2026/2/6
グリーンピアとは何だったのか
「グリーンピア」は、正式には大規模年金保養基地。勤労者や青少年の健康増進、余暇の充実を目的に、国が整備した“公的リゾート施設”でした。
全国13か所に設置されましたが、やがて年金資金による赤字補填問題が社会問題化。2005年(平成17年)までに、すべての施設が売却されることになります。
グリーンピア田老(現・三陸みやこ)の役割
旧田老町(現・宮古市)は、この施設を約3億円で取得。目的は「観光振興」「雇用確保」、そして防災拠点としての活用でした。
2011年の東日本大震災では、
・ホテルは避難所
・敷地内に約400棟の仮設住宅
・駐車場に仮設商店街
が整備され、地域の命綱として大きな役割を果たしました。
この点において、「防災拠点」という当初の理念は確かに機能していました。
なぜ経営はうまくいかなかったのか
最大の課題は、運営ノウハウの不足です。
全国のグリーンピアで赤字が相次いだ背景には、
「公務員が宿泊施設をマネジメントすることの難しさ」があります。
私は外資系ラグジュアリーホテルで営業部長を務め、市役所職員としても働いてきました。両方を知る立場から言えば、ホテル経営は明確に“民間的スキル”が求められる分野です。
現在のグリーンピア三陸みやこの課題
宮古市は、グリーンピア三陸みやこを防災拠点として存続させています。
一方で、
施設の老朽化
改修費は約48億円
年間維持費は約1億円規模
3期連続赤字見込み(令和7年末報道)
と、厳しい現実があります。館内にはバブル期の名残も多く、観光施設としての競争力は高いとは言えません。
観光面で見過ごされているチャンス
グリーンピア三陸みやこは、みちのく潮風トレイルのルート上にあります。
しかし、ハイカーからの認知度は低く、連携も十分とは言えません。
また、外国人観光客向けに客室の洋室化を約8,500万円かけて行ったものの、ホームページの不自然な英語表記や不十分な海外誘客活動などが障壁となり、海外からの需要を十分に取り込めておらず、せっかく8,500万円かけて改修したのに、あまり外国人が泊まっていないという現状です。
※グリーンピアの客室改修(洋式化)工事費用8,500万円と掲載されている資料
私が宮古市職員であった頃、課題を解決していくため、様々な改善策を具体的に提言したこともありましたが、上層部にその声は届きませんでした。
外部人材投入という転機
そうした中、市が外部人材を投入し、抜本的な経営改善に乗り出すという報道が、令和7年末にありました。
このニュースを見て、正直に言えば、私は少し安心しました。
これまでとは違う、「本当の意味での変化」が期待できるからです。
48億かけて改修すべきか?
グリーンピア三陸みやこの全面改修には約48億円かかる見込みです。
防災拠点としての意義は大きい。
でも果たして、48億円という天文学的な大金をかけて改修すべきでしょうか?
私の考えは、格安なトレーラーハウスの導入により、防災+観光、両面から強化していく方が良いというものです。

ちなみに災害時におけるトレーラーハウスの有効性は内閣府も認識し、運用を開始しています。 https://www.bousai.go.jp/pdf/250530_unyou_kaishi.pdf
48億かけて直すより、こちらの方が魅力的で経済的ではないでしょうか。

トレーラーハウスの例。みちのく潮風トレイルとの親和性も高そうです

こういったグランピング向けのポッドも魅力的です。
まとめ ~市民の誇りとなる施設へ~
工事費も、指定管理料も、職員の給与の一部も、
すべては私たち市民の税金です。
防災は、市民の命を守るために欠かせません。
そして同時に、公共施設である以上、市民が納得し、誇れる存在であることも重要です。
一市民として、グリーンピア三陸みやこが「市民が誇れる施設」へと生まれ変わることを、心から期待しています。
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ウエダ シュウイチ/45歳/男
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