトカードを郵送する仕組みだ。
しかし、周辺自治体を見ると、成田市の支援額の低さは際立つ。富里市は「とみちゃんお買い物クーポン」として1人当たり8,000円分を配布している。栄町は全町民に1人当たり1万円を現金給付する。多古町も町民1人当たり1万円の「食費応援特別給付金」を実施し、香取市も全市民に1人当たり1万円の現金給付を行った。神崎町は1人当たり1万円分の応援券を郵送配布している。
成田市は財政力の乏しい自治体ではない。千葉県は財政力指数について、地方公共団体の財政力を示す指標であり、数値が高いほど普通交付税算定上の留保財源が大きく、財源に余裕があると説明している。県の令和6年度財政状況資料集によれば、成田市の財政力指数は1.29で、財源超過団体とされている。
空港関連税収などを背景に、財政力の高い自治体であるにもかかわらず、成田市の家計支援は1人4,000円相当にとどまる。これは、富里市の8,000円の半分であり、栄町、多古町、香取市、神崎町の1万円と比べれば4割にすぎない。物価高騰の影響は自治体の境界で区切られるものではない。食料品、電気・ガス料金、日用品の値上がりは、成田市民の暮らしにも同じように重くのしかかっている。
周辺自治体が8,000円から1万円規模の支援を打ち出すなか、成田市が4,000円相当に抑えた理由について、市民に対する十分な説明が求められる。
今回の問題は、単なる給付額の比較にとどまらない。財政力のある自治体が、物価高騰に直面する市民生活をどこまで支えるのかという、自治体運営の姿勢そのものが問われている。成田市は大型事業や都市基盤整備を進める一方で、日々の買い物に苦しむ市民への直接支援を抑制していないか。財政力に見合った家計支援だったのか、議会と市民による検証が必要だ。
物価高騰対策は、国の交付金を使えば足りるというものではない。自治体の財政力と政策判断によって、支援の厚みには大きな差が生まれる。財政力の高い成田市だからこそ、周辺自治体より低い支援額にとどめた判断の妥当性が厳しく問われている。
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シミズ ヒロキ/30歳/男
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