2026/6/9
川越市議会で、保育所などの運営基準に関する条例改正が議題になっています。
正式には、議案第47号「川越市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例等の一部改正」というものです。
名前だけ聞くと、とても難しく感じます。
でも、内容をかみ砕くと、子育て世代にとってかなり身近な話です。
簡単に言えば、保育所などで必要とされる職員配置のルールを一部見直す、という内容です。
今回の改正で注目したいのは、保育所等に配置すべき保育士等の数について、施設に勤務する理学療法士等を、1人に限り、保育士とみなすことができるようにする点です。
また、理学療法士や看護師などが保育を行う場合には、その施設の保育士による支援を受けられる体制を確保することも求められます。
さらに、3歳以上4歳未満の子どもなどに関する保育士配置基準の緩和措置について、期限を令和9年度末までとする内容も含まれています。
つまり、保育現場の人員配置について、一定の柔軟性を持たせる改正だといえます。
背景には、おそらく保育人材の不足があります。
保育士不足は全国的な課題です。
川越市でも、保育の受け皿を確保するためには、現場で働く人材をどう確保するかが大きな問題になっているはずです。
私は、こうした見直しそのものを頭ごなしに否定するつもりはありません。
保育の現場で人が足りなければ、保育園を運営すること自体が難しくなります。
保育園が運営できなければ、子どもを預けたい家庭が困ります。
子どもを預けられなければ、働きたい親も働けません。
子育て支援を進めるうえで、保育の受け皿を守ることは非常に大切です。
また、理学療法士や看護師などの専門職が保育の現場に関わることには、良い面もあると思います。
子どもの発達や体の動き、健康面に関する専門的な視点が入ることは、子どもたちにとってプラスになる可能性があります。
特に、発達に不安のある子や、医療的な配慮が必要な子どもがいる場合には、多職種が連携することは大事です。
一方で、子育て世代として気になる点もあります。
それは、「保育士とみなす」という制度上の扱いによって、保育士の専門性が軽く見られてしまわないか、ということです。
保育士の仕事は、ただ子どもを見守るだけではありません。
子どもの安全を守る。
生活習慣を支える。
友達との関わりを見守る。
泣いたり怒ったりする子どもの気持ちを受け止める。
保護者とも連携する。
子どもの発達を日々観察する。
これは、とても専門性の高い仕事です。
私は以前、娘の通う保育園で「パパ先生」として保育士体験をさせていただいたことがあります。
短い時間でしたが、子どもたちと関わるだけでも、保育の現場がどれほど大変かを感じました。
子どもたちは本当に自由です。
楽しく遊んでいたと思ったら、急に泣くこともあります。
友達同士で取り合いになることもあります。
一人ひとり性格も違いますし、その日の体調や気分も違います。
それを先生方は、全体を見ながら、一人ひとりに対応しています。
あの現場を見たからこそ、私は「人員配置を柔軟にする」ことには慎重さも必要だと思います。
理学療法士や看護師などの専門職が保育の現場に入ること自体は、悪いことではありません。
むしろ、専門職同士が連携すれば、保育の質を高める可能性もあります。
ただし、それはあくまで「保育士の代わりに置く」という考え方ではなく、「保育士を支える」「子どもの育ちを多面的に見る」という考え方であるべきだと思います。
今回の改正でも、保育士による支援体制を確保することが示されています。
ここは非常に重要です。
制度上は支援体制があるとしても、現場で本当に機能するのか。
保育士の先生方にさらに負担がかからないのか。
保護者にきちんと説明されるのか。
子どもたちの安全と安心は守られるのか。
このあたりは、市議会でもしっかり確認してほしいポイントです。
親として一番気になるのは、やはり「安心して預けられるか」です。
保育園に子どもを預けるとき、親は先生方を信頼して子どもを託しています。
もちろん、どの職種の方であっても、子どもに真剣に向き合ってくださる方には感謝しかありません。
ただ、制度として保育士以外の職種を保育士とみなせるようにするのであれば、保護者が不安にならない説明が必要だと思います。
どのような人が保育に関わるのか。
保育士との役割分担はどうなるのか。
安全管理はどうするのか。
子どもに何かあった場合の責任体制はどうなるのか。
こうした点は、制度を作る側が丁寧に示すべきです。
今回の議案について、私は次の点を確認してほしいと思います。
まず、理学療法士等を保育士とみなすことで、現場の保育体制にどのような影響があるのか。
次に、保育士による支援体制は、実際に無理なく確保できるのか。
そして、保護者への説明はどのように行われるのか。
さらに、今回の改正によって、保育の質が下がっていないかを市としてどう検証するのか。
制度は、作って終わりではありません。
実際に現場でどう運用されるのか。
子どもにとって安全か。
保護者にとって安心か。
保育士の先生方にとって無理のない仕組みか。
そこまで見ていく必要があります。
川越市が子育て支援を充実させようとすることは、とても大切です。
保育の受け皿を守ること。
人手不足に対応すること。
専門職が連携すること。
どれも必要な視点です。
ただし、子育て支援は「預けられる枠を増やせばよい」というものではありません。
子どもが安心して過ごせること。
保護者が安心して預けられること。
現場の先生方が無理なく働けること。
この3つがそろって、初めて本当の子育て支援だと思います。
私自身、子育て中の父親として、保育園と保育士の先生方に日々支えられています。
だからこそ、保育制度を考えるときには、親の都合だけでなく、子どもの安心、そして現場の専門性にも目を向けたいです。
今回の条例改正が、単なる人手不足の穴埋めではなく、子どもたちにとってよりよい保育につながるものになるのか。
市民目線、そして子育て世代目線で、しっかり見ていきたいと思います。
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トクミヤ ユウキ/32歳/男
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