2026/7/26
近年、一人暮らしの高齢者が増え、「頼れる家族がいない」「もし入院や介護が必要になったらどうしよう」「亡くなった後の手続きが心配」といった不安を抱える方が増えています。
こうした課題に対応するため、先月(2026年6月19日)、社会福祉法などの改正法が成立し、身寄りのない高齢者への支援が大きく強化されることになりました。施行は公布から2年以内とされ、厚生労働省は2028年6月ごろの制度開始を目指しています。
今回の改正では、各地の社会福祉協議会(社協)が中心となり、
- 定期的な見守り・金銭管理の支援
- 病院や介護施設への入院・入所時の手続き支援(身元保証が必要な場面での手続き代行や費用支払いの代行)
- 葬儀や納骨、家財整理などの死後事務
まで、一人ひとりを包括的に支える新たな仕組みが整備されます。都道府県の社協に取り組みが義務付けられ、実際の業務は委託を受けた市区町村の社協が担うことが想定されています。
なお、社協が「身元保証人」に直接なるわけではなく、身元保証が求められる入院・入所の場面での手続きや費用支払いを代行する、という位置づけです。この点は今後の制度運用の中で、具体的な役割や範囲がさらに詰められていく見込みです。
経済的に余裕のない方でも利用しやすいよう、無料または低額で利用できる制度づくりも進められる予定です。
日本では高齢化が進み、一人暮らしの高齢者は今後さらに増加すると見込まれています。中でも、三親等以内に頼れる親族がいない高齢者は、日本総合研究所の試算によると、2024年の約286万人から2050年には約448万人まで増える見通しです。家族だけでは支えきれない時代だからこそ、地域全体で支え合う仕組みづくりがますます重要になっています。
東京都足立区では、社会福祉協議会が以前から「高齢者あんしん生活支援事業」を実施しています。入院時の身元保証に準じた支援や日用品の届け出、各種手続きの代行だけでなく、亡くなった後の葬儀や納骨、家財整理まで支援する内容です。利用件数は年々増加し、前年を上回るペースで契約が伸びているとのことで、地域の安心につながる仕組みとして活用が広がっています。
一方で、現場の社協はすでに人員がほぼ手一杯の状態にあり、新制度が始まればさらに大きなニーズが発生すると見込まれています。今の人材や財源では十分に対応しきれないとの懸念もあり、今後は国による十分な支援体制の整備が求められています。
今回の法改正について、日本総合研究所の岡元真希子主任研究員は、支援の対象や範囲を大きく広げた踏み込んだ内容であり、身寄りのない高齢者の問題を個人の問題としてではなく社会全体の課題として捉えた点を評価しています。これまで介護や医療の場面では家族の存在が前提となることが多く、身寄りのない方にとっては大きな壁となっていました。「家族頼み」の福祉からの転換が始まったとも言えるでしょう。
一方で、専門家からは、本人の意思確認の仕組みや、認知症などで判断能力が十分でない方への対応、医療機関との合意形成、地域による役割分担のあり方など、なお詰めるべき課題が多いことも指摘されています。今回の制度によって、家族がいないことを理由に必要なサービスを受けられないという状況が改善されることが期待される一方、こうした運用面の課題にも丁寧に向き合っていく必要があります。
その一方で、全国の社会福祉協議会だけで今後増え続ける利用者すべてに対応することは容易ではありません。人材の確保や財源の充実、民間事業者との連携、認知症の方への支援体制など、今後も丁寧な制度設計が必要です。
年齢や家族構成にかかわらず、誰もが安心して暮らせる地域社会を築くことは、これからますます重要になります。新温泉町においても、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域の支え合いを大切にしながら、国や県の制度をしっかり活用できる環境づくりが求められています。誰一人取り残されることのない地域共生社会の実現に向けて、私も引き続き関心を持って取り組んでまいります。
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ホーム>政党・政治家>寺谷 えいいち (テラタニ エイイチ)>身寄りのない高齢者を地域で支える新しい仕組みへ 【新温泉町議会議員 寺谷えいいち】